WordPressでクラシックエディタに切り替える方法
はじめに
WordPressには、投稿や固定ページを編集するためのエディタが備わっています。 現在、多くの環境で採用されているのがブロックエディタですが、従来の操作感に慣れている方や、互換性の問題などでブロックエディタを使いたくない場合もあるでしょう。 そのようなときに使えるのがクラシックエディタへの切り替え方法です。
クラシックエディタは、使い慣れたインターフェースで簡単に文章を編集できるメリットがあります。 ただし、テーマやプラグインによってブロックエディタ依存の機能を使っているケースもあるため、導入にあたっては実務での要件に応じた判断が求められます。
この記事を読むとわかること
- ブロックエディタとクラシックエディタの違い
- 実務でクラシックエディタを使うメリットや注意点
- プラグインを使った切り替え手順
- コードを用いた切り替え方法
- よくある疑問やトラブルシューティングのポイント
クラシックエディタとブロックエディタの概要
WordPressでは長らくクラシックエディタが標準として使われてきました。 しかし、その後に導入されたブロックエディタは、コンテンツをブロック単位で配置しやすい設計が特長となっています。 例えば段落や画像、ボタンなどの要素を直感的に追加できるため、多くの方は視覚的に編集しやすいと感じるかもしれません。
一方で、クラシックエディタはシンプルなテキスト編集画面とHTML編集の切り替えが中心です。 プログラミング初心者にとっては、複雑なブロック構造を意識せずに文章だけに集中できる利点もあります。 そのため、慣れ親しんだ方法で作業を進めたい現場や、ユーザーに合わせてインターフェースを統一したいケースでは、クラシックエディタを選ぶ場面があるでしょう。
ここで気になるのが、どちらを利用すればいいかという点です。 ブロックエディタはレイアウトを柔軟にコントロールしたい場合に便利ですが、クラシックエディタは必要最小限の編集機能をまとめた画面で作業できるため、文章メインのサイトや余計な機能を省きたい場面で活躍します。
実務でのクラシックエディタ利用シーン
実務では、顧客の運用スタイルに合わせてエディタを決定することがよくあります。 例えば、更新担当者がHTMLやCSSにあまり触れずにテキスト中心の更新をするサイトの場合、クラシックエディタの方が混乱しにくくなります。
また、過去に作成したカスタムフィールドやプラグインとの互換性を保ちたいケースもあるでしょう。 ブロックエディタは、対応していないプラグインや機能があると想定通りに動作しないことがあります。 このような場合には、クラシックエディタであれば動くという安心感が得られるかもしれません。
さらに、サイトのデザインやレイアウトがすでに完成している場合にも、クラシックエディタが好まれることがあります。 文章以外の調整がほとんど不要で、レイアウトを変える予定がなければ、単純な投稿画面の方が作業効率を上げやすいでしょう。
プラグインを使ってクラシックエディタに切り替える方法
ブロックエディタからクラシックエディタへの切り替えで最も手軽なのが、専用プラグインの導入です。 WordPress管理画面の「プラグイン」から新規追加をクリックし、検索フィールドに「Classic Editor」と入力すると、公式プラグインが表示されます。 このプラグインをインストールしたら「有効化」を行い、管理画面内の設定からクラシックエディタを使うように切り替えを行いましょう。
プラグインを使うメリットは、コードを一切書かなくて済む点です。 インストールやアップデートもWordPress管理画面からできるので、プログラミング初心者でも迷わず導入できます。 もし後からブロックエディタを使いたくなった場合も、プラグインを無効化または削除すればすぐに戻せます。
このように管理画面だけで操作が完結するため、緊急対応やクライアントへの運用指示もしやすくなります。 ただし、余計なプラグインを増やしすぎるとサイト全体のパフォーマンスに影響が出る可能性があるので、導入前には慎重に検討してみてください。
コードでブロックエディタを無効化する方法
プラグインを使わずにエディタの切り替えを行いたい方は、テーマやカスタムプラグイン内にコードを記述する方法があります。 具体的には、以下のようなフィルターを追加するとブロックエディタを無効化できます。
