初心者でもわかるLeravel UIの使い方と実務への活用ポイント

はじめに

Laravelを使ってWebアプリケーションを作りたいと思ったとき、ユーザー登録やログイン画面をすぐに用意したいと考える場面は多いのではないでしょうか。

そうしたケースで役立つのが Leravel UI です。

Leravel UI は、あらかじめ用意されたUIスキャフォールドを短時間で導入できる公式パッケージです。

初心者でも扱いやすく、ある程度のデザインが整った画面を自動生成してくれるので、時間をかけずに基本部分を立ち上げられます。

ここでは、そんな Leravel UI の導入方法や使い方を説明していきます。

この記事を読むとわかること

  • Leravel UIとは何か
  • Leravel UIの導入手順と基本的な使い方
  • VueやReactとの連携方法とメリット
  • 実務プロジェクトでの活用例

Leravel UIの概要

Leravel UI は、LaravelプロジェクトにUIの基盤を手軽に組み込むためのパッケージです。

たとえば、ログインや登録フォームなどの認証画面、パスワードリセット機能などが含まれています。

また、フロントエンドにBootstrap、Vue、Reactなどを選択してインストールする仕組みも備わっています。

このような機能を1から作ろうとするとファイル配置やルーティングの設定、フォームのビュー作成などで時間がかかりますよね。

そこで Leravel UI を使うことで、あらかじめ準備されたテンプレートを呼び出すだけで主要な画面とロジックをそろえられます。

実務での開発でも、ユーザー管理機能を素早く構築できるのがメリットです。

逆に言えば、細かなカスタマイズがまだ要らない段階で使うと便利ということです。

さらに、VueやReactといったフロントエンドフレームワークを組み合わせることで、動きのあるUIを作りやすくなります。

プロトタイプの段階や、小規模から中規模までのプロジェクトで比較的よく使われるでしょう。

Leravel UIの導入

Composerを利用したインストール

Laravelのプロジェクトを準備したら、まずは Leravel UI をインストールします。

プロジェクトのルートディレクトリで以下のコマンドを実行します。

composer require laravel/ui

このコマンドによって、Leravel UI パッケージが依存関係とともにインストールされます。

多くの場合、Composerはすでにインストール済みだと思いますが、もし未導入の場合はComposer本体をあらかじめ導入してください。

UIスキャフォールディングの生成

Leravel UI がインストールできたら、次はUIスキャフォールディングを生成します。

以下の例では、Vueを使ったテンプレートを導入する場合のコマンドを示します。

php artisan ui vue --auth

ここで --auth オプションを付けると、ログインや登録などの認証機能をまとめてセットアップできます。

同様にReactを使いたい場合は php artisan ui react --auth と入力します。

Bootstrapだけを使う場合は php artisan ui bootstrap --auth のように指定すると、VueやReactなしのUIテンプレートが生成されます。

