WordPressビジュアルエディターをわかりやすく解説

CMS開発

はじめに

WordPressで投稿を作成するときに用いられるのが、ビジュアルエディターと呼ばれる仕組みです。 ブラウザ上でテキストや画像を見たまま編集できるため、プログラミング未経験の方でも扱いやすいのが特徴です。

しかし、実際に使い始めると「どこで設定を変えれば思い通りのレイアウトになるのか?」や「どうやってブロックを使い分けるのか?」といった疑問が浮かぶことはないでしょうか。 特に初めてWordPressに触れる方にとっては、見慣れないブロックという概念や、細かいカスタマイズ方法が分からず戸惑うこともありそうです。

そこで今回は、WordPress ビジュアルエディターを初めて使う方を想定し、基本的な使い方はもちろんのこと、開発の現場でも役立つような具体的な事例に結びつけて紹介していきます。 デザインや機能を自分好みに仕上げるためのコツも織り交ぜているので、「WordPressを実務に導入してみたい」「ブログやWebサイトをもう少しきれいに整えたい」という方にも役立つ内容ではないでしょうか。

これからWordPressを触り始める皆さんのために、なるべく専門用語を避けつつも、必要な技術用語はかみ砕いて解説します。 ぜひ最後まで読んでいただき、WordPress ビジュアルエディターの基本を身につけてください。

この記事を読むとわかること

  • WordPress ビジュアルエディターの概要と基本的な役割
  • ブロックの種類や配置の仕組み
  • 実務や現場で役に立つ活用ポイント
  • カスタマイズ時に気をつけるべき注意点
  • コードを使った基本的な拡張のやり方

WordPress ビジュアルエディターとは

WordPress ビジュアルエディターは、テキストや画像を直感的に配置できるツールです。 投稿画面に表示されるエリアで、文章を入力したり画像をドラッグ&ドロップで挿入できたりするので、HTMLやCSSの詳しい知識がなくても記事を作成しやすいでしょう。

以前は「クラシックエディター」と呼ばれる画面が中心でしたが、現在はブロックをベースにしたエディターが標準的に利用されています。 具体的には「段落ブロック」「画像ブロック」「見出しブロック」など、要素ごとにブロックが細かく分かれており、ドラッグ操作で順番を入れ替えたり、設定画面から色やスタイルを変更したりといったことが可能です。

この仕組みによって、実務の現場でも細かなパーツごとにデザインを管理することが楽になります。 たとえば、企業サイトでよく見かける「お知らせ一覧」「スタッフ紹介」「サービス概要」などもブロックとして追加し、必要な場所に配置すれば、一貫したデザインを保ちつつ運用しやすくなるのです。

WordPress ビジュアルエディターのメリット

ビジュアルエディターの最も大きな利点は、プレビューをいちいち確認しなくても、画面上で仕上がりを想像しやすいという点です。 HTMLでコードを書ける方にとってはテキストエディターでの編集も選択肢の一つですが、コードが読めない方はビジュアルエディターを使うことで格段に作業がしやすくなります。

特に、初心者が運営するブログやコーポレートサイトであれば、ビジュアルエディターだけでも十分にサイトを形にしていくことが可能です。 文字サイズやフォント色の変更、画像や動画の埋め込みなどもボタン操作で行えます。

一方、開発の現場では「デザイナーがデザインを作り込み、運用担当がビジュアルエディターで更新する」という分担がよく見られます。 デザイナーやエンジニアが作ったテンプレートをもとに、運用チームがビジュアルエディターでテキストや画像を差し替えることで、管理者以外のスタッフでもコンテンツを更新しやすくなるのです。

実務での活用シーンと注意点

実務でWordPress ビジュアルエディターを活用するメリットは、プロジェクトチーム全体での作業がスムーズになることです。 たとえばWebメディアを運営している会社であれば、編集担当が記事を執筆し、プレビューを確認しながらレイアウトを調整し、問題がなければそのまま公開できます。 ここで、コードを一切触る必要がないので、エンジニアの手を借りずにコンテンツを更新できるのも利点といえるでしょう。

ただし、実務の現場ではカスタムテンプレートや特殊なプラグインを導入しているケースがあります。 そのような場合、ビジュアルエディターで新しいブロックを追加しようとすると、予期しないデザイン崩れが起こることがあるかもしれません。 デザインや機能面でのカスタマイズを加えていると、表示側のCSSやJavaScriptとの兼ね合いにより正常にブロックが反映されないこともあります。

そのため、チーム内で「どのブロックは使ってもOK」「どのブロックは避けるほうがいい」というルールを共有しておくとトラブルを防ぎやすいです。 特に大規模サイトの場合は、デザインガイドラインなどを用意して、運用担当者が混乱しないようにブロックの使い方を整理しておくと安心ですね。

大規模なサイトでは、ビジュアルエディターをフル活用する前に、デザインチームやエンジニアチームとの調整を行い、作成したブロックが意図したとおりに反映されるかテストしておくのがおすすめです。

