ASP.NET Core MVCとは?基本的なしくみと開発プロセスをわかりやすく解説

はじめに

ASP.NET Core MVCは、C#を使ってWebアプリケーションを開発するためのフレームワークです。 MVCというアーキテクチャを採用しており、Webアプリを「モデル」「ビュー」「コントローラ」の3つに分割して整理しやすくする点が特徴です。 これによってコードの可読性が高まり、保守もしやすくなりますね。 実務でも多くの企業で採用されており、業務システムや大規模なWebサービスまで幅広い用途に使われています。 皆さんもASP.NET Core MVCを学ぶことで、安定したパフォーマンスとスケーラブルな開発を目指しやすくなるのではないでしょうか。

この記事を読むとわかること

  • ASP.NET Core MVCの基本構造
  • 実務でどのように役立つか
  • プロジェクト作成からデータベース連携までの手順
  • コントローラやビューを使った具体的な実装例

このような内容を理解することで、全体像を把握しやすくなります。 ここからは、なるべく専門用語をわかりやすく説明していくので、初心者の皆さんも安心して進めてみてください。

ASP.NET Core MVCの特徴

ASP.NET Core MVCでは、Webアプリを大きく分けてモデル(Model)、ビュー(View)、コントローラ(Controller)の3つに構成します。 この構造を採用することで、ビジネスロジックとUIが分離され、チーム開発でも衝突が起こりにくくなるでしょう。 さらにASP.NET Core MVCは、比較的高速な処理が可能とされており、多くのユーザーがアクセスする環境でも対応しやすいと考えられています。

ASP.NET Core MVCの特徴を活かすには、全体の設計段階からデータの流れを明確にしておくことが大切です。

もう一点大事なのは、C#という静的型付け言語の特性を活かし、コンパイル時にある程度のエラー検出が可能なところです。 これによって、実装段階でのケアレスミスをある程度防ぎやすいといえます。

MVCアーキテクチャのメリット

MVCというアーキテクチャを使うと、コードの見通しが良くなる点が大きなメリットです。 コントローラには画面とビジネスロジックをつなぐ最低限の処理を書き、モデル側でデータ管理や業務的なロジックを実装するイメージですね。 ビューはユーザーに見せる部分だけに集中するため、それぞれの責務が明確化しやすくなります。 責務が明確になると、コードのテストもしやすくなり、不具合が起きたときの影響範囲を小さく留めることができます。 このように開発効率と保守性を両立できる設計手法として、ASP.NET Core MVCは優れた選択肢といえるでしょう。

実務におけるASP.NET Core MVCの活用例

ASP.NET Core MVCは企業の内部システム開発で特に多く利用されています。 たとえば、在庫管理システムや従業員の勤怠管理システムなど、データの登録や更新を行う場面に適していますね。 フォーム入力や認証機能など、Webアプリに必須となる機能をフレームワークがあらかじめ用意しているので、ゼロから作る手間を減らすことができます。

また、ASP.NET Core MVCを使った公開サイトの構築事例も少なくありません。 静的な情報ページだけでなく、ユーザーからの問い合わせや注文を受け付ける機能も簡単に組み込めるため、多機能なサイトを一貫して管理しやすいわけです。 これらのシステムはC#によるコンパイル環境で開発が行われるため、コード修正時に型エラーなどを早期に検出できる点も頼もしいと感じる方が多いのではないでしょうか。

ASP.NET Core MVCで開発を始める前には、あらかじめ必要な機能とデータ構造を整理しておくと、実装がスムーズになります。

プロジェクト作成の基本手順

それでは、ASP.NET Core MVCのプロジェクトを作成する大まかな流れを見てみましょう。 まずはコマンドラインからプロジェクトを初期化します。 以下のようにコマンドを実行すると、MVCを使ったプロジェクトが作成できます。

dotnet new mvc -o MvcSample
cd MvcSample
dotnet run

dotnet new mvc -o MvcSampleでは、ASP.NET Core MVCの雛形が整ったディレクトリが自動生成されます。 dotnet runを実行すると、ローカル環境でWebアプリが起動し、ブラウザでデフォルト画面を確認することができるでしょう。

フォルダ構成は大まかに、Controllersディレクトリにコントローラ、Viewsディレクトリにビュー関連のファイルが入る形になります。 実際に編集する際は、この構造を意識してコードを配置するとわかりやすいですね。

