Unityバージョンの選び方や特徴を初心者向けに解説

ゲーム開発

はじめに

UnityはC#言語をベースとしたゲームエンジンで、2Dや3Dのゲーム制作、VRコンテンツ、シミュレーターなど幅広い分野で使用されています。 しかし初めて触れる方にとっては、Unity バージョンの選択が大きなハードルになりがちですね。 バージョンによって安定性や新機能が異なるため、初心者の皆さんはどのタイミングでどのバージョンを使うと良いか迷うことが多いかもしれません。 今回はUnity バージョンごとの特徴や、具体的にどのようなプロジェクトで活用しやすいかを分かりやすくまとめます。 最初は難しそうに感じられても、順を追って理解していけば自然と身につくでしょう。

Unityのバージョン体系

Unityのバージョン体系は主に「LTS(Long Term Support)」と「Tech Stream」に分かれています。 LTSは比較的安定性が高く、数年間にわたってサポートが受けられるところがメリットです。 一方でTech Streamは新機能がいち早く利用できる代わりに、安定性の面ではまだ検証が不十分なケースもあるでしょう。 初心者の皆さんがゲーム開発や学習用プロジェクトに取り組むなら、LTSを選ぶと安心感があるかもしれません。 ただし新しい機能を試したい場合は、Tech Streamをインストールして実験してみるのも良い選択ですね。

LTS(Long Term Support)の魅力

LTSバージョンは、実務でもよく用いられています。 理由は、サポート期間内にバグ修正などが継続的に行われ、予期しない不具合に悩まされにくいからです。 特に仕事でのプロジェクトはスケジュール管理が重要なので、開発途中で大きな仕様変更に振り回されにくいLTSが重宝されます。 またゲーム開発でサードパーティ製のアセットやプラグインを使うことがありますが、LTSは対応互換性が確立されていることが多いです。 初心者の皆さんにとっても、余分なトラブルを避けられるメリットが大きいでしょう。

Tech Streamでできること

Tech Streamは、常に新しい機能や改良が取り込まれていくバージョンです。 たとえばレンダリング技術の向上や、新しいアニメーション関連のAPIが追加されるなど、試してみたくなる要素が盛り込まれることが多いです。 ただし最新版が公開された直後は、未知の不具合やパフォーマンス面の問題が潜んでいる可能性がありますね。 個人プロジェクトや趣味での学習など、失敗を前提に色々と挑戦したい場合に向いています。 安定性よりも最先端の技術を学びたいという方は、Tech Streamを選ぶと良いでしょう。

バージョンの数字の見方

Unityのバージョンは「Unity 2023.1」や「Unity 2023.2」のように、年度とリリースされた期間を示す数字が含まれます。 たとえば「Unity 2023.1.x」は2023年の前半にリリースされ、その後細かな修正が加わるごとに小数点以下の数字が増えていく形です。 さらに、LTSのものは「Unity 2023 LTS」といったようにLTSの表記がつきますので、リリースノートやUnity Hub上で確認しやすいでしょう。 個人で使う場合は、まず最新のLTSを使っておけば迷いにくいかもしれません。 ただし公式サイトに常時アップデート情報が出ていますので、気になる方はこまめにチェックしておくとより安心ですね。

実務での活用シーン

Unityはゲームだけでなく、シミュレーションや建築・自動車業界の可視化、VRトレーニングシステムなど多方面で利用されています。 たとえば、会社でVRシミュレータのプロトタイプを開発している場合は、バグ対応の手間を抑えるためにLTSを選ぶのが一般的です。 新しいアニメーション機能を使ってキャラクターの表現力を高めたいなら、Tech Streamが合う場面もあるでしょう。 プロジェクトによっては、バージョン固定の要望があるケースも考えられます。 初心者であっても、どのバージョンがより適切かを把握しておくと、スムーズにチームへ参加しやすくなるのではないでしょうか。

Unity Hubでバージョン管理

UnityにはUnity Hubという公式ツールがあり、複数のバージョンを同時に管理できます。 インストールする際には、画面上に「LTS」や「Tech Stream」のラベルが表示されるので、そこで自分の目的に合ったバージョンを選ぶと分かりやすいですね。 新規プロジェクトを作るときも、Hub上でバージョンを切り替えて「Create」を押せば良いだけなのでシンプルです。 既存のプロジェクトを開く際には、Unity Hubを通じてバージョンを指定すれば、誤って別のバージョンで開いてしまうミスを減らせます。 バージョンごとの容量はやや大きめですが、必要に応じてアンインストールや再インストールが簡単に行えるのも利点でしょう。

