初心者でも取り組みやすいRailsポートフォリオのアイデアと具体的な作り方
はじめに
プログラミング未経験や学習を始めたばかりの方にとって、Rails でポートフォリオを作ることは学習効果を高めるうえで有益です。
しかし、「具体的にどんなアプリを作ればいいのかわからない」「実務経験がなくても評価されるポートフォリオにするにはどうすればいいの?」という疑問を抱える方もいるでしょう。
そこでこの記事では、初心者がRailsでポートフォリオを作成する際のアイデアとともに、実務での活用シーンを想定したポイントを詳しく解説します。
まずは「そもそもポートフォリオとは何か」というところからスタートし、アイデアの出し方、いくつかの具体的アプリの例、そしてデプロイや運用時の注意点までを順番に見ていきます。
RailsはWebアプリケーション開発フレームワークとして広く利用されており、作りたい機能に応じて必要な実装をまとめて行うことができます。
初心者の方にとってはコードの補完が充実していたり、規約に沿ったディレクトリ構成がわかりやすかったりと、学びやすさに定評があります。
皆さんが興味を持てるアプリのアイデアが見つかり、「これならできそうだ」と思えるきっかけになれば幸いです。
この記事を読むとわかること
- ポートフォリオ作成におけるRailsの特徴とメリット
- 初心者が踏みやすいつまずきポイントと対策
- シンプルなサンプルアプリをベースにした実装の考え方
- 実務で使われるシーンを念頭に置いたアイデア出しの方法
- アプリを公開する際に気をつけるデプロイ・運用のポイント
Railsでポートフォリオを作るメリット
Web開発に必要な機能を一通り学びやすい
Railsはアプリケーション作成に必要な機能がフレームワークとしてまとまっており、初心者でもある程度の規約を守ってコードを書けば、登録・更新・削除・閲覧などの基本機能を実装しやすいです。
コントローラやモデル、ルーティングなど、Webアプリの重要な要素をひととおり触れるのがメリットです。
初めて触れる方でも、コマンドラインでRailsプロジェクトを生成し、scaffold
コマンドなどを使うと、データベースやビュー、コントローラが自動生成され、簡単なサンプルアプリをすぐに立ち上げることが可能です。
この一連の流れを学ぶだけでも、Rails特有の設計方針やファイル構造を体感しやすくなります。
一方で、初期のころは「どのファイルがどんな役割を持っているのか」がわかりづらいと感じるかもしれません。
しかし、作業を繰り返していくうちに、「MVCという構造をどう活用すれば動作がサクサクのアプリに近づけられるか」が少しずつ理解できるようになります。
これがRailsでのポートフォリオ作りの良さだと言えるでしょう。
大規模から小規模まで幅広い開発シーンで使われている
Railsはベンチャー企業から比較的大手企業に至るまで、幅広い開発シーンで活用されています。
Rubyという言語自体も読みやすさに定評があり、初心者がコードの意味を追いやすいのが特徴です。
初学者が就職や転職を目指す場合に「Railsで作成したポートフォリオがあります」と示すと、一定の評価につながることがあります。
また、Railsはコミュニティも活発で、学習サイトや公式ドキュメントの充実度が高いです。
実際にエラーが起きたり思ったような機能が実装できなかったりするときに、検索すると多くの情報が見つかるのもメリットでしょう。
この点から見ても、初心者が最初に触れるWebフレームワークとしてちょうどよいハードルになっています。
ポートフォリオアイデアを考える前に押さえておきたいポイント
ポートフォリオとは何か
ポートフォリオとは、自分のスキルや実績を外部に示すための作品集のようなものです。
プログラミングの場合は「自分で開発したWebアプリや機能、サービスのデモ」を指すことが多いです。
特に就職や転職活動では、ポートフォリオを通じてエンジニアとしての考え方やコード品質などをチェックされることがあるため、実務を意識した構成にすると評価されやすくなります。
「とにかく動けばいい」というレベルではなく、なぜその機能を作ったのかやどういう設計を採用したのかなど、開発の背景をアピールできると良いでしょう。
RailsはMVCアーキテクチャの理解を深めるうえでも有効で、データベース設計や画面設計などを整理するのにも向いています。
実務目線を意識するメリット
実務で求められるのは、たとえば「大量のユーザーが同時アクセスしても快適に使える」「データの管理がしっかりしていて、安全に取り扱える」などの視点です。
初心者がこれをすべて実装するのは難しいですが、少しだけ実務を意識した仕組みを取り入れるだけでも印象は変わります。