<?php // functions.php や独自のプラグイン内に記述できます add_filter('use_block_editor_for_post', '__return_false');
このコードを入れると、投稿画面が自動的にクラシックエディタになります。 複数の投稿タイプに対して一括で適用させたい場合や、特定の投稿タイプのみに適用したい場合は、少し工夫が必要です。 例えばカスタム投稿タイプを登録する際の引数として 'show_in_rest' => false を使うと、APIベースのブロックエディタ機能を無効化できます。
ただし、コードでの操作はプログラミング未経験者にとっては少しハードルが高く感じるかもしれません。 実務で使う際にはテスト環境で動作確認し、問題がないことを確認してから本番環境に反映させると安心ですね。
利用時の注意点と実務でのポイント
クラシックエディタを使うと、ブロックエディタ特有のレイアウト機能を活用できなくなります。 そのため、画像やカラム構成をブロック単位で自由に配置したいときには不便を感じるかもしれません。 また、新しいテーマやプラグインではブロックエディタ前提のものが増えており、クラシックエディタでは一部機能が制限されるケースも考えられます。
クラシックエディタに切り替える際は、テーマやプラグインがブロックエディタ依存ではないかを必ず確認しておきましょう。
プログラミング初心者の方が実務で携わる場合は、あらかじめ担当者やチームと方針を共有することが大切です。 「なぜクラシックエディタを使うのか」「どのような運用形態にするのか」をはっきりさせておくと、後から編集方針に迷うことが少なくなります。
トラブルシューティングとデバッグの考え方
切り替え後、クラシックエディタが有効にならない場合や不具合が発生する場合は、まずプラグインの競合を疑いましょう。 プラグイン同士の機能が衝突しているケースは珍しくありません。 思い当たるものがあれば一時的に無効化し、問題が解消されるかを確認してみてください。
また、テーマがブロックエディタ専用の機能を使っていることも考えられます。 テーマのfunctions.phpを確認し、ブロックエディタを前提とした設定が書かれていないかを見るのも大切です。 もし競合が疑われる場合、コードを編集する前にテスト環境で対処するようにすると安全です。
セキュリティや互換性が原因の不具合であれば、WordPress本体やプラグインのバージョンを見直すのも効果的です。 不必要に古いものを使っていないかをチェックし、アップデート可能な場合は計画的に行うとトラブルを減らせるでしょう。
クラシックエディタに切り替える際によくある疑問
初めてクラシックエディタを導入する方は、「テーマやプラグインが正常に動作するかどうか」を心配することが多いのではないでしょうか。 もし機能が動かなくなったらどうしよう、と考えるのは自然なことですが、導入前にテスト環境を用意して確認すればリスクを抑えられます。 テスト環境で投稿や固定ページを実際に作成し、問題なく公開できるかを試してみると良いですね。
他にも、ブロックエディタで作成したコンテンツがクラシックエディタでどのように表示されるのか、という点を気にする声もあります。 大半のコンテンツはエディタを切り替えても基本的には崩れませんが、ブロック特有の機能を使った箇所は表示が簡略化されることがあります。 そのため、切り替え前にバックアップを取り、必要があれば再調整すると良いでしょう。
エディタ切り替え後も、もしやっぱりブロックエディタが良いと思ったら設定を戻すことは可能です。
切り替え作業は大掛かりなシステム変更ではないため、比較的気軽に導入できるのが魅力です。
まとめ
WordPressのエディタをクラシックエディタへ切り替える方法は、プラグインを導入するか、コードを追加してブロックエディタを無効化するのが一般的です。 プラグインであれば初心者の皆さんでも簡単に操作が完結しますし、コードでの切り替えは柔軟性が高い反面、多少のプログラミング知識が必要になるでしょう。
実務では、ブロックエディタでなければ利用できない機能がある一方で、クラシックエディタの方が運用しやすい場面も少なくありません。 例えば、定型的な文章をメインに扱う場合や、既存プラグインとの互換性を重視するケースではクラシックエディタが活用しやすいです。
一度切り替えた後も、状況に応じて元に戻すことは可能です。 皆さんのプロジェクトや運用形態に合った方法で検討してみてはいかがでしょうか。