Next.jsで始めるSPA入門:シングルページアプリケーションの基本と活用法

はじめに

皆さんは Next.js というReactベースのフレームワークを聞いたことがあるでしょうか。 このフレームワークは、サーバーサイドレンダリングや静的サイト生成の機能が豊富にそろっていることで知られていますね。 一方で、 SPA (Single Page Application) を実現することもできるのが大きな特徴です。 複数のページを行き来するときでも、表示の切り替えがスムーズに行われるので、ユーザーにストレスを感じさせにくいです。 初めてWeb開発を学ぶ方にとっては、いきなり専門用語が多くて戸惑うかもしれませんが、ここでは基本的な仕組みをできるだけ平易にまとめました。

また、本記事では nextjs spa の基本的な知識を中心にお話しします。 皆さんがこれからWebアプリを作るときに、「自分にもできそうだ」という手応えを得られるようになることを目指しています。

この記事を読むとわかること

  1. SPA全般の特徴やメリット・デメリット
  2. Next.jsを使ってSPAを作るときの基本的な流れ
  3. 実務での具体的な活用シーン
  4. SEO面を配慮するための考え方

難しいと感じるかもしれませんが、実際のビジネスでの使用例や注意点を交えながら解説します。 皆さんが興味を持てるように書いていくので、ぜひ最後まで読んでみてください。

SPAとは何か

SPA (Single Page Application) とは、Webページ全体を1つのページで構成する考え方のことです。 ページ遷移が必要になっても、画面の一部だけを更新することで新しいページを読み込んだように見せています。 その結果、クリックごとに画面を丸ごと読み込まなくて済むので、ユーザーが操作を継続しやすいです。 たとえば、メールサービスやSNS、Todo管理ツールなど、頻繁にデータを更新しながら使うサービスで多く採用されていますね。

一般的にSPAを実装するときは、ReactやVueといったライブラリがよく使われます。 Next.jsはReactをベースにしていることから、自然な形でSPAを開発できます。 ここからは、従来のWebサイトとの違いを少し掘り下げましょう。

従来のページ遷移との違い

昔ながらのWebサイトは、リンクをクリックするとサーバーからまるごと新しいHTMLを受け取ります。 画面が一瞬真っ白になり、読み込みが完了してから再描画がされるため、体感的に遅く感じることがありました。

一方でSPAでは、初回アクセス時に必要なJavaScriptファイルなどをまとめてロードします。 リンクをクリックしたときは、追加データだけをサーバーから取得して画面を部分的に描画します。 これにより、ユーザーから見るとシームレスにページが切り替わっているように感じられます。

Next.jsによるSPAのメリット

Next.jsはSSR(Server-Side Rendering)やSSG(Static Site Generation)にも強みがあるフレームワークですが、SPAとして使う場合にもいくつかの利点があります。 以下に代表的なメリットをいくつか挙げてみましょう。

  • ページ間移動がスムーズに行われる
  • Reactのコンポーネント構造をそのまま活用できる
  • ルーティングやフォルダ構成が決められているため、初心者でも導入しやすい

これらのおかげで、ユーザー体験が向上しやすいです。 また、チーム開発をするときも、明確に役割を分けてコードを書くことができます。

Next.jsの基本的な仕組み

ここでは、Next.jsでSPAを作るときに押さえておきたい構成要素を簡潔に説明します。 Next.jsはReactを拡張する形で作られていますので、Reactのコンポーネントをそのまま利用できます。 そして、pagesというディレクトリや、特定のルールに従ったファイル名で画面を作成し、アプリ全体を構成する仕組みになっています。

ページとルーティング

Next.jsでは、/pages ディレクトリ内にファイルを配置するだけで、URLルーティングが簡単に設定される仕組みがあります。 例えば /pages/index.js はトップページ、/pages/about.js/about というURLで表示されるページです。 SPAとして利用するときでも、ユーザーがページを移動すると、アプリケーションはクライアントサイドでURLの変更を認識し、必要な部分だけを再描画するという動作をします。

Next.jsのルーティングの仕組みはシンプルです。 初心者の方でもルールを理解しやすく、複雑な設定ファイルを触らずにページを増やせる点が大きな魅力と言えます。

CSRのフロー

SPAではクライアントサイドで画面レンダリングを行うことが基本になります。 一般的には、次のような流れで画面が更新されます。

  1. 最初のアクセス時にHTMLとJavaScriptが読み込まれる
  2. JavaScriptコードが動き出し、Reactコンポーネントが動的に画面を生成する
  3. 別のページへ移動するときは、必要なデータのみをサーバーから取得
  4. 取得したデータに基づいて再描画

このように、再描画のタイミングで画面全体を切り替えるのではなく、一部を再構築するだけで済むのがポイントです。 Next.jsの場合でも、この流れはほぼ同じと考えてください。

実務で活用されるシーン

SPAの概念はシンプルですが、実際にどんなプロダクトで役立つのか気になる方が多いのではないでしょうか。 ここでは、仕事やビジネスの現場でよくあるケースをいくつか挙げてみます。