バージョンアップの注意点

バージョンアップには注意が必要です。 一度作成したプロジェクトを新しいバージョンで開くと、スクリプトやアセットの仕様変更が原因でエラーが出ることもあります。 特にTech Streamの更新ペースは早めなので、アップグレード前に現在使っているアセットの互換性を確認する方が安全ですね。 また、別のバージョンで作成したプロジェクトを混在させると、思わぬコンフリクトが発生する可能性があります。 チーム開発の場合は事前に使用するバージョンを統一しておくのが良いでしょう。

バージョンの検証用プロジェクトを作る

プロジェクトのバージョン切り替えによるトラブルを防ぐために、テスト用の小さなプロジェクトを作る方法があります。 新しいバージョンをインストールしたら、まずは空のプロジェクトを作成し、動作を確認してみるのです。 これによって重大なエラーが出ないか、あるいは使ってみたい機能が問題なく動くかを簡単にチェックできます。 たとえば、パーティクルシステムが強化された機能を試す場合や、ライティング設定の挙動を知りたい場合にも便利ですね。 いきなり本番のプロジェクトで実験するよりも安心できるでしょう。

簡単なC#コード例

ここで、Unityプロジェクト内にC#スクリプトを追加する簡単な例を見てみましょう。 MonoBehaviourを継承したクラスを作り、コンソールにテキストを表示するだけの内容です。

using UnityEngine;

public class HelloUnity : MonoBehaviour
{
    void Start()
    {
        Debug.Log("Unity 2023 LTSでのテストです");
    }
}

上記を新しいバージョンで試してみて、コンソールにログが出れば基本的なスクリプトは問題なく動いていると考えられます。 また、オブジェクトにアタッチして再生ボタンを押すだけで確認できるため、初心者の皆さんでも取り組みやすいですね。 もし不具合があれば、コンパイルエラーや警告メッセージが表示されるはずです。 こうした手順を踏むことで、小さなところからバージョンの違いを検証できます。

プロジェクトごとに最適なバージョンを選ぶコツ

バージョンを選ぶ基準はいくつかあります。 以下のような点を意識するだけでも、判断しやすくなるでしょう。

  • 安定性を重視したい
  • サポート期間の長さを重視したい
  • 新機能をいち早く取り入れたい
  • チームメンバーとの互換性を確保したい
  • コミュニティの情報量が多いバージョンを使いたい

たとえば公式フォーラムやコミュニティが盛り上がっているバージョンなら、困ったときに検索して見つかる情報が多くて安心感があります。 個人開発なら新機能に挑戦しやすいTech Streamも魅力的ですし、共同開発ならLTSを軸にするケースが多いですね。

実務でも役立つバージョン管理のポイント

実務でUnityを使う際には、バージョン管理にも気を配る必要があります。 特に複数人で開発するときは、ソースコードだけでなくプロジェクトのメタデータやライブラリ情報なども含めてバージョン管理することが大切です。 クラウドサービスを利用する場合は、同じバージョンのUnityでビルドした成果物を共有しないと、エラーが起きるケースも出てきますね。 また、大規模なプロジェクトほどアップグレードによる影響範囲が広くなるので、事前テストやロールバック手順の整備が欠かせません。 初心者の皆さんでも、将来のチーム開発に備えて、早い段階でこうした運用のポイントを押さえておくと役に立つでしょう。

互換性とアセットストア

Unityのアセットストアには、キャラクターモデルやサウンド素材、エディタ拡張など、さまざまなリソースが用意されています。 ただし、アセットによっては特定のバージョン以降しかサポートされていない、または特定のバージョン以前しか動作を保証していない場合があります。 このため、アセットを導入する前に「どのUnity バージョンに対応しているか」をアセットの説明文で確認することが大事です。 もし導入したいアセットがTech Streamでしか動かないなら、そちらを選ぶ必要があるでしょう。 あるいは反対に、LTSでの安定動作だけ保証されているアセットであれば、LTSを使う方が安心です。

バージョンアップ後の確認でエラーや警告が増えた場合は、まずコンソールのメッセージ内容をよく確認しましょう。 スクリプトのAPI変更やアセットの互換性が原因になっているケースが多いです。

