FlutterFlowとは?初心者でもわかる基本の使い方や活用シーン

モバイル開発

FlutterFlowとは?初心者でもわかる基本の使い方や活用シーン

みなさんはFlutterFlowというサービスを聞いたことがありますか。 最近はノーコードやローコードの開発手法が注目を集めています。 その中でもFlutterFlowは、モバイルアプリやウェブアプリを視覚的な操作で素早く構築できるプラットフォームとして知られています。

ただ、名前を聞くだけでは「Flutterという言葉も聞いたことがない」「コードが書けなくても本当に作れるのだろうか」と感じる方がいるかもしれませんね。 初心者の方でもわかるように具体例を交えながら、FlutterFlowが実務でどのように活用されるかをお伝えします。

ここでは、まずFlutterFlowの概要と特徴を整理し、そのあとで導入方法や簡単な流れ、実際のプロジェクトで使われるケースなどをお話しします。 最後まで読むと「なるほど、ローコードツールでアプリを作るというのはこんな感じなのか」というイメージがつかめるはずです。

FlutterFlowの基本概要

FlutterFlowは、Googleが開発しているFlutterをベースにしたノーコード/ローコード開発ツールです。 FlutterはDartという言語を用いてクロスプラットフォームのアプリを作成できるフレームワークですが、FlutterFlowはこのFlutterの機能をブラウザ上で視覚的に扱えるようにしている点が特徴です。

プログラミング未経験の方にとっては「コードを書くのはハードルが高い」と感じることがありますよね。 FlutterFlowでは、ボタンやテキストフィールドなどのUIパーツをドラッグ&ドロップで配置し、画面遷移やデータとの連携を設定するだけでアプリの動作を確認できます。 そのため、コーディングの知識がない方でも、ある程度の操作でモックアップやプロトタイプを作りやすいというメリットがあります。

とはいえ「ノーコードだから自由度が低いのでは?」と思う方もいるでしょう。 実はFlutterFlowでは必要に応じてFlutterやDartのコードをカスタムウィジェットとして組み込める仕組みがあります。 自由度を確保しつつ、基本的な部分はローコードでカバーできるわけです。

さらに公式ドキュメントによると、Firebaseなどのクラウドサービスを使った認証やデータベースの操作とも連携できるように配慮されています。 認証機能やリアルタイムデータの取得といった機能を、画面上の設定だけで実現しやすいのが大きなポイントです。

FlutterFlowの特徴とメリット

ビジュアルベースの画面作成

まず最初の特徴は、視覚的にアプリのUIをデザインできる点です。 デザイナーの方がPhotoshopやFigmaなどで画面を作る感覚に近い操作で、アプリ画面を組み立てられるのが魅力です。

アプリ制作ではボタンやナビゲーションバー、リスト表示など多様なUIパーツを使いますよね。 FlutterFlowではこれらをあらかじめ用意したコンポーネントとして配置し、テキストやアイコンを自由に変えてレイアウトを調整できます。 そのため、コードをほぼ書かなくても視覚的なアプローチでアプリの見た目を形にしやすいです。

Firebaseなどクラウドサービスとの連携

FlutterFlowは、サーバーサイドの知識がなくてもFirebaseのようなクラウドサービスを簡単に組み込めることが強みです。 認証機能やデータベース、ストレージといった必要なサービスを設定画面で紐付けられるので、画面とデータを直接連動させられます。

たとえば会員登録機能を実装したい場合も、Firebase Authenticationを使ってアカウントの新規登録やログイン、パスワードリセットなどをGUIベースで設定できます。 プログラミングの経験が少ないとこのあたりは難しそうに感じますが、FlutterFlowであればクラウドサービスのAPIを直接扱わずに済むのです。

Flutterのパフォーマンスを活かせる

FlutterFlowで作られたアプリは、裏側ではFlutterの機能を利用しています。 Flutterはネイティブアプリと同等のパフォーマンスと見た目を発揮できると評判が高いフレームワークです。 そのためFlutterFlowで作成したアプリもスムーズな動きが期待できます。

また、Web版としてアプリをデプロイすることも可能です。 ブラウザ上で同じUIが動くので、モバイル・Webの両方に対応したサービスを開発したいときにも役立ちます。

コードによるカスタマイズが可能

ノーコードツールの多くは、細かい部分の調整がしにくいという課題があります。 しかしFlutterFlowの場合はCustom WidgetCustom Code機能により、FlutterやDartの知識があれば自由度の高いカスタマイズができます。