ユーザーが頻繁に画面を切り替えるサービス 顧客管理システムや各種ダッシュボードツールは、ユーザーが次々とメニューを切り替えたりデータをフィルタリングしたりします。 SPAの仕組みを用いることで、ページ全体を再読み込みしなくても一貫した操作感を維持できます。

リアルタイム性が求められるサービス チャットアプリやSNSなどは、都度ページを再読み込みするのではなく、部分的な更新を繰り返すことが多いです。 SPAと相性がよいパターンなので、Next.jsを使うことで開発の効率が上がるでしょう。

注意が必要なケース

反対に、静的な情報のみを一覧表示するブログなどでは、SPAにするメリットは薄いときもあります。 単純なウェブサイトなら、SSRやSSGを利用したほうが検索エンジンに評価されやすいと考えられています。 もちろんSPAでも対策次第ではSEOを向上させる余地がありますが、使い分けが大切ですね。

SPAを選ぶかどうかは、サイトの種類や目的によって大きく変わります。 開発前に「本当にSPAにするべきか」を検討してみることをおすすめします。

SPA構築の簡単な実装例

Next.jsでSPAを作る際、どのようにページを移動しているかをざっくり確認してみましょう。 まずはプロジェクトを作成し、pagesディレクトリにファイルを追加します。

npx create-next-app my-spa-example
cd my-spa-example
npm run dev

上記のコマンドでサーバーを起動すると、http://localhost:3000 でアプリが表示されます。

ページ間の移動を体験しよう

次に、複数のページを用意してクライアントサイドで画面切り替えを確認してみます。 下記は pages/index.jspages/hello.js の2つを用意した例です。

// pages/index.js
import Link from "next/link";

export default function HomePage() {
  return (
    <div>
      <h2>Home Page</h2>
      <p>ここはホーム画面です。</p>
      <Link href="/hello">
        Go to Hello Page
      </Link>
    </div>
  );
}

// pages/hello.js
import Link from "next/link";

export default function HelloPage() {
  return (
    <div>
      <h2>Hello Page</h2>
      <p>ここはHello画面です。</p>
      <Link href="/">
        Go back Home
      </Link>
    </div>
  );
}

ここで <Link> コンポーネントを使うことで、ユーザーがリンクをクリックした際にクライアントサイドでページが切り替わります。 ページ全体をリロードするのではなく、一部の内容だけを更新する仕組みがSPAのポイントです。

SEOを考慮した工夫

SPAはページ遷移が高速になる反面、SEO対策が難しいと感じる方もいるかもしれません。 Next.jsならSSRも利用できるので、場合によってはサーバーサイドで描画した結果を返す方法を組み合わせることが可能です。 ただし、今回はSPAに注目しているので、純粋にクライアントサイドでの対策を中心に説明します。

メタ情報の設定

SPAの場合、ページを切り替えてもブラウザのURLが変わらないケースが多いため、メタ情報の設定に注意が必要です。 Next.jsでは、ヘッド情報を管理できる仕組みが用意されています。 例えば以下のように Head コンポーネントを使えば、タイトルやディスクリプションを個別に設定できます。

import Head from "next/head";

export default function HelloPage() {
  return (
    <>
      <Head>
        <title>Hello Page</title>
        <meta name="description" content="ここはHelloページの紹介文です。" />
      </Head>
      <h2>Hello Page</h2>
      <p>ここはHello画面です。</p>
    </>
  );
}

このように書くことで、クライアントサイドでページ遷移した後でも、ユーザーがこのURLを直接シェアした場合に適切なメタ情報を提供できます。 ただし検索エンジンのクローラーによっては、クライアントサイドのみで生成される情報を完全に取得できない可能性も考えられるので、必要に応じてSSRやSSGを検討するほうが無難です。

SSRと組み合わせるケース

Next.jsはSPAとして動かすだけでなく、SSRやSSGと組み合わせることでSEO対策を強化できるフレームワークとしての側面もあります。 例えば、トップページだけはSSR、残りのコンテンツはSPAの形で書く方法などがあります。 これにより、ユーザーやクローラーに対しては最初に読み込んだタイミングで完成したページを返し、それ以降の動作はクライアントサイドでサクサク行うといった構成が実現しやすいです。

Next.jsは複数のレンダリング方式を組み合わせられるのが特徴です。 プロジェクトの要件に合わせて、自由に使い分けをしてみてください。

まとめ

ここまで nextjs spa の基本的な流れや利点、実務での活用方法についてご紹介しました。 SPAは画面遷移が素早く、ユーザーにとって快適な操作感を提供しやすいのが魅力です。 しかし、SEOやサーバー負荷の観点からはSPAがベストではないケースもあります。 Next.jsならSSRやSSGなど、多様なアプローチを組み合わせることで使い分けが可能になりますので、目的に合った形を選ぶことが大切でしょう。

初心者の皆さんは、まずはページ構成とルーティング、クライアントサイドによる描画の仕組みを理解してみるとよいかもしれません。 そこから徐々に、SEO対策や実務での最適化を意識しながら学んでいけば、使いこなせる範囲が広がっていくのではないでしょうか。 シンプルなアプリから始めて、少しずつ機能を追加しながら成長していってくださいね。

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