AWS資格を取るべき順番?おすすめの資格取得順番を解説

資格

はじめに

クラウドの知識が求められる場面は増えてきています。 その中で AWS資格 はクラウドサービスの理解を示す客観的な指標として、多くの企業から重宝されています。

しかし、AWS資格には複数の種類があり、どこから学習を始めればいいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。 それぞれの資格には特徴や受験に適したタイミングがあり、実務での活用シーンも微妙に異なります。

この記事では、プログラミング初心者の皆さんが AWS資格を効率よく学ぶための順番 を、実務での利用シーンも交えながら解説します。 初めてクラウドに触れる方でも理解しやすいよう、専門用語はできるだけ平易な言葉で補足を加えていますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読むとわかること

  • AWS資格全体の概要と特徴
  • 取得する順番の目安と理由
  • 資格ごとの実務での活用シーン
  • AWS CLIを使った簡単な操作例
  • 学習を始める前に意識しておきたいポイント

AWS資格とは何か

AWS資格は、大手クラウドサービスである Amazon Web Services (AWS) の活用スキルを認定するものです。 企業では、サーバーの構築やデータベースの運用、アプリケーションのデプロイなど、幅広いクラウド業務が求められるようになりました。

そのため、AWS資格を取得することで、基本的なクラウドの運用方法やセキュリティ対策、コスト管理などを一定水準で理解できるようになります。 さらに、実務でAWSを扱う際に役立つ知識も身につくため、転職やキャリアアップを目指す方にとっては大きなアドバンテージになるでしょう。

AWS資格は大きく分けて「基礎レベル」「アソシエイトレベル」「プロフェッショナルレベル」「スペシャリティ」に分類されます。 この段階的な構成により、初心者が基礎から学びたい場合や、既にAWSを使っていてより深い専門領域に踏み込みたい場合など、目的に応じた学習プランを立てやすくなっています。

AWS資格を取る順番の考え方

複数あるAWS資格の中から、最初にどれを取ればよいか迷う方は多いです。 実際のところ、組織での担当業務や将来のキャリア目標によってベストな順番は異なります。

ただ、初学者の場合は Cloud Practitioner から始めて、次にアソシエイトレベルの資格(Solutions Architect Associateなど)を目指すのが比較的取り組みやすい流れだと考えられています。 なぜなら、Cloud PractitionerはAWSの全体像を広く浅く学ぶものであり、学習範囲が広いわりに深い知識をそれほど要求されません。

一方、アソシエイトレベルの資格は、実際にAWSを使ってインフラやアプリケーションを構築するイメージを持ちやすく、仕事でも応用しやすい内容です。 そのため、AWSの基本を学んだ後に、アソシエイトレベルへスムーズに移行できるというメリットがあります。

Cloud Practitioner

AWSの全体像をつかむための入り口

Cloud Practitioner は、AWSのサービス概要や基本的な設計思想、セキュリティの基礎などを把握するための資格です。 例えば、AWSが提供するコンピューティング(EC2)やストレージ(S3)、データベース(RDS)などの主要サービスがどのように連携しているかを理解できます。

初心者が最初に触れる資格としては、全サービスを俯瞰しながら学べる良い機会です。 まだプログラミングが得意ではない方でも、クラウドの全体像を知るには適切な難易度と言えるでしょう。

実務での活用シーン

たとえば、プロジェクトの要件定義や設計段階で、どのAWSサービスを選定するかを議論するときに役立ちます。 ここで身につけた用語や概念がわかると、チーム内のコミュニケーションがスムーズになります。

また、経営層や非技術部門との折衝を行う場面でも、クラウドの基本的な仕組みを理解していることは大きな強みです。 コスト管理などの視点でも、Cloud Practitionerで学んだ内容を応用できます。

アソシエイトレベル資格 (Solutions Architect / Developer / SysOps)

学んだ知識を形にする段階

アソシエイトレベルでは Solutions Architect AssociateDeveloper AssociateSysOps Administrator Associate といった資格があります。 ここでは実際にAWSサービスを使って、どのようにインフラを構築・管理・運用していくかを学びます。

最も代表的なのが Solutions Architect Associate です。 アーキテクチャ設計や可用性の高い構成の組み立て方、セキュリティ上の考慮など、実務に直結する内容が多く含まれています。

実務での活用シーン

例えば、Webアプリケーションを運用する際に冗長化構成をどう組むか、セキュリティグループはどう設定すべきか、といった具体的な課題に対する知見が得られます。 実際にAWSコンソールからEC2インスタンスを立ち上げたり、S3バケットを作成してデータを配置する作業がイメージしやすくなるでしょう。

Developer Associate はアプリケーション開発者向けの内容が充実しており、AWSのSDKやCI/CDの使い方を学べます。 一方、SysOps Administrator Associate は運用管理やモニタリング、障害対応にフォーカスした資格です。

具体例としてのCLI操作

アソシエイトレベルの学習を進めるときは、AWS CLIを使ってサービスを操作する場面も少なくありません。 たとえば、EC2インスタンスを起動するには以下のようなコマンドを使います。

aws ec2 run-instances --image-id ami-0123456789abcdef0 \
  --count 1 \
  --instance-type t2.micro \
  --key-name MyKeyPair \
  --security-group-ids sg-0123456789abcdef0 \
  --subnet-id subnet-0123456789abcdef0

