OJTとは?実務を通じて学ぶためのポイント

はじめに

職場で働きながら学ぶ OJT (On-the-Job Training)は、新たなスキルを身につけるうえで欠かせない方法として知られています。 プログラミングを学び始めたばかりの皆さんにとっても、実務でコードに触れながらスキルを高めることは大きなメリットがあるのではないでしょうか。 しかし、OJTと聞いても、どのような流れで進めればよいのかが曖昧だと感じるかもしれません。

そこで本記事では、OJT とはどういったものなのか、その基本概念と実務での学習プロセスについて紹介します。 プログラミング初心者の皆さんが現場での作業をとおして自信を持って学習を継続できるよう、具体的な取り組み方や注意点をまとめてみました。 一つひとつの内容を短い段落で区切りながら進めるので、ぜひ気軽に読み進めてみてください。

OJTの基本的な考え方

OJTは、職場というリアルな環境を使い、実際に作業をしながら学習する方法です。 研修室で座学を行う方法とは異なり、現場のタスクやプロジェクトに参加しつつ、必要な知識やスキルを吸収していきます。 プログラミングの分野でも、このやり方は多くのメリットがあります。

たとえば、初心者が基本的な文法やコマンドを学ぶだけではなく、現場特有のコードレビュールールやチーム内のコミュニケーション手順まで実践できる点が挙げられます。 また、現場の課題に直面したときにどう対処すればいいのか、身をもって体感しながら問題解決スキルを身につけることができるわけです。

実際に問題が起きた際、周囲のサポートを受けつつ解決方法を見つけるのもOJTの大きな特徴です。

このように、単に知識を詰め込むだけではなく、実務の流れ全体を把握しながら学べるのがOJTの魅力といえます。 次のセクションでは、OJTに取り組むことで得られるメリットを具体的に見ていきましょう。

OJTのメリット

OJTの最大の魅力は、机上の勉強だけでは得られない現場感覚を手に入れられることです。 プログラミングの構文やフレームワークの使い方を本や動画で学ぶだけでは、実務の流れや協業プロセスが見えにくいことがあります。 しかしOJTであれば、目の前のタスクに取り組みながら学べるため、理論と実践が結びつきやすいのです。

さらに、周囲のサポートが期待できる点も見逃せません。 何か疑問が浮かんだら、その場で先輩エンジニアに相談し、実装方法やトラブルシュートを直接教わることができます。 こうした対面コミュニケーションがあることで、初心者でも不安を抱えずに学習を続けやすくなるのではないでしょうか。

もう一つ大きいのが、学んだことを即座に実務へ生かせる点です。 たとえば、新しいライブラリの導入方法やコーディングスタイルを覚えたら、その日のうちに自分の担当箇所へ適用できます。 作業効率が上がれば、チームへの貢献度も上がり、やりがいを感じられるでしょう。

OJTの実践ステップ

OJTの進め方は会社やプロジェクトによって異なることがありますが、一般的には以下の流れで行われることが多いです。 今回は4つのステップに分けて見ていきましょう。

事前準備

まずは、学習者自身が基礎知識を一通り確認しておきます。 プログラミング言語の基本文法や開発ツールの操作など、最低限の下地を作ることで、実務へ入りやすくなるはずです。 また、受け入れ側のチームとしても、開発プロジェクトの概要や使う技術スタックを事前に共有しておくことでスムーズにOJTを始められます。

目標設定

次に、学習者と現場の担当者が話し合い、OJTで達成したい目標をはっきりさせます。 たとえば「小規模な機能を1つ実装できるようにする」や「既存コードを改修してみる」といった具体的な目標が考えられるでしょう。 このステップで目指すゴールを共有しておくと、作業の方向性がわかりやすくなります。

現場実践

目標が定まったら、いよいよ現場のプロジェクトに参加して作業を進めていきます。 この段階では、実際のソースコードを読んだり、タスクを割り振られたりしながら、現場ならではの流れを学び取っていきます。 先輩やチームメンバーの動きを観察すると、タスク管理の方法やコミュニケーションのコツも学べるでしょう。

フィードバックと振り返り

一定期間が過ぎたら、学習者と担当者でフィードバックを行います。 良かった点や改善すべき点を共有し合い、次に活かすための振り返りをするのがポイントです。 ここでの気づきが学習効率を上げるきっかけになるので、できるだけ率直に意見を交換するとよいでしょう。

プログラミング現場でのOJT

プログラミング現場でOJTを行う場合、実務の中で学べる内容はかなり幅広くなります。 コンパイラの設定やデバッガの使い方など、細かな開発環境の整備から、開発スタイルやプロジェクト管理の手法まで含まれるからです。 ここでは、代表的な学習シーンとして3つほど紹介します。

ペアプログラミングの活用

ペアプログラミングは2人1組になってコードを記述する方法です。 片方がコードを書く(ドライバー役)間、もう片方が指摘や助言をする(ナビゲーター役)形で進めることが多いですね。 経験豊富なメンバーと一緒に取り組むと、細かいテクニックやソフトウェアの仕組みを実践で学びやすくなるでしょう。

