インフラとは?初心者にやさしい意味と実務でのかかわり

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インフラとは?初心者にやさしい意味と実務でのかかわり

インフラと聞くと、電気・ガス・水道といったライフラインをイメージする方も多いかもしれません。

ITの世界でも、インフラは基盤を支える存在として大きな役割を果たします。

プログラミング初心者の皆さんが今後コードを書いていくとき、必ずやこの基盤の知識が必要になってくるでしょう。

ここでは、インフラとはいったい何なのかをやさしい言葉で解説し、実務でどう使われているかを紹介します。


インフラの基礎

インフラは、システムやサービスを動かすための土台となる部分です。

サーバーやネットワーク、データベースなど、ソフトウェアが問題なく動作できるように用意された環境すべてを指します。

たとえば、皆さんがWebアプリを使うとき、その裏側ではリクエストを受け取るサーバーや、データを保存するストレージが稼働しています。

それらを適切に配置し、メンテナンスするのがインフラの仕事です。

インフラを整備することで、アプリケーションが安定的かつ効率的に動くようになります。

エンジニアがコードを開発しても、動かす場所や通信する手段がなければ意味がありません。

そのため、インフラは地味なようでいて欠かせない存在です。

アプリケーションを直接触ることが少なくても、背後で動作環境をしっかり支えているのがインフラです。

インフラという言葉は英語の “Infrastructure” に由来しています。

土木や公共事業を思い浮かべることもありますが、ITの分野でも「基盤となる設備」という意味が色濃く残っているのです。


実務で活用されるインフラの具体例

インフラといっても、その形はさまざまです。

オンプレミスと呼ばれる自前のサーバーを利用するケースや、クラウドサービスを使うケースがあります。

どちらを選ぶかは企業やプロダクトの方針によって変わりますが、最近はクラウドが主流になっています。

なぜなら、クラウドは物理的なサーバーを自社で抱えなくてもよいため、初期費用が抑えられ、柔軟にスケールできるからです。

オンプレミス

オンプレミスは、企業や組織が独自にサーバーを設置し、ネットワーク構成やセキュリティを細かく管理する方法です。

自分たちの物理サーバーなので自由度が高く、データを自社内に閉じておける安心感があります。

一方で、導入時の初期投資や運用にかかるコストが大きくなることも多いです。

クラウド

クラウドを使うと、サーバーやネットワークといったリソースをインターネット経由でレンタルするイメージになります。

大手では AWSAzureGoogle Cloud などが有名で、多種多様なサービスを提供しています。

仮想サーバーをすぐに立ち上げられ、必要に応じてリソースを増減できるのが魅力です。

物理機器のメンテナンスや障害対応の多くをクラウド事業者が行ってくれるため、小規模なチームでも大規模なシステムを支えやすくなりました。


仮想化とコンテナ技術

クラウドの進化とともに、仮想化技術は当たり前になりました。

仮想化とは、1台の物理マシン上に複数の仮想マシンを立ち上げ、あたかもそれぞれが独立したコンピュータのように振る舞う仕組みです。

この概念をさらに発展させたのがコンテナ技術です。

コンテナは仮想マシンよりも軽量で、起動や停止がスムーズです。

DockerKubernetes といったツールは、コンテナの普及に大きく貢献しました。

Dockerはコンテナを作るためのプラットフォームで、Kubernetesはコンテナを複数台のサーバーでスケールさせたり自動で管理するオーケストレーションツールです。

ここでは、Dockerを使った簡単なサーバーの例を見てみましょう。

FROM node:18-alpine
WORKDIR /app
COPY package.json .
RUN npm install
COPY . .
CMD ["npm", "start"]

このファイルを使うと、Node.jsベースのアプリケーションをコンテナ内で実行できます。

コンテナ化しておけば、環境が異なる場所でもほぼ同じ動作が期待できるので、開発から本番運用への移行をスムーズにできます。


インフラの管理と運用

インフラは一度構築したら終わりではありません。

長期にわたって利用する中で、サーバーのアップデートやセキュリティパッチの適用、ネットワーク設定の見直しなど、多方面のメンテナンスが必要となります。

障害が発生したとき、どのサーバーでどのサービスが動いているかがすぐ把握できる体制を作るのも大切です。

最近は、設定や管理をコードで行うツールが注目されています。

Infrastructure as Code(IaC)という考え方で、Terraformなどのツールを用いてインフラ環境をスクリプトで定義します。

こうすることで、設定内容の変更やバージョン管理がしやすくなります。

誤った設定を短時間でロールバックできるのもメリットです。

インフラの変更は全体への影響が大きいことがあります。変更を行う前には必ずテスト環境で検証してから本番に適用する流れが望ましいです。

運用のポイントは、監視体制を整えることと、障害が起こった際の復旧方法をあらかじめ決めておくことです。


セキュリティと可用性

多くの利用者がいるシステムでは、セキュリティ対策とサービスの継続性が大きな課題です。

外部からの攻撃を防ぐためにファイアウォールを設置したり、定期的にパッチを適用して脆弱性を塞ぐ取り組みが行われます。

また、障害や自然災害などに備え、データを複数の拠点にバックアップする冗長構成もよく使われる方法です。

クラウドサービスを利用すれば、複数のリージョンにリソースを分散できることが多いです。

これにより、一部のリージョンが停止しても、他のリージョンでサービスを継続できるようになります。

ただし、クラウド事業者の提供する機能を正しく理解していないと、想定外のコストや設定漏れによるリスクが発生する可能性もあるでしょう。

セキュリティの取り組みは地道なチェックの積み重ねが基本です。

インフラエンジニアとアプリケーション開発者が連携し、運用方法を常に最適化していく姿勢が求められます。


インフラエンジニアの役割とプログラマーとの連携

インフラエンジニアは、システムが安定して動くように設計・構築・運用を担います。

具体的には、サーバーのセットアップやネットワークの構築、監視ツールの導入などを実施します。

もし大規模なサービスでトラフィックが急増しても、スケールアップやスケールアウトによって対応できるようにするのもインフラエンジニアの仕事です。

一方で、プログラマーはアプリケーションの開発に重きを置きます。

新機能を実装し、バグを修正し、ユーザーが使いやすい画面や機能を作っていきます。

しかし、これらの成果を安定稼働させるためには、インフラ上で安全に実行する仕組みが必要です。

そのため、インフラエンジニアとプログラマーの連携は欠かせません。

お互いの業務を理解し、協力し合うことで、アプリケーションの品質もインフラの安定度も高めることができます。

近年は「DevOps」という考え方が重視されています。

これは開発者(Development)と運用担当(Operations)の垣根を低くし、よりスムーズなリリースやトラブル対処を可能にする文化のことです。


まとめ

インフラとは、アプリケーションを支える基盤のことで、サーバーやネットワーク、データベースなど多岐にわたります。

初心者でも理解しやすいように、オンプレミスとクラウド、仮想化とコンテナ技術などを紹介しました。

インフラがしっかりしていないと、アプリケーションがどれだけ優れたものであってもユーザーに快適に届けられません。

その意味で、インフラの知識はプログラミングを学ぶ上での大きな助けになるでしょう。

実務では、セキュリティや可用性、運用管理の仕組みづくりが重要です。

この分野を理解しておくことで、プログラムを書く際にも環境に合わせた設計がしやすくなります。

皆さんがインフラという視点をもって開発に取り組むことで、より安心して使えるサービスを作れるようになるはずです。

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