Reactとは？なぜ人気なのかをやさしく解説

はじめに

皆さんはWebアプリケーションを作るとき、表示の切り替えやデータの更新をどうやって実装しようかと考えたことはないでしょうか。

そこで登場するのが、React というライブラリです。

ReactはJavaScriptを使って動的なUIを作ることを得意としています。

しかし、最初は「なぜこれほどまでにReactが選ばれているのか？」という疑問を抱く人も多いかもしれません。

ここでは、Reactの人気の理由を初心者の方にも理解しやすいように説明していきます。

実務での具体例も交えながら、なるべくシンプルな言葉で解説していきます。

この記事を読むとわかること

• Reactがどんな仕組みでUIを管理しているのか
• 動的な画面切り替えを簡単にする工夫とは何か
• 実際の開発現場でReactがどのように使われているのか
• 他のフレームワークとどう違うのか
• コンポーネント思考が人気を集める理由

Reactの基本的な特徴

Reactの一番の特徴として挙げられるのが、コンポーネントベース という考え方です。 画面を小さなパーツ（コンポーネント）に分割して、それぞれを組み合わせることで全体のUIを構築します。

このコンポーネントベースの考え方は、保守しやすく変更に強いシステムを作りやすいという魅力があります。 例えば、ボタンや入力フォーム、一覧表示などをそれぞれ独立したコンポーネントに分けてしまうことで、1つの部分を修正するときに他の部分に影響を与えにくいです。

また、 仮想DOM (Virtual DOM) と呼ばれる仕組みもポイントです。 普通のHTMLページでは、画面上の要素が更新されるたびにブラウザ全体のDOMを張り替える必要がありますが、Reactでは仮想DOMを使うことで最小限の更新だけを実行します。

これによって、より効率的にUIを再描画できるようになります。 その結果、大規模なアプリケーションでも動作が軽快になる傾向があります。

Reactが選ばれる実務でのシーン

ここでは、Reactがどのような実務の場面で使われているかをイメージしてみましょう。

例えば、eコマースサイトです。 ユーザーが商品をカートに入れた瞬間に、即座にカートのアイコンにアイテム数が反映されたり、商品のおすすめ欄が自動的に切り替わったりします。

こういった「部分的にデータを変更して、その部分だけ動的に再描画する」作り方にReactは向いています。 なぜなら、ページ全体を再読み込みせずに変更部分のみを効率的に更新できるからです。

また、SNS系のアプリケーションでもReactはよく使われています。 投稿ボタンを押したら新しい投稿が即時にタイムラインに表示されるなど、リアルタイム更新の要素が多いシステムで重宝されることが多いです。

なぜ人気なのかを分解してみる

Reactが人気を集める要素はいくつかありますが、ここでは主だった要素をいくつか挙げてみます。

• 部分的な更新がしやすい
• コンポーネント単位で開発を進められる
• 学習コストが比較的抑えやすいと感じる人が多い
• 豊富なコミュニティとライブラリのサポートがある

コミュニティが大きいということは、情報を得やすい・プラグインやツールが見つかりやすいというメリットにつながります。 大手企業でも積極的に使われているため、安定して開発が続けられているところも魅力の1つです。

実際のコード例（コンポーネント作成）

実際にReactを使って、小さなコンポーネントを作るイメージを見てみましょう。 例えば、ボタンをクリックするとカウントが増える簡単な例です。

コピー
import React, { useState } from "react";

function Counter() {
  const [count, setCount] = useState(0);

  const handleClick = () => {
    setCount(count + 1);
  };

  return (
    <div>
      <p>現在のカウント: {count}</p>
      <button onClick={handleClick}>カウントを増やす</button>
    </div>
  );
}

export default Counter;

ここでは、useState というフックを使ってカウント数を管理しています。 setCount が呼ばれると画面が再レンダリングされて、最新のカウントが表示されます。

例えば、実務ではこのような仕組みを使って在庫数を動的に表示したり、いいね数をリアルタイムで増やしたりするケースがあります。 こうした書き方のおかげで、UIの更新を意識しすぎなくても自然と画面が変わるのが便利なところです。

Reactならではのエコシステム

React自体はUI表示に特化していますが、周辺のライブラリやフレームワークを組み合わせることで、より包括的な開発が可能になります。

例えば、複数ページを実装するときにはReact Router というライブラリがよく使われます。 これにより、URLごとに異なるコンポーネントを表示させる仕組みが簡単に作れます。

さらに、アプリが大きくなってくるとデータの管理が複雑になるため、状態管理のライブラリとしてRedux などを導入するケースもあります。 こういった周辺ツールが充実している点もReactの人気に大きく影響しているでしょう。

実務では、チーム全体でコードの管理を行うために、Reactと状態管理ツールを組み合わせて開発するパターンが主流になっています。 それぞれが独立してライブラリとして成長しているので、プロジェクトのニーズに合わせて最適な構成を選びやすいというわけです。

他のフレームワークとの違い

React以外にもVueやAngularといったフレームワーク・ライブラリがあります。 これらはUIを作るための仕組みを提供する点では似ていますが、実装スタイルや得意分野に少し違いがあります。

Reactは「ライブラリ」として位置づけられることが多く、必要に応じて周辺ツールを取り入れていく柔軟なアプローチを好む方に向いています。 一方で、最初からある程度まとまった仕組みを提供してほしい人には、フレームワークに近い考え方を持つAngularが選ばれることもあります。

また、Vueはシンプルな構文と豊富な日本語ドキュメントが魅力として挙げられています。 どれが絶対に良いというわけではありませんが、Reactは特にコンポーネントの再利用性や学習資料の豊富さなどで多くの人気を集めている印象です。

実務では、社内の慣例や既存コードとの相性などもあって、Reactを選ぶ企業が多いようです。 そのため、一度Reactを学び始めると応用がききやすく、転職や副業を考えている人にも取り組みやすいかもしれません。

具体的な画面作りの一例

Reactでシンプルなリスト表示をしてみると、次のように書くことができます。 たとえば、ユーザー名のリストを表示する小さなコンポーネントの例です。

コピー
import React from "react";

function UserList() {
  const users = ["Alice", "Bob", "Carol"];

  return (
    <ul>
      {users.map((user, index) => (
        <li key={index}>{user}</li>
      ))}
    </ul>
  );
}

export default UserList;

ここの map 関数を使う部分がポイントです。 ユーザー名を格納した配列に対してループ処理をし、<li> 要素を返しています。

実務では、APIから取得したデータをこの users の部分に流し込み、一覧表示をリアルタイムに生成する形がよく使われます。 例えば、SNSの投稿をタイムラインに流すときや、商品一覧ページを作るときなどがわかりやすい例です。

まとめ

Reactがなぜ人気なのかを見てきました。 要点を振り返ると、次のようなメリットがあると言えそうですね。

• コンポーネントごとにUIを組み立てるため、保守しやすく変更に強い
• 仮想DOMによる効率的な画面更新で、スムーズな動作が期待できる
• 周辺ライブラリやコミュニティが充実しており、情報を入手しやすい
• 多くの企業が採用しており、実務での活用シーンが豊富

これらの特徴から、初めてWebアプリケーション開発に挑戦する人でも取り組みやすいと感じる方は多いでしょう。 特に、部分的なUI更新の仕組みやコンポーネントベースの考え方に魅力があるのではないでしょうか。

Reactに触れることで、Webページを柔軟かつ効率的に作るための「考え方」を学びやすくなります。 これを機に、皆さんもReactを使った画面作りをイメージしてみてはいかがでしょうか。