コードレビュー

チーム開発では、プルリクエスト(Pull Request)を作成してから他メンバーにレビューを依頼する流れが一般的です。 OJT中の初心者が書いたコードには、指摘や改善案が多く寄せられることもあるかもしれませんが、その分勉強のチャンスが増えるというメリットがあります。 エラー対処や保守性の高い書き方など、実践ならではのポイントを効率よく学べる時間といえます。

小規模プロジェクトの担当

ある程度基礎が固まってきたら、小規模なプロジェクトをまるごと任されることもあります。 最初は不安かもしれませんが、要件定義からデプロイまでの流れを実際に体験できるのは貴重な機会です。 複数ファイルに分割されたソースコードの管理や、チームでのタスク分担を自分なりに理解するうえでも役立ちます。

OJTを活かすポイント

OJTはただ現場にいるだけでは効果を最大化できません。 自分から学びにいく姿勢や、コミュニケーションの取り方が大切になります。 ここでは、OJTをより活用するためのポイントを2つほど紹介します。

コミュニケーション

わからないところを放置せず、素直に質問するのが大切です。 コードのエラー原因や設計上の疑問などを、早い段階でクリアにしておくと、ミスが積み重なるのを防げます。 また、同じような作業をしている仲間や先輩とこまめに情報交換すると、学習のスピードが上がるでしょう。

スキル共有

自分が学んだことをドキュメントにまとめたり、朝会などのミーティングで簡単に共有したりすると、チーム全体の成長にもつながります。 OJTは個人のスキル向上だけでなく、組織のスキルレベルを底上げするチャンスでもあるのです。 その過程で「次はこういうことを試してみよう」という新たな発想が生まれることもあります。

簡単なコード例を使ったOJTの流れ

ここでは、JavaScriptで小さな機能を実装してみるOJTのイメージを紹介します。 手軽な例なので、皆さんも雰囲気をつかみやすいかもしれません。

// チームメンバーからのリクエスト:ユーザー名と年齢を表示する関数が欲しい
// 最新のNode.jsと最新のブラウザ環境で動作することを想定しています。

function showUserInfo(name, age) {
  return `ユーザー名: ${name}、年齢: ${age}`;
}

// ここでは実際に使ってみるテストコードを簡単に書いてみる
// (テストツール等は最新バージョンのものを利用している想定です)
const userName = "Taro";
const userAge = 25;
console.log(showUserInfo(userName, userAge));
// 出力: ユーザー名: Taro、年齢: 25

このようなコードを、先輩エンジニアとペアプログラミングしながら実装するイメージです。 慣れてきたら、関数の引数チェックや例外処理を追加していくとよいでしょう。 実際の現場では、要望に合わせて関数を拡張したり、コードレビューで改善点を見つけたりするところまでが一連のOJTの流れになっていきます。

OJTを円滑に進めるための注意点

OJTは実務を主体として進むため、ある程度の計画性と柔軟性が必要です。 ここでは、円滑にOJTを進めるための注意点をいくつか紹介します。

作業範囲を見極める

一度に難易度の高いタスクを詰め込みすぎると、エラーや混乱が増えてしまいます。 小さく区切ったタスクを少しずつクリアしていくと、理解度を高めながら前進しやすくなります。

進捗の定期確認を行う

毎日や週単位で、どの程度学習が進んでいるかを確認すると、問題が起きていても早めに対処できるでしょう。 定期的な確認がないと、気づかないうちに大きなつまずきが発生する可能性があります。

周囲との連携を意識する

プログラミングはチームで行うことが多いので、動作がおかしい部分があれば遠慮なく相談するとよいでしょう。 共同作業の観点から、コミットメッセージの書き方やブランチ運用のルールなども学んでおくと便利です。

改善のフィードバックを即時に反映する

わかったつもりでも、次のタスクに取りかかったときに同じようなミスを繰り返すことがあります。 早期に修正を試みることで、学習効果が高まり、タスクの効率も上がるはずです。

時間やリソースの都合で、すべてを丁寧に教えてもらえるわけではない可能性もあります。 その際は、何から学ぶべきかを自分で優先度付けする意識も必要です。

このように、限られた環境下でも自分が学べることをしっかり見極め、計画的に取り組む姿勢が大切になります。

まとめ

ここまで、OJT とは何か、そしてどのような手順で行われ、どんなメリットがあるのかを見てきました。 プログラミング初心者の皆さんにとっては、現場の空気を肌で感じながら学べる貴重な機会になるのではないでしょうか。 座学だけでなく、実際にコードを書いて先輩の助言をもらうことは、理解を深める近道になります。

また、OJTの効果を最大限に引き出すためには、自ら質問したり進捗を共有したりといった積極的な姿勢が欠かせません。 学習する側だけでなく、受け入れ側のチームも協力体制を整えることが重要です。 ぜひ現場に飛び込み、実践を通じてプログラミングの知識とスキルを着実に高めてみてください。

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