laravel 11とは?初心者が知りたい特徴と使い方

laravel 11の概要

PHPでWebアプリケーションを開発するときに便利なフレームワークとして、多くのエンジニアがLaravelを使っています。

そして、執筆時点で一番新しいバージョンは、2024年にリリースされた laravel 11 です。

Laravelは実務で使いやすい構成や豊富な機能があるため、企業のWebシステムから個人のポートフォリオサイトまで幅広く活用されています。

初心者の方がLaravelを選ぶ理由は、わかりやすいディレクトリ構成やドキュメント、コミュニティの豊富さにあります。

プログラミングをこれから学ぶ皆さんが、laravel 11で何ができるのかを知ると、開発のイメージが湧きやすくなるでしょう。

ここでは、初心者の目線に立って、laravel 11の特徴と学習を進めるうえでのポイントを紹介していきます。

なぜlaravel 11を選ぶのか

Webアプリケーションを開発する際に大切なのは、作業効率とメンテナンス性ではないでしょうか。

laravel 11では、モデルやコントローラなどを整理しやすい構造を持っています。

これによって、開発者が読みやすいソースコードを書きやすくなります。

たとえば、ユーザーのログイン機能やデータベースの操作方法を統一的な書き方で管理できるところがポイントです。

また、Bladeテンプレートエンジンによって、見た目の部分をテンプレート化しやすく、フロントエンドとの連携もスムーズになります。

laravel 11を使うことで、チーム開発はもちろん、個人での開発でも手戻りが少なくなるはずです。

実務に役立つ活用シーン

laravel 11を使ってどんなことができるのかを考えてみましょう。

企業向けの管理システムを構築したい場合でも、ユーザーテーブルを用意し、認証機能を追加するだけで最低限の運用が可能になります。

ECサイトや予約システムなどで商品の管理や登録処理を行う際も、MVCの流れで実装するとコードの整理がしやすいです。

また、APIサーバーとしても便利です。

たとえば、モバイルアプリのバックエンドをlaravel 11で提供し、JSON形式でデータをやり取りする場面も見かけます。

これらの例を通じて、laravel 11の柔軟性が理解できるのではないでしょうか。

MVC構造の流れ

laravel 11を理解するうえで、MVC構造は外せない要素です。

  • M:Model
  • V:View
  • C:Controller

Modelはデータベースとのやり取りを担当します。

Viewは画面表示などの見た目部分を扱います。

Controllerはリクエストを受け取り、必要なModelやViewを呼び出して処理をまとめます。

これによって、役割がはっきり分けられるので、コードの見通しが良くなります。

たとえば、ユーザー一覧を表示する場合、Controllerでユーザー情報をModelから取得してViewに渡すだけです。

そして、Viewがそれらの情報を画面に反映します。

開発が進んでも、ModelやView、Controllerのどこに変更が必要かがすぐにわかるので、保守性が高いです。

laravel 11のセットアップ方法

実際にlaravel 11を使うときは、PHPとComposerが動く環境を用意します。

その後、以下のようなコマンドを実行します。

composer create-project laravel/laravel="11.*" my-laravel-app

これによって、my-laravel-appというフォルダにlaravel 11のプロジェクトが作成されます。

フォルダへ移動し、下記のコマンドを実行すると開発用サーバーが立ち上がります。

cd my-laravel-app
php artisan serve

ブラウザで http://127.0.0.1:8000 にアクセスすると、初期画面が表示されます。

ルーティングの基本

laravel 11のroutesディレクトリには、web.phpというファイルが入っています。

このファイルでURLと処理内容の対応関係を定義します。

たとえば、以下のコードでトップページに表示する内容を設定できます。

use Illuminate\Support\Facades\Route;

Route::get('/', function () {
    return view('welcome');
});

Route::getは、HTTPメソッドGETでアクセスされたときの動作を表します。

ブラウザで「/」にアクセスしたときは、welcomeというビューを返すようになっています。

別のURLを追加したい場合は、同じようにRoute::getを増やすとわかりやすいです。

コントローラの作り方

機能が増えてくると、Controllerを使ったほうが管理しやすくなります。

以下はサンプルとして、UsersControllerを作るコマンドの一例です。

php artisan make:controller UsersController

app/Http/ControllersフォルダにUsersController.phpというファイルが生成されます。

その中でメソッドを定義し、ルートと紐づけることでロジックを整理できます。

<?php

namespace App\Http\Controllers;

use Illuminate\Http\Request;

class UsersController extends Controller
{
    public function index()
    {
        // ユーザー一覧を取得するロジック
        // データをビューに渡す
        return view('users.index');
    }
}

そして、routes/web.phpで下記のように設定します。

use App\Http\Controllers\UsersController;

Route::get('/users', [UsersController::class, 'index']);

こうすると、/usersにアクセスしたときにUsersControllerのindexメソッドが呼び出されます。

Bladeテンプレートでの表示

Bladeテンプレートは、laravel 11でHTMLとPHPを組み合わせる仕組みを提供してくれます。

resources/viewsディレクトリ内に、usersフォルダを作り、index.blade.phpを配置する例を示します。

<!-- resources/views/users/index.blade.php -->
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
    <meta charset="utf-8">
    <title>Users List</title>
</head>
<body>
    <h1>ユーザー一覧</h1>
    <p>ユーザーをリストアップします。</p>
</body>
</html>