たとえば、下記のような点を取り入れるだけでも、実務寄りのアプローチとして評価される可能性があります。
- ログイン機能の実装と、セキュリティ面の考慮
- 画像やファイルアップロード機能、もしくは外部APIと連携する仕組み
- エラー時のハンドリングやユーザーへのわかりやすいメッセージ表示
- バリデーション(入力値チェック)をしっかり設定しておく
こうした工夫を組み込んでおくと、現場で使われるアプリに近い感覚で作れます。
たとえばバリデーションを実装しないと、文字数がものすごく長いデータを登録できてしまったり、数字を入力すべき箇所に文字列を入力できてしまったりといったトラブルにつながることがあります。
こういったトラブルを防ぐための仕組みを最初から意識するだけでも、ポートフォリオの質が高まります。
シンプルさとの両立
初心者の場合、あまりにも大きなアプリをいきなり作るのは難しいでしょう。
最初はシンプルな機能に絞り、徐々に拡張する形にすると、開発モチベーションを維持しやすくなります。
大まかな流れとしては、下記のステップで考えてみてください。
- 機能を最低限に絞ったプロトタイプを作る
- 正常に動作するかを確認しながら拡張する
- 見た目の調整やバリデーション、ログイン機能など、少し高度な要素を足す
この方法なら、小さく作ってリリースする体験を早めに得られます。
後から機能を加えながら学べるので、手戻りが少なくなるでしょう。
Railsポートフォリオにおすすめのアプリケーション例
ここからは具体的なアプリケーション例を挙げながら、実務での活用シーンを意識したポイントを説明します。
単に作るだけでなく、「どんなユーザーが」「どんな目的で」使うのかを想定することで、自然と作り込みたい機能が見えてくるはずです。
掲示板アプリ
掲示板アプリは初心者がまず挑戦しやすい題材の1つです。
データベースにスレッドやコメントを保存し、閲覧・書き込み・削除といった機能を実装します。
掲示板アプリでは以下のようなポイントを押さえると、実務でも役立つ観点を学びやすくなります。
- ユーザー認証機能を追加し、ログイン中のみ書き込みできるようにする
- ページネーションを導入し、投稿が増えたときに画面の表示が重くならないようにする
- 不適切な投稿が含まれた場合の通報機能を用意し、管理者が内容を確認できるようにする
実際の企業でもユーザーコミュニティを設けたり、FAQを集めるための掲示板機能を提供したりするケースがあります。
そのため「掲示板=古い」というイメージだけではなく、どのように運用するかを含めて考えてみると学習効果が高まるでしょう。
実務での活用シーンをイメージ
企業の製品ページにある「ユーザーフォーラム」は、実質的に掲示板のようなものです。
質問やクレーム、要望などが投稿される場になるため、 UX (ユーザーが使いやすい工夫)が重視されます。
シンプルな掲示板を作った後は、表示のしやすさや、ボタンの配置などを検討してみてください。
こういった視点を持っていると、実務でも「UIの改善」という課題に対応しやすくなるでしょう。
SNS風アプリ
ユーザーが投稿・いいね・フォローなどを行えるSNS風アプリも、Rails学習には魅力的な題材です。
SNS機能はRailsが得意とする「CRUD操作(作成・読み取り・更新・削除)」をふんだんに使うため、学ぶ要素が多く含まれています。
たとえば下記のような機能を実装すると、実務さながらの機能構成を体験できます。
- フォロー関係のテーブル設計(ユーザー同士の多対多の関係を管理する)
- いいね機能やリツイート風のシェア機能
- 通知機能を作り、誰かが自分の投稿にいいねを付けたら通知が届くようにする
SNSはユーザー数が増えたときの負荷対策が課題になります。
最初の段階ではそこまで考えなくても良いですが、「多くのユーザーが同時にアクセスしたらどうなるか」を頭の片隅に置いておくと、コントローラやモデルの設計に気を配るようになるかもしれません。
実務での活用シーンをイメージ
企業で独自のSNS機能を持つケースは、たとえば社内ポータルや顧客向けコミュニティなどがあります。
何らかのブランドイメージ向上のためにユーザー同士が交流できる場を作ることもあります。
SNSと呼ばれるだけあって、リレーショナルデータベースの扱いがかなり重要になるため、Railsにおけるアソシエーションの理解が深まるでしょう。
ECサイトのプロトタイプ
EC (Eコマース) サイトのプロトタイプを作るのも良い学習になります。 商品データやカート機能を管理し、決済を行う仕組みをどのように作るかを学ぶことで、一気に実務寄りの発想へ近づけられます。
最低限の機能としては、下記のようなものを考えると良いでしょう。