フロントエンドのビルド

VueやReactを選んだ場合は、フロントエンド側のビルドが必要になります。

プロジェクトのルートディレクトリで以下のコマンドを実行しましょう。

npm install
npm run dev

これでCSSやJavaScriptファイルがコンパイルされ、プロジェクト内で利用できる状態に変換されます。

実務の現場でも同じプロセスを踏むことが一般的で、継続的な更新時にも npm run devnpm run build を活用します。

スキャフォールディングされた認証機能

認証ビューの中身

認証機能をスキャフォールディングすると、ログイン画面やユーザー登録画面、パスワードリセット画面などが自動的に作成されます。

ルーティングやコントローラ、ビューといったファイル構成が事前にセットアップされるため、コントローラのルートを自分で書く手間が省けます。

Laravel特有のミドルウェアを利用して、ログイン済みかどうかを判定し、必要に応じてログインページにリダイレクトする仕組みも整備されています。

初心者の方が一度構成を確認しておくと、どのようにLaravelが認証を管理しているかが理解しやすくなるでしょう。

データベースとの連携

ユーザー情報はデータベースで管理されます。

ユーザー登録を行うと、自動でデータベースの該当テーブルにレコードが作成されます。

Laravelであれば、ユーザーモデルを介してユーザー情報にアクセスでき、コントローラ側でデータを取得したり編集したりできるわけです。

認証を実装した後の実務シーンでは、ユーザー独自のプロフィールや投稿、購入履歴などを追加していくことが多いです。

そういった機能拡張においても、Leravel UI で用意された基本認証機能をベースにすると、手戻りが少なくなると思います。

カスタマイズのポイント

作成されたビューは、すぐに実務で使えるようにデザインが組まれているわけではありません。

色やレイアウトを変えたい場合は、生成されたBladeテンプレートを直接編集したり、CSSファイルを変更したりして自分好みに仕上げることができます。

他にもユーザー登録時に追加情報が必要な場合、マイグレーションファイルを拡張してテーブルの列を増やし、フォームに新たな入力欄を設けます。

UIをVueやReactで本格的にカスタマイズしたいなら、コンポーネントを再編成したり、デザインライブラリを追加したりする方法も考えられます。

VueとReactの選択メリット

Vueを使う場合

Vueはシンプルなコードで扱いやすく、学習コストが比較的低いことが特徴です。

少しずつコンポーネントを追加しながら機能拡張ができるので、既存のBladeテンプレートとVueコンポーネントが混在しても混乱しにくいでしょう。

また、ファイル構成も柔軟なので、複雑なUIに発展していく可能性があっても取りかかりやすいです。

実務においては、管理画面やダッシュボードを作る際にVueを採用するケースがよくあります。

そういった画面を Leravel UI でのベース認証を活かしながら組み合わせていくと、開発速度を高めることができるのではないでしょうか。

Reactを使う場合

Reactはコンポーネント指向がはっきりしており、大規模なプロジェクトでも構造を整理しやすい点が評価されています。

動的に画面を切り替えたい、あるいはステート管理をしっかりやりたいといった場面で力を発揮します。

ただし、はじめて触れる方にとっては、JSXやステート管理の概念がやや敷居が高い印象があるかもしれません。

それでも、Leravel UI で最初に認証部分をスキャフォールディングしておけば、ひとまずログイン周りは完成した状態からReactを学べるので、実務に近い形で習得できるメリットがあります。

実務での活用シーン

一般的な企業のWebシステムでは、管理者と一般ユーザーそれぞれに専用のログインページを用意するケースがあります。

たとえば、ECサイトや会員制サービスなどでは、ユーザーのメールアドレスをもとにパスワードリセット機能も欠かせません。

Leravel UI は、こうした標準的な認証ニーズを素早く形にできるのが大きな利点です。

また、コーポレートサイトにちょっとした会員専用ページを付けたいといった時にも便利です。

別途フロントエンドのフレームワークを用意するかどうかは、実際に作りたい画面のインタラクションやボリューム次第です。

もしシンプルに問い合わせフォームや登録フォーム程度であれば、Bootstrapのスキャフォールディングだけでも十分かもしれません。

一方、ダッシュボードのようにデータをリアルタイムに更新したり、画面遷移を減らしたりしたい場合は、VueやReactの導入を検討してみると良いでしょう。

セキュリティ面での注意点

ログイン機能があるということは、ユーザーが入力した情報を取り扱うため、パスワードやメールアドレスが漏洩しないように管理する必要があります。

LaravelはCSRFトークンや入力バリデーションなど、セキュリティ対策が標準で充実しています。

しかし、UIを大きくカスタマイズする際には、その仕組みを正しく理解し、不要なコードを削除したり改変したりしないよう気をつけましょう。

また、認証周りに変更を加えた後は、正常にログインできるかや権限の設定が正しく機能しているかをチェックすると安心です。

フォームの見た目を変えたときは、送信先のルートやCSRFトークンが消えていないか注意して作業しましょう。

トラブルシューティング

Leravel UI を導入しても、フロントエンドが反映されなかったり、認証画面が表示されなかったりする場合があります。

そうした時はまず、以下の点を確認してみてください。

  1. npm install を行った後、npm run dev もしくは npm run build を実行しているか
  2. 生成されたルーティングが正しいか
  3. .env ファイルでデータベースの接続設定は合っているか

同様に、ユーザーテーブルを変更している場合はマイグレーションがきちんと実行されているかもチェックすると良いでしょう。

エラーが出たときは、コンソールやログのメッセージをよく読み解くと解決策が見えてきます。

まとめ

ここまで Leravel UI の概要と導入方法、そして実務での活用シーンなどをざっと見てきました。

スキャフォールディングのメリットは、定番の機能を一瞬で形にできる点にあります。

特に、認証周りの実装はテーブルやルート、コントローラ、ビューと設定項目が多いため、最初から既存の仕組みを使えることは大変便利ではないでしょうか。

もしUI部分のデザインをさらに整えたいなら、Bootstrap以外のCSSフレームワークを組み合わせることも選択肢に入れられます。

あるいはVueやReactを活用して、ダッシュボード形式の画面や動きのあるコンテンツを増やしていくのも自然な流れかもしれません。

いずれにしても、Laravelで認証機能を導入したいなら、まずは Leravel UI を試してみると良いでしょう。

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