IPv4とは?基本の仕組みや用途を初心者向けに解説

はじめに

皆さんはインターネットに接続するとき、どのような仕組みでデータのやり取りが行われているか知っていますか。 さまざまなサイトを閲覧したり、アプリを使ったりする際には、必ずIPアドレスが関係しています。 IPアドレスが分からないと、Webサービスの構成やサーバーの設定でつまずいてしまうかもしれませんね。 そこで本記事では、IPv4とは何かを初心者向けに解説していきます。 やや専門的に聞こえるかもしれませんが、実務との紐付けを含めてわかりやすく説明していきます。

IPv4の基本概要

皆さんがふだん使っているスマートフォンやパソコンは、ネットワークを通じて世界中の機器とつながっています。 このとき重要な役割を果たしているのが、IPv4と呼ばれる通信プロトコルです。 ネットワーク機器同士がデータを正しく送り合うための“約束ごと”とイメージすると分かりやすいでしょう。 IPv4はInternet Protocol version 4の略称で、現在も多くの場所で使われています。 しかしアドレスの数に限りがあるという課題があり、最近ではIPv6への移行も話題になります。

IPアドレスって何?

インターネットは実際には多くの機器が複雑につながっており、それぞれが固有の住所を持っています。 この住所のことをIPアドレスと呼びます。 例えば郵便物を送るときには、相手の住所が必要ですよね。 同じようにデータを送るときにも、相手のIPアドレスを参照して通信先を特定します。 IPアドレスがないと、どこにデータを送るべきか分からなくなってしまいます。

32ビットによるアドレス表現

IPv4は32ビットの数値によってアドレスを表現します。 実際には「192.168.0.1」のように、ピリオドで区切った4つの数字で表現されますね。 これをドット区切り表記と呼ぶことがあります。 この4つの数字をまとめたものを1つの大きな数値として見たとき、それが32ビットを使って表されているイメージです。 ただしIPアドレスの見た目は10進数なので、初心者の皆さんにも読み取りやすいでしょう。

IPv4の具体的な構造

IPアドレスは、ただの数字の並びで終わるわけではありません。 利用シーンに合わせて、ネットワーク部分とホスト部分に分割する仕組みが存在します。 これによって複数の端末を整理し、効率的な通信ができるよう工夫されています。 IPv4を支える基礎的な概念として、クラス分類やサブネットマスクの設定などがあります。 これらはローカルネットワークやサーバー運用でよく使われるため、初心者でもぜひ押さえておきたいところです。

クラスによる区分

昔のIPv4では、IPアドレスをクラスAクラスBクラスCなどに分けて管理していました。 クラスAは先頭の数値が0〜127の場合、クラスBは128〜191の場合、といった区切り方です。 ただし最近はクラスベースの考え方よりも、柔軟なサブネットマスクによる区分が主流になっています。 それでもクラスCは「192.168.xxx.xxx」など、ローカルネットワークで使われることが多く、初心者が目にする機会は多いでしょう。 クラスという言葉を見かけたら、昔ながらの区分方法と理解すれば大丈夫です。

サブネットマスクの役割

サブネットマスクは、ネットワーク部とホスト部を見分けるための数値です。 例えば「255.255.255.0」という設定をよく目にしませんか。 これは上位24ビットがネットワーク部、下位8ビットがホスト部を表す、という意味になります。 サブネットマスクを適切に設定すると、大きなネットワークを複数に分割し、組織や部門ごとに整理することができます。 混雑を分散したり、セキュリティ面の管理を細かくしたりできるため、実務では便利です。

ゲートウェイとの関係

家庭用ルーターに「ゲートウェイアドレス」の設定があり、「192.168.0.1」のような値が入っているのを見たことはありませんか。 ゲートウェイは、ローカルネットワーク(自宅や会社内のネットワーク)と外部のネットワーク(インターネットなど)をつなぐ窓口です。 パソコンやスマートフォンのIPv4設定には、IPアドレスと一緒にデフォルトゲートウェイの情報を入力する場合が多いです。 このゲートウェイがあるおかげで、ローカルネットワーク以外のアドレスに対しても通信を正しくルーティングできます。 もしゲートウェイの設定を間違えると、外の世界へデータを送れなくなるので気をつけたいですね。

実務での活用シーン

IPv4は家庭用ネットワークから企業の大規模環境まで、どんな場所でも使われます。 サーバー構築に関しても、IPv4の理解は欠かせません。 例えばWebアプリケーションをリリースするとき、IPアドレスがどのサーバーにひも付くかを設定しなければいけませんよね。 またクラウド上のインスタンスでも、IPv4の振り方やセキュリティ設定が重要になります。 初心者の皆さんは、具体的にどのような場面でIPv4が役立つかを知っておくと、勉強へのモチベーションが高まるでしょう。

ローカルネットワークの構築

オフィスや自宅で、複数の端末を同じネットワークにつなぐ場面を想像してください。 このときIPv4のアドレス設計が適切だと、端末同士がスムーズにデータを共有できます。 例えばプリンターやNASを同じネットワークに置くとき、プライベートIPアドレスを割り振りますよね。 この仕組みを理解しておくと、ネットワーク設定でトラブルが起きた場合にも対処しやすくなります。 社内システムを作るときも、サーバー側のIPアドレスを意識しながら設定することが多いです。