- 商品一覧ページ・商品詳細ページ
- カートへの追加・削除
- 注文履歴の閲覧
- 在庫管理の仕組み(数が足りなければカートに追加できないようにする)
本格的な決済は外部サービスとの連携が必要になることがありますが、最初は擬似的な決済ページを作るだけでも問題ありません。
たとえば「テスト用の決済画面にアクセスすると注文が完了するフロー」を実装すると、どのようにデータを関連付ければよいかの把握に役立ちます。
実務での活用シーンをイメージ
ECサイトは多くの企業で導入されており、ユーザー体験がビジネス上の成果に直結しやすい分野です。
在庫や注文履歴、発送など、ビジネスロジックと結びついたデータが複雑に絡み合うことがあるため、学習段階からモデル同士の関連に意識を向けられるのがポイントです。
「データベースにどんなテーブルが必要か」を企画段階から考えてみると、現場レベルの問題解決力が身につくでしょう。
Todoリスト拡張版アプリ
単純なTodoリストは初心者がよく作る題材ですが、ここでは拡張版を提案します。
シンプルな入力・編集・削除に加えて、ラベル(タグ)機能や締め切り日、優先度の設定などを入れ込み、タスク管理が便利な形へと発展させてみる方法です。
Railsのスカフォールド機能などを使えば、すぐにCRUD操作ができる環境を構築できます。
そこから以下のような拡張を行うと、実務へ近づいた感覚を得られるかもしれません。
- タスクのステータス管理(着手中、完了など)
- 検索機能を追加し、タグやステータスで絞り込みができるようにする
- タスクの並び替え(優先度高い順や締め切り日の早い順など)
実務でのタスク管理システムでは、担当者アサイン機能やプロジェクト単位での管理などが加わることもあります。
学習段階でこうした拡張も試してみると、実務的な感覚を養いやすいでしょう。
実務での活用シーンをイメージ
社内業務のタスク管理ツールとして使われるケースが多いです。
小規模なチームのスケジュール調整や、進行管理を行うのに役立ちます。
Railsで作ることで、ユーザーごとのログイン管理やグループ機能などを比較的簡単に追加できるため、「使いやすいタスク管理」を追求しやすいでしょう。
実務を意識した機能追加のポイント
認証・認可の実装
多くのWebアプリではユーザー管理が必要です。
ログイン機能を作る際は、暗号化されたパスワードをデータベースに保存する仕組みや、セッションをどのように扱うかを学ぶことになります。
さらに、ユーザーによってアクセス権限を変えたい場面もあるかもしれません。
管理者だけが投稿を削除できる、特定のユーザーだけが管理画面に入れるなど、いわゆる 認可 (Authorization)の仕組みです。
たとえばRailsのコントローラで「管理者でなければリダイレクトさせる」といった処理を入れることで、セキュリティ面の向上に繋がります。
ユーザー管理をしっかり作り込むと、ポートフォリオの価値がグッと増すため、可能であれば認証・認可の基礎は挑戦してみると良いでしょう。
バリデーションとエラー処理
実務では、入力フォームに想定外のデータが送られることが珍しくありません。
そこで重要になるのがバリデーションやエラー処理です。
たとえば下記のようなバリデーションをモデルに設定し、ユーザーが誤ってデータを入力したときにエラーメッセージを表示できるようにしておきましょう。
- 文字数の上限・下限
- 必須入力の項目
- 数字のみ入力可能な項目
- メールアドレス形式のチェック
Railsのモデルはバリデーションに関する機能が豊富に用意されており、メソッドを呼び出すだけでさまざまなチェックを実装しやすくなっています。
エラー処理では、バリデーションエラー以外にも、ページが見つからない場合の404エラー処理や、サーバー側の不具合時に出る500エラーをどのように表示するかも考えてみると良いでしょう。
外部APIとの連携
少し発展的な内容ですが、外部APIと連携してデータを取得・表示させるアプリを作るのも、実務で重宝されるスキルです。
たとえば天気情報APIを使って、地域名を入力すると天気を表示する機能を組み込むなど、簡単なもので構いません。
企業システムでも、外部のサービスから在庫や顧客データを取得したり、SNS連携機能を実装したりすることがあります。
こうしたAPI通信をRailsで行うには、HTTPリクエストを送ってデータをパースする処理が必要になります。
初心者には少し難しく感じるかもしれませんが、一度でもAPI連携を経験すると、実務に近い案件にも対応しやすくなるでしょう。
シンプルなブログアプリの実装例
ここでは基本的なブログアプリを例に、簡単なコードを紹介します。
