Next.js で画像を最適に扱う方法をやさしく解説

初めてWeb開発をする方は、画像をどのように扱うか迷うことが多いかもしれません。 特にECサイトやポートフォリオなどでは、画像の品質を保ちながら高速なページ表示を実現することが重要ですね。 Next.jsは、その課題を解決する機能として next/image を提供しています。

一見すると地味な機能にも思えますが、ページの読み込み速度が速くなると、ユーザーが離脱しにくくなります。 これはビジネス的にも価値が高いので、最初の段階から意識しておくと良いでしょう。

Webパフォーマンスの向上

画像はWebサイトの中でも容量が大きくなりがちな要素です。 適切な最適化が行われていないと、表示に時間がかかって利用者がストレスを感じることがあるでしょう。 Next.jsでは自動的にサイズやフォーマットを最適化できるため、追加のライブラリを探す手間が省けます。

読み込み速度が上がると、検索エンジンにも好影響を与えることが多いです。 その結果、ページの評価が高まり、検索結果で上位に表示されやすくなる可能性があります。

メンテナンス性の確保

画像はサイトのイメージを決定づける大切な要素ですが、運営しているうちに種類やサイズが増えていくことがあります。 個別に圧縮ツールを使って管理していると、後から仕様変更に対応するのは面倒ですね。 Next.js なら、プロジェクト全体で画像最適化を一元的に扱えます。

後から「やっぱり別のフォーマットに対応したい」と思った時にも、設定を変更しやすいです。 運用が長期化しても、管理が混乱しにくいのがメリットでしょう。

Google検索の上位表示を目指すために

高速なページ表示は、SEOに好影響を与える要素の一つです。 画像の最適化は、見た目のクオリティとパフォーマンスを両立させる効果があります。 無理に画質を落とす必要がないので、デザイナーの意図を活かしながら最適化ができます。

また、画像を最適化することで、Googleが推奨するコアウェブバイタルの指標を改善しやすいでしょう。 検索結果でのクリック率にもプラスに働く可能性があり、集客面でもメリットを得やすいです。

next/image コンポーネントとは

Next.jsが公式に提供している、画像を扱うための組み込みコンポーネントです。 幅と高さを指定すると自動的にリサイズし、WebPなどの最適なフォーマットにも変換してくれます。 初心者の方でも使いやすいAPI設計になっているので、大がかりな設定をしなくても利用可能です。

今まで画像タグ(<img>)を直接書いていた方にとっては、やや独特に映るかもしれません。 しかし、より詳しく見ていくと、思っていたよりも簡単に利用できるのがわかるでしょう。

主な機能

サイズの自動調整 あらかじめ指定した幅と高さに合わせて画像をリサイズします。 これにより、表示デバイスに合わせて適切なサイズが適用されます。

フォーマットの自動切り替え ブラウザがWebPなどの新しい形式をサポートしていれば、そちらが優先的に利用されます。 結果として、読み込み時間の短縮につながりやすいです。

レスポンシブ対応 複数の画面サイズに対応した画像を生成できるため、スマートフォンやタブレットでも最適な表示を実現できます。 そのまま使うだけで、様々なデバイスに対して柔軟に表示が可能です。

レスポンシブ対応

最近は、スマートフォンやタブレットからWebサイトを訪れる方も多いです。 それぞれの画面サイズで見やすい画像を提供するには、従来なら複雑な仕組みを用意する必要がありました。 next/image は自動でソースセットを生成してくれるので、開発者が手動で複数の画像を用意しなくても大丈夫です。

これによって、開発に割く時間を減らしながら、よりクオリティの高い表示を実現できます。 とくにECサイトのように商品画像が多い場合に重宝するでしょう。

なぜ最適化が効果的なのか

画像が最適化されていないと、ブラウザが読み込むファイルサイズが大きくなり、ページ表示が遅くなります。 読み込みが遅れると、閲覧者がページを閉じてしまうリスクが高まりますよね。 また、回線速度が遅い環境のユーザーにも配慮しないと、機会損失が起きるかもしれません。

こうした点を解消するのが next/image の役割です。 サーバーサイドで自動的に最適化されるため、表側からは見えない部分でも効率的に動作します。

使い方と実装例

次は、実際に next/image を使う手順を見てみましょう。 最新のNext.js(例として13以降)を利用している場合、標準で next/image が利用可能です。 初期設定が必要なケースもあるので、公式ドキュメントもチェックしながら導入を進めてください。