サーバー設定とポート管理

Webサービスを公開するには、外部からアクセス可能なIPアドレスを用意します。 例えばクラウドプロバイダでインスタンスを立ち上げると、グローバルIPアドレスが割り振られることがありますね。 このアドレスを利用し、80番や443番といったポートを解放すれば、HTTPやHTTPSでの通信ができるようになります。 またファイアウォールで特定のポートのみ許可する設定を行うときも、どのIPアドレスから接続されるかを意識しなければいけません。 こうした管理では、IPv4の仕組みをしっかり理解していると混乱を防げるでしょう。

クラウドサービス利用時の設定

クラウド上のマシンではパブリックIPプライベートIPを使い分けるケースがあります。 パブリックIPは外部ネットワークから直接アクセスできるアドレスで、プライベートIPは同じクラウド内のネットワークでのみ使えるアドレスです。 AWSやGCPなどを使うと、インスタンスを起動する際に自動的にプライベートIPが割り当てられますね。 このとき、外部からアクセスするためにパブリックIPを取得したり、ロードバランサーを経由させたりするときにもIPv4の概念が役立ちます。 実務では、セキュリティグループの設定などでIPアドレスのホワイトリストを作成することもあります。

IPv4を扱うコマンド例

IPv4をより実感するには、OSのコマンドラインを使ってアドレスを確認してみるのが近道です。 LinuxやmacOS、Windowsそれぞれで使えるコマンドに違いがあるものの、基本的には同じ仕組みを確かめられます。 ここでは代表的なコマンドと、それをどのように実務で応用できるかを紹介します。 実際に手を動かしながら、IPアドレスやゲートウェイの設定を見てみると理解が深まるでしょう。 ぜひ開発環境や自宅のPCで試してみると面白いですよ。

LinuxやmacOSでの確認

LinuxやmacOSでは、ifconfigipコマンドがよく使われます。 近年はifconfigよりもipコマンドを推奨する流れが一般的です。 ipコマンドなら、以下のような形で自分のIPv4アドレスやネットワーク設定を確認することができます。 もし複数のネットワークインターフェースを使っていれば、一覧で表示されてわかりやすいですね。

ifconfig/ipコマンド

# ifconfigコマンドの例
ifconfig

# ipコマンドの例
ip addr show

上記の出力を眺めると、自分のマシンに割り当てられているIPv4アドレスやサブネットマスクが分かります。 インターフェース名は環境により異なり、eth0en0などの文字列が表示されることがあるでしょう。 どのネットワークインターフェースにどのアドレスが振られているのかが明確になるので、トラブルシューティングにも有用です。

Windowsでの確認

Windowsの場合は、ipconfigコマンドでIPv4アドレスやデフォルトゲートウェイを調べられます。 コマンドプロンプトやPowerShellで次のように入力すると、自分のパソコンが現在使っているネットワーク設定が表示されます。 社内ネットワークで複数のLANケーブルを接続するような場面でも、どのアダプターがどのアドレスを使っているかを把握できて便利です。

ipconfig

もしアドレスが取得できていない場合は「メディアが切断されています」と表示されることもありますね。 Wi-Fiと有線LANを併用している場合は、セクションが分かれて表示されるかもしれません。 余裕があれば詳細表示のオプション(ipconfig /all)などを試してみると、DNSサーバーやMACアドレス情報も確認できます。

IPv4と関連技術

IPv4はインターネットを支える重要な仕組みですが、その周辺には多くの関連技術が存在します。 特にIPv6への移行やNAT(Network Address Translation)の仕組みは、実務でもよく話題になるところです。 エンジニアとしては、IPv4だけではなくIPv6がどんなメリットを持つかや、NATをどう使うかも理解しておくと役に立つでしょう。 現代ではネットワーク資源の有効活用やセキュリティの向上が求められています。 IPv4を中心に学びながら、次のステップとしてそれらの技術を少しずつ押さえるといいですね。

IPv6への移行問題

IPv4のアドレスは32ビットのため、理論上割り当て可能なアドレス数に限界があります。 世界中でインターネット利用が広がるなか、アドレス枯渇は長年の課題です。 その対策として登場したのがIPv6で、128ビットによる膨大なアドレス空間を実現しています。 最近ではOSやルーターがIPv6に対応していることも多いですが、サービス運営側やネットワーク機器の対応が必須になるため、完全移行には時間がかかっています。 初心者の皆さんも、そのうちIPv6を扱う機会が増えるかもしれません。

NATの仕組み

NAT(Network Address Translation)は、プライベートIPとグローバルIPを相互に変換する仕組みです。 家庭用ルーターが代表的な例で、ローカルネットワークの機器を外部から直接見えないようにすることができます。 プライベートIPアドレスを使った多数の機器が、1つのグローバルIPでインターネットにアクセスできるのもNATのおかげです。 IPv4アドレスの枯渇をある程度緩和できる仕組みとして、多くの場所で使われています。 その一方で、オンラインゲームやビデオ通話など、NAT越えが必要な通信には工夫が求められることもあります。

NAT環境下では通信が制限されることがあるため、外部から自宅サーバーにアクセスするときなどはポートフォワーディングの設定が必要になるケースがあります。

まとめ

ここまでIPv4について解説してきましたが、初心者の皆さんにも概要はつかめましたでしょうか。 IPアドレスやサブネットマスクのような基本的な概念は、ネットワークを扱ううえで欠かせません。 特にサーバー運用やクラウドサービスの活用において、IPv4の仕組みを理解しておくと設定やトラブルシューティングがスムーズになるでしょう。 今後はIPv6の登場やNATなど、関連する技術にも目を向けることでネットワーク全体の知識を広げていけます。 ぜひ日々の開発やインフラ設定に活かしてみてください。

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