ブログアプリは「投稿の作成・一覧表示・詳細表示・編集・削除」というCRUD操作の王道が詰まっています。
ルーティングとコントローラ例
# config/routes.rb Rails.application.routes.draw do resources :articles # ↑これでindex, new, create, show, edit, update, destroyの7つのアクションが生成される end
# app/controllers/articles_controller.rb class ArticlesController < ApplicationController def index @articles = Article.all end def new @article = Article.new end def create @article = Article.new(article_params) if @article.save redirect_to @article, notice: "記事を作成しました" else render :new end end def show @article = Article.find(params[:id]) end def edit @article = Article.find(params[:id]) end def update @article = Article.find(params[:id]) if @article.update(article_params) redirect_to @article, notice: "記事を更新しました" else render :edit end end def destroy @article = Article.find(params[:id]) @article.destroy redirect_to articles_path, notice: "記事を削除しました" end private def article_params params.require(:article).permit(:title, :body) end end
上記のようにresources :articles
で定義すれば、一通りのCRUD処理用ルートが設定されます。
コントローラではArticle.find(params[:id])
のようにデータを取得したり、@article.update
や@article.destroy
で更新・削除を行います。
これだけで「投稿を一覧で見る」「新しい投稿を作る」「投稿を編集・削除する」基本機能を実装できるのがRailsの強みです。
モデルとマイグレーション例
# app/models/article.rb class Article < ApplicationRecord validates :title, presence: true validates :body, presence: true, length: { minimum: 10 } end
# db/migrate/202XXXX_create_articles.rb class CreateArticles < ActiveRecord::Migration[6.1] def change create_table :articles do |t| t.string :title, null: false t.text :body, null: false t.timestamps end end end
モデルにバリデーションを記述しておくと、title
とbody
が空の状態では保存できなくなります。
さらに、body
には最低10文字の入力を必要とするなど、簡単なバリデーションも設定可能です。
マイグレーションファイルではテーブル定義を行います。
timestamps
でcreated_at
とupdated_at
の2つのカラムが自動的に作成されるので、投稿日時を管理したいときに便利です。
こうしたシンプルなブログアプリをベースに、ユーザー認証機能やSNS的な「いいね」機能を追加すると、ポートフォリオとしての見映えが良くなるかもしれません。
デプロイや公開時に押さえておくべきポイント
データベースや環境変数の管理
ローカル環境で開発が進んだら、いよいよデプロイやサーバー公開を行います。
このときに注意したいのが、本番環境でのデータベース設定と環境変数の管理です。
Railsアプリでは、開発環境・テスト環境・本番環境の3つがデフォルトで用意されています。
本番環境だけは別途データベースの接続先を設定したり、APIキーを環境変数に設定したりする必要があります。