基本的な使用例

以下のようなコードで、任意のページコンポーネントに画像を組み込めます。 それまで <img> タグを使っていた方にとっては、直感的に理解しやすい部分も多いでしょう。

import Image from "next/image";

function HomePage() {
  return (
    <div>
      <h2>トップページのイメージ</h2>
      <Image src="/images/frontend-development/sample.jpg"
        alt="サンプル画像"
        width={600}
        height={400}
      />
      <p>画像を表示したい場所に next/image コンポーネントを使っています。</p>
    </div>
  );
}

export default HomePage;

上記では src にローカルの画像パスを指定していますが、外部ホストの画像を使う方法もあります。 ただし外部ホストを許可するために、設定ファイルを編集する必要があることを覚えておきましょう。

画像を外部ホストから取得する場合

画像がCDN上にあったり、外部サービスから提供されるケースもあります。 その場合は next.config.js にて、あらかじめ許可したいドメインを設定するとスムーズです。 設定の例は以下のようなイメージになります。

/** @type {import('next').NextConfig} */
module.exports = {
  images: {
    domains: ["example.com", "cdn.example.org"],
  },
};

この設定を反映させると、以下のようなコードで外部画像を読み込むことができます。

import Image from "next/image";

function ExternalImage() {
  return (
    <div>
      <h3>外部ホストから取得した画像</h3>
      <Image
        src="https://example.com/remote-image.jpg"
        alt="外部イメージ"
        width={800}
        height={450}
      />
    </div>
  );
}

export default ExternalImage;

外部ホストの画像も自動的に最適化され、サイト全体のパフォーマンスが維持されやすいです。 実務では、CDNの利用状況に応じて設定を検討すると良いでしょう。

カスタムローダーについて

next/image は標準のローダー以外に、独自のローダーを実装して利用することも可能です。 特別な変換処理や、社内向けの独自画像変換サービスを利用したいときに役立つでしょう。 カスタムローダーを作成する場合は、loader プロパティを設定して対応します。

一方で、基本的には標準のローダーで十分なケースが多いです。 特別な要望がない限り、標準ローダーで性能面や画質面をカバーできます。

現場での活用シーン

実際の業務では、どのような場面で next/image を活用すると効果的でしょうか。 たとえば制作物の種類によって、必要となる画像の枚数やサイズは大きく変わります。 それぞれのプロジェクトでの具体的な利用イメージを見ていきましょう。

ECサイトの例

多数の商品画像があるECサイトでは、適切に画像サイズを調整することが不可欠です。 特に、ユーザーが複数のデバイスでアクセスする場合、それぞれに最適化された画像を提供したいですね。 next/image を使っておけば、閲覧者の回線速度や端末サイズに合わせた画像が自動で配信されます。

画像が多いほどページ全体の読み込みが重くなりがちですが、next/image で最適化されると回避しやすいです。 結果的にコンバージョン率の向上にもつながりやすく、ビジネス面でも役立ちます。

ブログやポートフォリオの例

個人ブログやポートフォリオを作る場合でも、画像は大切な要素ですね。 デザインを魅力的に見せるためには、適度な解像度を保ちつつ、読み込みの遅延を最小限に抑える必要があります。 next/image は、記事の中に配置する写真や、サムネイル画像などに幅広く対応できるでしょう。

メンテナンス性の高さも、継続的にコンテンツを追加するブログには大きなメリットです。 更新を重ねても画像関連の処理に大きな負担がかからず、初心者でも管理が楽にできます。

企業サイトの例

コーポレートサイトでも、ヒーローヘッダーの大きなバナー画像や、事例紹介に多数の写真を掲載する場合があります。 こういったページで読み込み速度が遅いと、訪問者に対してやや不便な印象を与える可能性があります。 next/image であれば、解像度と表示速度のバランスをとりやすいです。

規模の大きなプロジェクトでも、Next.js の画像最適化機能を活用することで、サイトの品質を高められます。 サーバー負荷にも配慮しながら、高画質なビジュアルを提供できるのが魅力です。

デプロイ後の注意点

本番環境にデプロイしたあとも、継続的に注意しておきたいポイントがあります。 画像の数が増えても、設定を変えずに対応できるようにしておくと管理がスムーズです。 また、キャッシュの仕組みをうまく活用すると、パフォーマンス向上がより期待できます。

