インフラエンジニアの資格取得を段階的に進めるには?おすすめの順番と実務での活用例

資格

はじめに

インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなどの基盤を支えています。 そのため、資格の取得を目指す人も少なくありません。 ただ、資格の種類が多く、何から始めればいいのか悩む方もいるのではないでしょうか。 ここでは、インフラエンジニアがどのような順番で資格を取ると、業務にスムーズに役立てられるのかをまとめています。 初心者の皆さんが最初の一歩を踏み出しやすいよう、実務での活用シーンも交えて解説していきましょう。

この記事を読むとわかること

  • インフラエンジニア向け資格の代表例と、おすすめの取得順
  • 資格ごとの具体的な実務活用シーン
  • 資格を活かすうえで意識したいポイント
  • よく利用される技術スタックとの関連性
  • 資格取得後のキャリアを考えるヒント

インフラエンジニアとしてまず押さえたい基礎資格

インフラエンジニアというと、サーバー管理やネットワーク構築などの専門的な作業を思い浮かべるかもしれません。 ただ、最初に取り組むべき資格は意外と基礎領域が中心です。 たとえば、ネットワークの入り口としてはCCNAが有名ですね。 これを学ぶことで、IPアドレスの割り当てやルーティング、スイッチングの基本を理解しやすくなります。

実務でもルーターやスイッチの設定に触れる機会があるため、CCNAの知識は役立ちやすいです。 また、サーバー運用ではLinuxを使うことが多いため、LPIC-1LinuCといったLinux系資格を同時期に視野に入れると良いでしょう。 こうした基礎資格は、運用監視の業務や障害対応で欠かせないコマンド操作を身につけるうえでも強い味方になります。

資格勉強を始めると、抽象的な内容に思えることもあるかもしれません。 ただ、日々の業務で「どこにトラブルが起きやすいか」「ネットワークが遅い場合にどこを見ればいいか」など、具体的な視点を養うヒントにもなるでしょう。

ネットワークとサーバーを固めたあとのステップ

ネットワークとLinuxサーバーの基礎を固めたら、クラウド関連の資格に挑戦する人が増えています。 たとえばAWS Certified Cloud Practitionerや、もう少し踏み込んだAWS Certified Solutions Architect - Associateなどが挙げられます。 クラウドの知識は、オンプレミスのサーバー管理だけでなく、仮想ネットワークやセキュリティ構成などを理解する際に必要とされる場面が多いです。

実務では、クラウド環境にサーバーを立ち上げ、コンテナを動かすケースも一般的になってきました。 そのため、ネットワーク+サーバー+クラウドという三本柱を押さえておくと、幅広い案件で対応できるようになります。 どの順番で資格を取るかは人それぞれですが、多くの人はネットワークとLinuxを学び、それからAWSなどのクラウドに移行する傾向があるようです。

オンプレミス環境からクラウド環境へ移行する際に、セキュリティの設定や負荷分散の設定でつまずくことが少なくありません。 クラウド資格を持っていると、クラウド固有の用語やサービス構成をイメージしやすくなります。 そして、ネットワークとサーバーの基礎知識があるからこそ、クラウドをどう活かせばよいか具体的に検討できるわけですね。

運用効率化や自動化を目指す資格の順番

ある程度クラウドを使いこなせるようになったら、運用効率化や自動化を視野に入れる資格も魅力的です。 たとえば、DockerKubernetesといったコンテナ関連の知識を深めると、コンテナを使ったスケーラブルな環境を構築しやすくなります。 資格という形ではないものの、コンテナオーケストレーションの概念を押さえておくと、多くのプロジェクトで重宝されるでしょう。

インフラ全体をコードで管理するTerraformのようなツールも選択肢に入ります。 Terraformは、インフラリソースをテンプレート化して、変更管理や環境構築を一括で行いやすいのが特徴です。 下記はTerraformでAWSの仮想マシンを管理する際のシンプルな例です。

provider "aws" {
  region = "ap-northeast-1"
}

resource "aws_instance" "example_server" {
  ami           = "ami-12345678"
  instance_type = "t2.micro"
  tags = {
    Name = "example-server"
  }
}

コード化すると設定内容が明確になり、同じ構成を何度でも再現できます。 資格としてはTerraform自体の認定制度はありますが、まずはAWSやLinuxの基礎がないと理解が難しいかもしれません。 そのため、インフラエンジニアとして必要な要素を順番に固めた上で、自動化系のツールに進むとスムーズです。

セキュリティ資格はどのタイミングがおすすめか

セキュリティ分野の資格は、ネットワークやサーバーとあわせて理解するのが望ましいです。 ただし、初学者がいきなり難易度の高い資格に挑戦すると、ネットワークの暗号化やアクセス制御などの概念で苦労する可能性があります。 そこで、クラウド関連資格やコンテナ技術などをある程度学んだ段階で、セキュリティ資格に着手するのが効率的でしょう。

実務では、脆弱性スキャンツールの結果をどのように扱うかが重要になります。 ファイアウォールの設定や脅威検知システムの導入など、具体的な対策を検討する際に、セキュリティ資格で学んだ知識が生かせる場面も多いです。 資格によっては、リスクマネジメントやインシデント対応の基本を扱うものもあるので、より上流工程での活躍を視野に入れるきっかけにもなります。

資格取得だけに集中しすぎると、実務経験が疎かになることがあります。 実際の障害対応や運用課題に触れながら資格の知識を使うことで、本当の意味で理解が深まるでしょう。

資格を取得するときに意識したいこと

インフラエンジニアの資格を段階的に取ることには大きなメリットがありますが、やみくもに取得しても活かしきれない場合があります。 そこで、いくつかのポイントを意識することが大切です。

実務で頻繁に使う技術から学ぶ

たとえば社内サーバー管理が中心のプロジェクトなら、Linuxやネットワーク関連を優先することで業務に直結しやすいです。

資格とプロジェクト経験を連動させる

AWSの資格を取るなら、社内でのサーバー移行や新規プロジェクトを自らリードしてみると良いでしょう。

幅を広げる前に深さを意識する

多数の資格を持っていても、実際に運用する知識が浅いと評価されにくいです。 基礎をしっかり身につけたうえで関連領域を増やす方が、実務への適用もスムーズです。

資格を取得しても、それを使いこなせる環境がないと知識が薄れてしまうかもしれません。 小さなテスト環境を構築するなど、実際に手を動かす機会を意識してみると理解度が高まります。

まとめ

インフラエンジニアの資格をどの順番で取得するかを考えるとき、まずはネットワークやLinuxなどの基礎領域に触れると良いでしょう。 その上でクラウド技術やコンテナ技術に移り、自動化ツールを取り入れれば実務の幅が広がっていきます。 セキュリティに関しては基礎を身につけてから取り組むと、より専門的な内容も理解しやすくなるでしょう。

資格の学習で培った知識は、現場の課題解決にも大いに役立ちます。 実際の運用や障害対応を通じて、どこに注意すればミスを減らせるかが見えてくるはずです。 これからインフラエンジニアとしてキャリアを築こうとしている皆さんにとって、資格の取得は良いステップになるでしょう。

資格はあくまでも入り口として活用し、本番は実務でどれだけ応用できるかにかかっています。 インフラエンジニアの道を歩む上で、知識と経験を組み合わせながら成長していきましょう。

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