Laravel入門に興味を持った初心者がまず知っておきたいこと
Laravel入門を検討している皆さんは、「PHPで開発するならLaravelが便利」とよく耳にするかもしれませんね。 LaravelはPHPで作られたフレームワークの一つで、コードの書きやすさや充実した機能が特長です。
実際に、多くの企業がAPIやWebアプリケーションを構築するときにLaravelを採用しているケースがあります。 ただ、初心者の方は「とにかく設定が難しそう」という印象を持つこともあるようです。 そこで、この記事ではLaravelの基本構造や実務での活用シーンを意識しながら、学び始める際に押さえておきたいポイントを説明します。
実務シーンでは、ユーザーのアカウント管理やブログ記事の投稿機能、API連携などを効率よく実装することが求められます。
このフレームワークを活用すると、認証機能やルーティングがあらかじめ用意されているので、開発の敷居が下がることが多いです。 「初心者がまず何を理解しておけばよいのか」をゴールに、わかりやすくまとめていきます。
Laravelを使うメリット
Laravelには多くの機能が含まれています。 特に、認証機能やデータベース操作の仕組みが最初から整備されているため、自作で同等の仕組みをイチから作る手間を省けます。 これは、たとえば「ユーザー登録」「ログイン」「パスワードリセット」など、Webアプリケーションでは定番となる部分を迅速に実装できることを意味します。 また、Bladeというテンプレートエンジンが用意されているので、HTMLの中にPHPを埋め込む際のコードが読みやすくなります。 それにより、フロントエンドとバックエンドの境界を意識した開発スタイルを身につけやすいかもしれませんね。
一方で、LaravelはMVCアーキテクチャに沿った設計を強く推奨するフレームワークです。 Model(モデル)、View(ビュー)、Controller(コントローラ)の役割分担がわかりやすいので、大規模開発の現場でも採用されています。 初心者のうちからこの構造に慣れておくと、後々のプロジェクトでも応用しやすくなるのではないでしょうか?
慣れるまでコード規約やフォルダ構成に戸惑うことがあるかもしれません。 ですが、規約に則ることで品質の安定したコードに近づきやすいです。
環境構築の手順とポイント
Laravelを始めるには、まずPHPの実行環境とComposerという依存管理ツールが必要になります。 これらの準備が整ったら、Laravelプロジェクトを作成することができます。 一般的には、以下のコマンドが使われます。
composer create-project laravel/laravel my-laravel-app
実行が完了すると、my-laravel-appというディレクトリが作成され、Laravelの各種ファイルが配置されます。 その後、以下のコマンドで開発用サーバーを立ち上げることができます。
cd my-laravel-app php artisan serve
ブラウザで http://127.0.0.1:8000
にアクセスすると、Laravelのトップページが表示されるはずです。
この段階でLaravelの初期画面が確認できたら、次は.envファイルの設定を見直しておくことがおすすめです。 .envファイルにはデータベースの接続設定などが含まれているので、初期のうちに環境情報を正しく設定しておくと後々スムーズに進められます。 また、MySQLやPostgreSQLなど、使いたいデータベースに合わせてドライバやポート番号を調整しておくことが肝心です。
基本ディレクトリ構成の理解
Laravelのプロジェクトには、複数のフォルダが存在します。 中でも、初心者の方が特に意識しておくべきフォルダは以下の通りです。
app
コントローラやモデルなどが配置されるフォルダです。 アプリケーションの主要ロジックがここに集約されます。
resources
テンプレートファイル(Blade)やCSS、JavaScriptなどのフロント寄りの資源が配置されます。
routes
WebルートやAPIルートなど、アプリケーションのルーティング設定ファイルが入っています。
database
マイグレーションやシーディング関連のファイルが置かれます。 テーブルを作成するときには、このフォルダ内のファイルを編集してコマンドを実行します。
public
実際にブラウザやクライアントから参照される静的ファイルが配置されます。 ここには画像やCSS、JavaScriptなどが格納されることが多いです。
フォルダごとに役割が分かれているので、操作対象が明確になりますよね。 この仕組みにより、複数人で同時に開発を進めてもコンフリクトしにくい利点があります。 また、何か問題が起きたときに「どのファイルを探せばいいか」が把握しやすいです。
MVCの流れを把握する
Laravelが採用しているMVCアーキテクチャを理解すると、開発の全体像がつかみやすいです。 流れとしては、ユーザーが特定のURLにアクセスすると、まずはroutes/web.php(またはapi.php)に記述されたルーティングがコントローラを呼び出します。 コントローラ側では必要に応じてModelを使い、データベースとやり取りを行います。 そして、その結果をView(Bladeテンプレート)に渡して画面として表示します。
たとえば、ブログ記事を一覧表示するケースを考えてみましょう。
ルートで Route::get('/posts', [PostController::class, 'index']);
と定義し、PostControllerのindexメソッドが呼び出されます。
そこで、ModelであるPostを介してデータベースから記事情報を取得します。
最終的に、Bladeテンプレート(例: resources/views/posts/index.blade.php
)に取得したデータを渡し、記事一覧を表示します。
また、実務ではバリデーション(入力チェック)も重要です。 Laravelにはバリデーションの仕組みが用意されており、コントローラのメソッド内でルールを定義するだけで、多くのチェックを自動化できます。 エラーがあった場合は同じ画面に戻すなどのフローを簡単に組み込めるので、実装効率を上げやすい仕組みだと言えるでしょう。
サンプル機能の実装例
ここでは、簡単なタスク管理機能を例に、Laravelの基本的な使い方を見てみましょう。 まず、マイグレーションファイルを作成して、タスクを保存するためのテーブルを定義します。 以下のコマンドでマイグレーションファイルを生成できます。
php artisan make:migration create_tasks_table
生成されたファイルは database/migrations
フォルダに配置されます。
通常は up
メソッド内にカラムを定義し、 down
メソッドでテーブルを削除する記述を入れます。
一例として、tasksテーブルにtitle(タイトル)とbody(詳細)を持たせるケースを考えると、マイグレーションファイル内は次のようになります。
Schema::create('tasks', function (Blueprint $table) { $table->id(); $table->string('title'); $table->text('body')->nullable(); $table->timestamps(); });
設定が終わったら、以下のコマンドでデータベースにテーブルを作成できます。
php artisan migrate
続いて、モデルを作成しておきます。
ターミナルでコマンドを実行すると、 app/Models/Task.php
が作られます。
php artisan make:model Task
次に、コントローラを作成して実装を行います。
例えば、 TaskController
を生成するコマンドは以下の通りです。
php artisan make:controller TaskController
この中で、一覧や新規作成などのメソッドを定義していきます。
ルーティングは routes/web.php
に記述します。
Route::resource('tasks', TaskController::class);
これで、indexやcreate、storeといったメソッドとURLの関連付けが完了します。
Bladeテンプレートは、 resources/views/tasks
フォルダを作り、各メソッドに対応するファイルを配置します。
そこでは、以下のようにデータを表示します。
<!-- resources/views/tasks/index.blade.php --> @foreach ($tasks as $task) <h2>{{ $task->title }}</h2> <p>{{ $task->body }}</p> @endforeach
このように、モデルとマイグレーションでデータベースを扱い、コントローラで処理を組み立て、Bladeテンプレートで出力する流れが基本です。 MVCの役割分担を意識すると、機能追加や修正がしやすくなるはずです。
コントローラのメソッドが肥大化したと感じたら、フォームリクエストやサービスクラスの利用を検討すると良いでしょう。 初期段階から整理しておけば、後々の規模拡大にも対応しやすいです。