上記のように、AMIのIDやサブネットIDを指定すると、手軽にインスタンスを起動できます。 初心者の皆さんもAWS CLIに触れてみると、コンソール画面だけでなくコマンドラインからAWSを扱う面白さを実感しやすいでしょう。

プロフェッショナルレベル資格 (Solutions Architect / DevOps Engineer)

より高度な設計力や運用力を証明

アソシエイトを取得して、ある程度AWSを扱い慣れた方が次に目指すことが多いのが プロフェッショナルレベル の資格です。 Solutions Architect ProfessionalDevOps Engineer Professional が該当します。

ここではアソシエイトで学んだ基礎を深堀りし、大規模システムや高度な設計要件に対応できる力が試されます。 また、複数のAWSサービスを組み合わせて運用を自動化する方法や、大規模な負荷に対応するためのスケーリング戦略など、実務の中でも応用力が必要な領域をカバーします。

実務での活用シーン

大きなトラフィックが見込まれるWebサービスの設計・運用を任される場合や、複数のチームで連携しながら大規模なAWS環境を管理する場合などで、プロフェッショナルレベルで得た知識が役立ちます。 また、コスト最適化や高度なセキュリティ要件を満たすためのアーキテクチャ設計も行いやすくなるでしょう。

大規模なプロジェクトでは、インフラストラクチャをコードで管理する手法(IaC)を活用する場面が増えますが、プロフェッショナルレベルではこうした設計・実装に関する知識も重要になります。 Infrastructure as Codeとしては、AWS CloudFormationやTerraformなどを連携する例も考えられるでしょう。

スペシャリティ資格 (Security / Machine Learning / その他)

専門分野を深める選択肢

スペシャリティ資格は、特定の専門領域にフォーカスした資格です。 セキュリティ、データベース、機械学習、ネットワークなど、それぞれの領域での深い知識が要求されます。

AWS上でセキュリティを強化したいなら Security Specialty、機械学習プロジェクトに力を入れたいなら Machine Learning Specialty など、自身の興味や業務領域に合わせて選ぶと良いでしょう。 ただし、いきなりスペシャリティ資格に挑戦すると学習範囲が専門的になりすぎるため、まずはアソシエイトなどでAWS全般を学ぶのがおすすめです。

実務での活用シーン

スペシャリティ資格を取得していると、特定の分野に対して深い理解があることをアピールしやすくなります。 セキュリティ関連業務が増えてきた企業や、機械学習を使ったサービス開発をリードする部署などに配属されるときに、大きな強みとなるでしょう。

また、AWS上でデータ分析を行う場合なども、スペシャリティ資格で学んだ知識を応用できます。 実務上で特化分野が求められる際には、スペシャリティを検討してみるとより専門性が高まります。

資格取得のメリットと注意点

AWS資格を取得するメリットとしては、クラウドに関する体系的な知識が身につくことや、チーム内外でのコミュニケーションがスムーズになることが挙げられます。 実際に開発プロジェクトでも、AWS特有の概念(VPC、サブネット、IAMなど)を把握していれば、設定や権限管理を適切に行えるでしょう。

また、転職時には「AWSの操作ができる」というスキルセットを具体的に示すことができます。 資格の取得だけがゴールではありませんが、学習のモチベーションを維持する上でも有効です。

AWS資格の更新スパンや要件に関しては、AWSが公開している公式情報を確かめるのがおすすめです。 要件が変わることもあるため、取得後のフォローアップも大切です。

一方で、実務での経験があまりない状態で資格に合格したとしても、現場での具体的な問題解決には戸惑う場合があります。 資格をきっかけに、実際の環境を構築したりコードを動かしたりして、実戦的なスキルを積み上げることが重要です。

学習を始める前に意識したいポイント

AWSを学ぶ中で、最初からすべてのサービスを深く理解しようとするのは大変です。 むしろ、必要なサービスから触れていくほうが習得も早く、実務でも応用しやすくなります。

また、資格取得の勉強を進めるときは、コンソール画面を実際に操作してみるのが理解を深める近道だと考えられています。 例えば、EC2インスタンスを起動してウェブサーバーを立ち上げたり、S3にオブジェクトを配置して静的ウェブホスティングを試してみるなど、手を動かしながら学ぶのがおすすめです。

クラウド環境では、小さなサンプルプロジェクトを作って動作を確かめることで、用語や概念がスッと頭に入ってくることがあります。 少し時間がかかっても、一度手を動かして成功や失敗を経験しておくと、本格的な業務に入ったときに慌てずに対応しやすくなるでしょう。

まとめ

AWS資格は基礎から専門分野まで幅広くカバーしており、取得する順番によって学びやすさや実務への活用度合いが大きく変わります。 初心者の皆さんには、まず Cloud Practitioner でAWSの全体像を把握し、次にアソシエイトレベルの資格で実践的なスキルを固める流れがおすすめです。

余裕があればさらにプロフェッショナルやスペシャリティへステップアップし、より専門性の高い分野を身につけることができます。 どの資格も、勉強した知識を実際に試してみることで理解が深まり、現場での活用力につながるはずです。

クラウドを扱うシーンは今後ますます増えていくでしょう。 その中でAWS資格を持っていることは、開発やインフラ運用を行う上で大きなアドバンテージになります。

学習を進める際は、資格合格だけをゴールにするのではなく、実際のAWS環境を操作しながら身につけた知識を活かしてみてください。 そうすることで、クラウドの力を十分に引き出せるエンジニアとして、一歩ずつ前進できるのではないでしょうか。

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