バージョン選択時に抱えがちな不安

初心者の皆さんからすると、最新のバージョンを使わないと機能が古いままではないかと感じるかもしれませんね。 しかし安定性が高いバージョンでも十分に学習や開発を進められますし、むしろ急ぎで新機能を必要としないのであれば、LTSで問題ない場面がほとんどでしょう。 また、会社の採用情報などを見てもLTSをメインにしているところが多いので、LTSに慣れておくメリットは大きいと言えそうです。 最新機能を追いかけるのは楽しいですが、ときにはバージョンによるバグや仕様変更で時間を浪費してしまうこともあるでしょう。 自分が学びたい内容や、アセットが対応しているかを基準に、バージョンを選ぶのが得策ではないでしょうか。

バージョンの移行手順の簡単な例

ここでは、LTSから新しいLTSに切り替える流れの一例を確認してみましょう。

  1. Unity Hubで新しいLTSバージョンをインストールする
  2. テスト用のプロジェクトを新バージョンで開いてみる
  3. エラーが出なければ、必要に応じてプラグインを更新する
  4. 使いたいプロジェクトのバックアップを作成する
  5. バックアップを作った上で、本番のプロジェクトを新バージョンで開き動作確認

上記のように、小さくテストしてから本番環境へ移行するとリスクを抑えやすいでしょう。 一度にすべてを切り替えるのではなく、段階的に進めると安心感が増しますね。

複数のプロジェクトで異なるバージョンを使うケースもありますが、その場合は混在を避けるためにプロジェクトごとにフォルダをきちんと分けて管理してください。

チーム開発でのバージョン統一

初心者の段階では、一人で開発するケースが多いでしょう。 しかし将来的にチームで開発をする場面では、バージョンの統一はとても大切です。 メンバー全員が同じLTSを利用していれば、アセットやプラグインのバージョン差異によるエラーが減ります。 また、バグ修正やパッチが適用されるタイミングも合わせやすく、スケジュール管理がしやすくなりますよね。 協調して作業するときほど、Unity バージョンの共有が重要になってくると考えられます。

デバッグのしやすさ

プロジェクトで問題が起きたとき、その原因がUnity本体の不具合なのか、あるいはスクリプトやアセットにあるのかを切り分けるのは初心者にとって難しいところです。 しかしLTSのように安定したバージョンを使っていれば、Unityエンジン由来のバグに遭遇する確率は減るでしょう。 そのためデバッグ時にスクリプトやアセットを疑う割合が増え、問題箇所を特定しやすくなるはずです。 Tech Streamだと、新機能にまだ不具合が残っている可能性も否定できません。 初心者の皆さんがデバッグの手間を最小限にしたいなら、やはり安定性のあるバージョンを優先するのが無難ですね。

LTSとTech Streamを併用する例

それでも最先端の機能に触れてみたい方は、メインのプロジェクトはLTSで進めながら、別途Tech Streamをインストールして新機能を試すというやり方もありそうです。 Unity Hubでバージョンを並行して管理できるので、プロジェクトごとに違うバージョンを起動できます。 新機能が自分の制作に役立ちそうかをテストプロジェクトで検証してみて、問題なさそうであればLTSからTech Streamへの移行を検討するのも一手でしょう。 ただし、Tech Streamを本番プロジェクトに導入するタイミングは十分に考慮してください。 勢いだけで切り替えると、不具合対応に時間を取られるかもしれません。

バージョン選択の最終判断

最終的には、プロジェクトの目的と自分の開発スタイルに合わせてバージョンを決めるのがいちばん合理的だと言えます。 実務に近い安定感を追求するならLTS。 一方で、最新機能で表現を拡張したいならTech Stream。 特に初心者の皆さんはLTSを中心に学びつつ、落ち着いたらTech Streamのメリットも体験してみると、知識の幅が広がりそうですね。 今後のUnityアップデートのスピードは速いので、自分が使っているバージョンの情報収集を怠らずに進める必要があるでしょう。 そうした点に気をつければ、バージョン選択はそれほど怖いものではありません。

まとめ

Unityは多くの可能性を秘めたゲームエンジンですが、Unity バージョンの違いを理解しないまま使い始めると、思わぬトラブルに直面しやすいかもしれません。 そこでLTSかTech Streamかを事前に把握し、どちらを選べば自分のゴールに近づきやすいかを考えることが大切です。 初心者の皆さんがまずはLTSで入門してみるのは、安定性と学習効率の両面でおすすめでしょう。 さらに、Unity Hubを活用して複数のバージョンを並行管理し、新機能を試す余地を残すやり方も良いですね。 ぜひ自分のプロジェクトに合ったバージョンを選んで、ゲーム開発やインタラクティブな作品作りに活かしてみてください。

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