このファイルをControllerから return view('users.index'); と返すだけで、HTMLが表示されます。

Blade構文の {{ }} を使うと、PHPの値をHTMLに埋め込むことができます。

データベースから取得したユーザー名を繰り返し表示するなど、さまざまな使い方が可能です。

Eloquent ORMでデータベース操作

laravel 11では、Modelを使ってデータベース操作をシンプルに書くことができます。

これを Eloquent ORM と呼びます。

たとえば、Userというテーブルを操作するには、app/Models/User.phpの中でクラスを定義します。

<?php

namespace App\Models;

use Illuminate\Database\Eloquent\Factories\HasFactory;
use Illuminate\Database\Eloquent\Model;

class User extends Model
{
    use HasFactory;
    // テーブル名やフィルラブル(代入可能なカラム)などをここに記載
}

これによって、Userモデルを通してデータベースのuserテーブルにアクセスできるようになります。

Controllerの中で、一覧を取得する例を示します。

use App\Models\User;

class UsersController extends Controller
{
    public function index()
    {
        $users = User::all();
        return view('users.index', ['users' => $users]);
    }
}

ビュー側で $users を繰り返し表示すれば、簡単に一覧を表示できます。

実務で役立つ機能の例

laravel 11には、認証機能を手早く実装する仕組みがあります。

簡易的なログインや登録画面をセットアップしたい場合は、Laravel BreezeやFortifyなどを利用して、あらかじめ用意された認証部分をすぐに導入できます。

これらを使うと、フォームやパスワードリセットの機能も準備されるので、運用の初期段階からログイン画面を提供できるでしょう。

また、artisanコマンドによる自動生成もよく利用されます。

ControllerやModel、Migrationファイルなどをコマンドで作れるので、タイピングミスを減らせる点が魅力です。

環境変数の設定

laravel 11のプロジェクトルートには、.envファイルがあります。

ここにはデータベースの接続情報やアプリケーションの設定を記載します。

DB_CONNECTION=mysql
DB_HOST=127.0.0.1
DB_PORT=3306
DB_DATABASE=my_database
DB_USERNAME=my_user
DB_PASSWORD=my_pass

テスト環境や本番環境など、複数の環境に合わせて設定を変えられるため、開発がスムーズになります。

データベースのMigration

テーブルを作るときは、Migration機能を使ってデータベースを管理できます。

以下はMigrationファイルを作る例です。

php artisan make:migration create_tasks_table

database/migrationsディレクトリにファイルが生成され、そこにテーブルの定義を書きます。

public function up()
{
    Schema::create('tasks', function (Blueprint $table) {
        $table->id();
        $table->string('title');
        $table->text('description')->nullable();
        $table->timestamps();
    });
}

public function down()
{
    Schema::dropIfExists('tasks');
}

php artisan migrate を実行すると、テーブルがデータベースに作成されます。

テーブル構造を追加や変更したい場合も、新しいMigrationファイルを用意すれば、履歴を追えるので保守しやすいです。

テストコードの作り方

laravel 11では、アプリケーションを安定稼働させるためにテストコードも書けます。

FeatureテストとUnitテストの2種類があり、それぞれフォルダが分かれています。

たとえば、Featureテストでルートが正しく動いているか確認したい場合は、以下のように書くことができます。

<?php

namespace Tests\Feature;

use Tests\TestCase;

class ExampleTest extends TestCase
{
    public function test_home_route_returns_successful_response()
    {
        $response = $this->get('/');
        $response->assertStatus(200);
    }
}

php artisan test を実行すると、テストが走り、結果が表示されます。

不具合があったときに早めに気づけるので、チームで開発するときにも便利でしょう。

運用とデプロイで気をつけたいところ

laravel 11を本番運用する際は、セキュリティやパフォーマンスなどを考慮することが大切です。

例えば、.envファイルに本番のパスワードをベタ書きしないようにして、サーバー上で設定を行うなどの管理が必要になります。

また、キャッシュを有効にして処理を軽くする方法も考えられます。

設定キャッシュやルートキャッシュを使うと、アプリケーション全体が軽快に動作しやすいです。

そして、デプロイ後にはログやエラー報告の仕組みを整えておきましょう。

よくあるトラブルと対策

laravel 11で開発を進めると、いくつかのポイントでつまづきやすいことがあります。

たとえば、フォルダのパーミッションが合わず、ログを出力できないケースです。

storageフォルダやbootstrap/cacheフォルダの書き込み権限を正しく設定する必要があります。

データベースの接続情報を間違えると、Migrationがエラーになることもあります。

この場合、.envファイルの設定やDBのユーザー権限を見直すと解決しやすいです。

また、Composerの依存関係でエラーが出た場合は、キャッシュをクリアして再度インストールを試す方法もあります。

まとめ:laravel 11で始めるWebアプリ開発

laravel 11は、初心者でも扱いやすいPHPフレームワークとして、多くの場面で活躍しています。

MVC構造によるコードの整理や、Bladeテンプレートを利用した画面作り、Eloquent ORMでのデータ操作など、基本を押さえれば開発がスムーズに進みます。

また、artisanコマンドなど便利な機能を活用すれば、開発効率が上がるので、短期間でサービスをリリースしたいケースにも向いています。

皆さんがlaravel 11の仕組みを理解することで、Webアプリケーション開発の全体像がつかめるかもしれません。

今から始める方にとっても、学びやすくて維持管理がしやすい環境を用意できるでしょう。

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