ブロックの種類と基本的な使い方

ビジュアルエディターには、多様なブロックがあらかじめ用意されています。 代表的なブロックには、次のようなものがあります。

段落ブロック

通常の文章を書くためのブロックです。見出し以外のテキストは基本的にここで書きます。

見出しブロック

大・中・小見出しを作成するときに使います。これを適切に設定することで、記事の見やすさやSEO面の評価に影響を与えます。

画像ブロック

メディアライブラリから画像を選んだり、PCからドラッグしてアップロードしたりできます。画像の配置や大きさの調整も、ブロック内で設定できます。

リストブロック

箇条書きや番号付きリストを作るブロックです。見出しとの組み合わせで記事の構成を整理しやすくなります。

カラムブロック

ページを複数のカラムに分割し、左右に異なる内容を表示できます。レイアウトを複雑にしたいときに便利です。

基本的な流れとしては、投稿画面を開いたら「+」アイコンからブロックを挿入し、ブロックごとに必要な設定を行うだけです。 見出しブロックはタイトルをわかりやすく、画像ブロックはアイキャッチとして魅力的な写真を入れる、というように場面ごとに使い分けることがポイントでしょう。

カスタマイズで気をつけるポイント

カスタムテーマを利用していたり、独自にCSSを当ててレイアウトを変えたりする場面も出てくるかもしれません。 しかし、ビジュアルエディターのブロック構造は、テーマの設計やプラグインの影響を受けることがあるため、想定外の見た目になってしまうリスクもあります。

そこで、カスタマイズ前には以下の点をチェックするとトラブルを減らしやすいでしょう。

ブロックごとのCSSクラス名

デフォルトで割り当てられるクラス名を把握しておくと、ブロック単位でレイアウトを微調整しやすくなります。

テーマの機能との競合

テーマ側で独自のブロック管理機能がある場合や、プラグインがブロック編集画面に影響を与えている場合は、そもそもデフォルトの操作ができないケースも考えられます。

PHPコードの追加

functions.php にフックを使った記述を入れることで、ビジュアルエディターのスタイルを柔軟に変更できますが、記述ミスによりサイト全体がエラーを起こすこともあるため、テスト用の環境で確認をしてから本番運用に移しましょう。

このように、ブロックの仕組みを理解していればある程度柔軟に見た目や機能を調整できます。 実際の現場では、チーム全体で「このブロックはどのページで使うのか」「カスタマイズする際に誰が担当するのか」などを明確に決めておくと、混乱が少なくなるのではないでしょうか。

カスタムスタイルを適用する例

ここでは、実際にビジュアルエディターに独自のスタイルを適用するためのコード例を紹介します。 たとえば、エディター上でもサイト本番と似たデザインを再現したいときに使われる方法です。

<?php
// テーマのfunctions.phpなどで追記する例

function my_custom_editor_styles() {
  // WordPressのエディターに独自スタイルを追加する
  add_theme_support('editor-styles');
  add_editor_style('editor-style.css');
}

add_action('after_setup_theme', 'my_custom_editor_styles');

上記のコードを自分のテーマのfunctions.phpに追記し、同じテーマディレクトリ内にeditor-style.cssというファイルを置きます。 すると、ビジュアルエディター上でもeditor-style.cssの内容が適用されるため、文字色や背景色などを変更してプレビューしやすくなるでしょう。

また、独自クラスを付与して特殊なデザインを実装したい場合は、ブロックの追加CSSクラスを設定し、editor-style.cssに対応するスタイルを記述すれば、エディター内外で同じ見た目を保つことが可能です。

ただし、過度に装飾を重ねると、運用担当者が迷ってしまうことがあるかもしれません。 特にプログラミング初心者が管理するサイトだと、複雑なクラス構造やCSSが裏側に潜んでいることを理解しづらいため、運用マニュアルを用意してあげるとスムーズでしょう。

テーマによってはすでにビジュアルエディター用のスタイルが設定されていることがあります。 自作のスタイルと競合しないように、あらかじめテーマファイル内を確認しておくことをおすすめします。

まとめ

WordPress ビジュアルエディターは、初心者でも手軽にコンテンツを作成できる便利な仕組みです。 ブロックを組み合わせることで、見出しから画像の配置まで簡単にコントロールできますし、実務でも複数人で効率的にコンテンツを更新できるメリットがあります。

一方で、テーマやプラグイン、CSSの影響を受けて表示が崩れたり、設定箇所が増えすぎて混乱が起こったりする点には注意が必要です。 チームで運用する際には、どのブロックを使うか、どのようにスタイルを当てるかをあらかじめ共有し、安定した環境でサイトを運営していきましょう。

これからWordPressでサイトを作り始める皆さんは、ぜひビジュアルエディターを活用して、使いやすい情報発信の場を作り上げてください。 慣れてきたら、コードを使った拡張に挑戦することで、さらに自由度の高いサイト運営ができるようになります。

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