データベース連携の基本

ASP.NET Core MVCとデータベースの連携には、Entity Framework Core(EF Core)を使う場合が多いです。 EF Coreはオブジェクトとリレーショナルデータベースの橋渡しをしてくれる仕組みで、開発者はC#のオブジェクト感覚でデータを操作できます。 たとえば、次のようなC#クラスを用意しておき、データの増減をコード上で行えます。

using System.ComponentModel.DataAnnotations;

namespace MvcSample.Models
{
    public class Product
    {
        [Key]
        public int ProductId { get; set; }

        [Required]
        public string Name { get; set; }

        public int Stock { get; set; }
    }
}

次にDbContextというクラスを作成し、このモデルを使う準備を整えます。 以下の例ではProductContextというクラスを定義し、Productsというテーブルを扱えるようにしています。

using Microsoft.EntityFrameworkCore;

namespace MvcSample.Models
{
    public class ProductContext : DbContext
    {
        public ProductContext(DbContextOptions<ProductContext> options) : base(options)
        {
        }

        public DbSet<Product> Products { get; set; }
    }
}

実務ではデータベース設定(接続文字列)をappsettings.jsonなどに書いておき、起動時に自動で読み込ませます。 このようにASP.NET Core MVCとEF Coreを組み合わせることで、フォームから受け取った情報をデータベースに保存したり、一覧画面で表示したりする機能を簡単に実装できるわけです。

コントローラとルーティング

ASP.NET Core MVCでは、コントローラがWebアプリの入口としてユーザーのリクエストを受け取ります。 たとえば、下記のコードはHelloControllerというクラスで、Index()メソッドがルートパスを受け取ったときの処理を担当しています。

using Microsoft.AspNetCore.Mvc;

namespace MvcSample.Controllers
{
    public class HelloController : Controller
    {
        public IActionResult Index()
        {
            return View();
        }
    }
}

ASP.NET Coreの既定の設定だと、/Hello/IndexというURLにアクセスするとこのメソッドが呼ばれます。 もし別のメソッドを追加したいなら、メソッド名を変えて同じクラスに定義し、/Hello/○○のようなパスでアクセスできる形を用意します。

細かいルーティングをカスタマイズしたいときはStartup.csProgram.cs内のルーティング設定を変更し、ルートテンプレートを定義することでURL構成を自由に決められます。 業務システムなら/Products/List/Products/Editといったパスを用意し、適切にビューを返す仕組みを作ることになるでしょう。

ビューの扱い方

ビューはユーザーに直接見える画面部分を担当します。 ASP.NET Core MVCでは、Razorというテンプレートエンジンを使ってHTMLファイルを書き、C#のコードを組み込む形が一般的です。 例えばIndex.cshtmlという名前のファイルをViews/Helloディレクトリに配置しておき、下記のように記述します。

@{
    ViewData["Title"] = "Hello Page";
}

<h1>@ViewData["Title"]</h1>
<p>ここに表示させたいテキストを入れます。</p>

@{}の中でC#の変数や処理を記述できるほか、HTMLタグの間に@ViewData["キー"]を埋め込んでページを動的に生成できます。 フォームやテーブルを設置する場合も同じ仕組みで、モデルのデータをビューに渡して繰り返し処理や条件分岐を行いながらページを作成していきます。

業務システムなら、商品リストをテーブル表示したり、在庫数量を変更するためのフォームを設置したりする場面が多いでしょう。 ASP.NET Core MVCはこれらの機能をまとめて管理できるので、シンプルな構成で開発を進めやすく感じる方も多いのではないでしょうか。

まとめ

ここまでASP.NET Core MVCの基本構造や活用例、実装の流れを見てきました。 MVCアーキテクチャのおかげでコードを整理しやすく、チーム開発でも役割分担が明確になるメリットがあります。 C#を使った堅牢な環境での開発が可能となり、ビジネスロジックとUIをスッキリと分割できる点も大きいですよね。

実務での導入事例も多いため、ASP.NET Core MVCを覚えておくことは、今後のキャリアにおいても役立ちやすいと考えられます。 まずはプロジェクトを作成し、コントローラとビューを紐付けながら小さなアプリケーションを作ってみると良いでしょう。

これをきっかけに、皆さんがASP.NET Core MVCの概要を把握し、実際に使ってみたいと思えるようになれば幸いです。

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