環境変数はソースコードに直接書かず、シークレット情報として安全に保管しましょう。
APIキーやパスワードなどの機密情報は、ソースコード管理のリポジトリに含めないようにしてください。
envファイルや専用の管理ツールを使うなど、セキュアな方法で運用する必要があります。
アプリのスケーラビリティを考える
公開してユーザーが増えると、アクセス数に応じてサーバーの負荷が増えます。
ポートフォリオの段階で細かく対応する必要はないかもしれませんが、どのようにスケールさせるのかを軽くイメージしておくと、開発の設計時に無理がなくなります。
たとえば「画像を大量にアップロードできるようにしたい」という機能があるなら、サーバーのディスク容量に余裕を持たせるか、外部ストレージを利用する方法を考えるなどの対応が必要になります。
Railsの場合、 アセット (CSSやJavaScript)の管理も重要で、コンパイルをどう行うかによって性能が変わることがあるため、勉強しておくと良いでしょう。
運用を意識したログ活用
実務で運用する際は、エラーが発生したときに原因を特定したり、アクセス状況を把握したりするためにログをチェックします。
Railsではフレームワークの標準機能でログが出力されますが、どの程度詳細に出すかは設定で変えられます。
「アプリが動かなかった」という場面でも、ログを確認すればエラー内容が具体的に示されているはずです。
ポートフォリオ開発の段階でログの読み方やカスタマイズの仕方を学んでおくと、実務でも役立つでしょう。
デプロイ後には常にログをチェックし、問題がないかを確認する癖をつけましょう。
トラブルが起きても、まずはログにヒントが残っていることが多いです。
実務を想定したブラッシュアップの工夫
UIを少しだけ整える
Railsで作ったアプリは、最初はごくシンプルなビューが生成されます。
もう少し見た目を整えるだけでも、ポートフォリオとしての印象が変わるでしょう。
- フォームの配置を見直し、ユーザーが入力しやすいようにする
- 適度に色分けをし、情報が整理されて見えるようにする
- レスポンシブ対応(スマートフォンでも見やすくする)
こうしたデザイン面の工夫は、ユーザビリティの向上にも繋がります。
必ずしもデザイナーのような本格的スキルは不要ですが、最低限のUIカスタマイズは行ってみると良いでしょう。
テストの導入を検討する
実務ではテストコードを用意し、アプリケーションが想定通り動くかを自動で検証することが多いです。
Railsの場合、標準でテスト機能が組み込まれているため、test
ディレクトリやspec
ディレクトリ(Rspecを導入する場合)でテストコードを書けます。
初心者にとってはテストの書き方が少し難しく感じるかもしれませんが、小さなテストから始めるだけでも学習効果があります。
たとえばモデルのバリデーションが正しく働くかをテストすると、将来的にコードを変更したときに不具合が起きないかを事前にチェックできるようになるでしょう。
実務でアピールしやすいドキュメント化
ポートフォリオを見た人が、どうやってアプリを使うのかを理解できるように、簡単なドキュメントを用意しておくと親切です。
アプリの概要や技術的特徴、起動方法、テストアカウントの情報などをREADMEにまとめると良いでしょう。
たとえば下記のような項目をREADMEに書いておくだけで、ポートフォリオとしての完成度が増します。
- アプリの目的や特徴
- 主な機能一覧
- インストール方法や起動手順
- 使用したライブラリやフレームワーク
- テストユーザーID・パスワード(ダミーアカウント)
実際の職場でも、他の開発者がアプリをセットアップする手順がわからないと困ることが多いです。
こうしたドキュメントの整備は、チームでの開発を想定した視点を持っていることの証明になるかもしれません。
まとめ
ここまで、Railsでポートフォリオを作る際のアイデアやポイントを解説しました。
掲示板アプリやSNS風アプリ、ECサイトのプロトタイプなど、初心者でも着手しやすい題材はいくつもあります。
大切なのは、実務での使われ方をイメージしながら機能を組み立てることです。
単に作るだけでなく、「どうすれば運用が楽になるか」「ユーザーが使いやすくなるか」を考える習慣をつけておくと、エンジニアとしての視点が少しずつ広がっていきます。
皆さんが興味を持てるアイデアを見つけて、Railsでのポートフォリオ作りを楽しんでいただければ幸いです。
これまでに紹介したポイントを活かしながら、ぜひ自分だけのアプリを完成させてみてください。
そうして完成したポートフォリオは、転職や就職の際にもアピールポイントとなり、今後のキャリア形成をサポートしてくれるはずです。