キャッシュ戦略

Next.js としては、ビルド後に画像を生成するための仕組みが用意されています。 CDNを組み合わせると、再リクエストの頻度を減らせるので、ネットワーク負荷を軽くすることができるでしょう。 CDN側のキャッシュとNext.js側の設定を上手に組み合わせるのがポイントですね。

環境によってはキャッシュの期限を調整したり、変更があったときにはキャッシュを削除したりといった運用が必要です。 画像が更新される頻度が高いなら、その辺りを柔軟に管理する仕組みがあると便利でしょう。

画像形式の選択

JPEGやPNG、WebPなど、対応している形式はプロジェクトごとに異なります。 next/image は自動変換に対応しているものの、画像が多すぎると最適化に時間がかかることもあります。 とはいえ、通常の運用では、そこまで深刻になるケースは少ないでしょう。

もし独自のフォーマットを使いたい場合は、先ほど触れたカスタムローダーの方法で対応を検討できます。 プロジェクトの要件を踏まえながら、過不足のない形で最適化すると良いでしょう。

トラブルシューティング

初心者の方は、画像が表示されない、レイアウトが崩れるといったエラーに遭遇するかもしれません。 多くの場合、設定ファイルの書き忘れや、 width / height の指定ミスが原因として挙げられます。 エラーメッセージを確認しながら対処すれば、比較的短時間で解決できることが多いです。

よくあるエラー

  • 許可していないドメインから画像を読み込もうとしている
  • alt 属性がなかったためにコンパイル時に警告が出る
  • 幅や高さを指定しないまま使ったために、レイアウトが崩れる

対策としては、 next.config.js の設定やコンポーネントのプロパティを正しく記述するだけで十分でしょう。 それでも解決しない場合は、ブラウザの開発者ツールやNext.jsのエラーログを詳細に確認してみてください。

対処法

ドメイン設定のミスなら images.domains に対象ホストを追記する、alt 属性を忘れていればすぐに追加するなど、基本的な対策で済むことが多いです。 また、レイアウト崩れが気になる場合は layout プロパティや style の指定方法を見直すといいでしょう。 とくに fill を使う場合は、親要素が相対的な位置を持っているかどうかなど、CSSまわりをチェックしてみるのがおすすめです。

今後のバージョンアップへの備え

Next.js はバージョンアップが頻繁に行われるフレームワークです。 画像関連の機能も拡充されるかもしれませんので、リリースノートや公式ドキュメントを定期的に確認することが大切ですね。 日々のアップデートに備えておくことで、新機能を素早く活用できるようになるでしょう。

メンテナンスとアップデート

プロジェクトを長期的に運用していると、ライブラリやフレームワークのバージョンアップが必須になる場面があります。 画像最適化はユーザー体験やSEOに直結する要素なので、できるだけ最新の状態を保つことが理想です。 アップグレード時には互換性チェックを怠らないようにしましょう。

運用中にバージョンアップを保留したまま放置してしまうと、思わぬトラブルが起きるリスクも高まります。 定期的にメンテナンスを続けることで、安定したパフォーマンスを提供できるはずです。

互換性への意識

最新バージョンに上げると、画像コンポーネントの書き方が若干変わる場合があります。 公式ガイドやコミュニティフォーラムを参照すると、既存コードをどう移行すればいいかヒントが得られるでしょう。 無理なく新機能を試すことで、いままで気付かなかった最適化手段が見つかる可能性があります。

日頃からプロジェクトを立ち上げるときに、ドキュメントをざっと確認しておくことをおすすめします。 そうすると、急に大幅な変更が来たときでも対応しやすいでしょう。

バージョンアップ時には、動作環境や依存関係にも注目してください。 特に外部サービスと連携している場合、APIの変更が画像部分にも影響するケースがあります。

まとめ

Next.js を使った画像最適化は、表示速度やSEOの改善に大きく寄与します。 初心者の方でも比較的扱いやすく、設定ファイルでドメインを追加していくだけで外部画像の最適化も可能です。 初期の段階で正しく導入しておけば、大量の画像を扱うようになっても管理がしやすいでしょう。

特にECサイトやブログ、企業サイトなど、用途を問わず広く活用できるのもメリットです。 更新が頻繁なサイトほど、next/image を活用することで運用負荷を下げられるでしょう。

このように、Next.js の画像最適化は開発効率やUX向上を同時に実現する手段としておすすめです。 最新情報を追いながら、ぜひ自分のプロジェクトに合った使い方を模索してみてください。

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