たとえば複雑なアニメーションや特殊なレイアウトを実現したいときに、直接コードを書くことで既存コンポーネントでは実現できない機能を取り入れられます。 こうした「ノーコードだけど拡張もしやすい」というバランスの良さがFlutterFlowを選ぶ大きな理由になるでしょう。

実際の活用シーン

プロトタイプやMVPの素早い制作

アプリのアイデアを形にしたいときに、FlutterFlowは力を発揮します。 多くの場合、最初にプロトタイプやMVP(Minimum Viable Product)を作ってみて、ユーザーの反応を探ることがありますね。 この段階ではプロのエンジニアを投入して本格的に開発する前に、できるだけコストをかけずに概念実証をしたいというケースも多いはずです。

FlutterFlowであれば、ローコードのUI構築とFirebase連携によって基本的な機能はかなり短期間で作れます。 運営会社のメンバーやクライアントとUIを見ながら議論し、即座に修正して新しいビルドを試すという流れで、アイデアをブラッシュアップしていくのに適しています。

マーケティングや展示会向けアプリ

展示会やイベントで配る簡易的なアプリを作る場合も、FlutterFlowは便利だと考えられます。 カタログや問い合わせフォーム、クーポン配布など基本的なUI要素がセットになったアプリなら、サクッと仕上げることができます。

またFirebaseのデータベースを活用すれば、ユーザーがフォームから送信した情報を即時に取得できるので、後から集計や分析も行いやすいです。 コーディングが少なく設定画面だけで作れるとなれば、マーケティング担当者の方でも操作を習得しやすくなります。

チーム内でのフィードバック共有

複数人でアプリを開発していると、デザイナーやプロダクトマネージャーがアイデアをUIに反映したいシーンがあります。 しかし、コードベースでコミュニケーションすると、どうしてもエンジニアの手を借りないと進まないケースが多いです。

FlutterFlowでは視覚的にUIを編集できるため、デザイナーや他のメンバーが直接画面を整えてエンジニアに共有する流れが作れます。 その結果、プロジェクト全体のスピードを向上させられます。

FlutterFlowでの基本的な開発フロー

新規プロジェクトの作成

FlutterFlowにログインすると、まず新規プロジェクトを作る画面から始まります。 プロジェクト名を入力し、アプリの種類(モバイルやWeb)を選択すると、基本的な構成がセットアップされます。

その後、画面のサイズやアプリのテーマカラーなどを大まかに決めると、FlutterFlowのエディタ画面に移ります。 ここからパーツをドラッグ&ドロップしてUIを組み立てる流れです。

UIエディタでのレイアウト

UIエディタは大きく分けると、UIパーツのパネルキャンバス、そしてプロパティの設定エリアの3つから構成されています。 使いたいパーツ(ボタン、テキスト、画像など)をキャンバスにドラッグすると、すぐに画面に配置されます。

その後、キャンバス上のパーツをクリックするとプロパティが表示されるので、ここで文字色やフォントサイズ、マージンなどを自由に変更できます。 慣れないうちは「位置が少しずれるな」と感じるかもしれませんが、ガイドラインやグリッド機能もあるので、数回使うだけで感覚がつかめます。

データとの連携設定

UIが形になったら、次はデータ連携の設定です。 Firebaseを使うならば、事前にFirebaseプロジェクトを作ってFlutterFlowから紐付けを行う必要があります。 FlutterFlow上でFirebaseのプロジェクトIDやAPIキーを入力し、認証やデータベース機能を有効にすると、アプリ側で自動的にこれらが利用できるようになります。

データ表示用のコンポーネントを配置し、Firebaseのコレクション名やフィールドを指定すると、リスト表示や詳細画面のデータ取得が可能になります。 ユーザー入力のフォームを設置する場合は、入力された値をどのコレクションのどのフィールドに保存するかを設定画面で選ぶだけです。

アプリの動作確認

FlutterFlow上でRunまたはPreviewを実行すると、ブラウザ上でアプリの挙動を確かめられます。 配置したUIに対してボタンを押したときの画面遷移や、データの読み書きが正しく機能しているかを視覚的にチェックできます。

ここで動作が期待通りであれば、次のステップとしてエクスポートやデプロイに進みます。 たとえばモバイルアプリとしてビルドしてテスト端末にインストールしたり、Webアプリとしてホスティングしたりすることができます。

Custom Widgetを使ったコードの例

ここからは「ちょっとだけコードを書いて何か独自のUIを作りたい」というシチュエーションを想定してみましょう。 FlutterFlowでは通常のUIパーツに加えてCustom Widgetを追加することができます。

以下は、Flutterのコードを少し書いてカスタムテキストウィジェットを作る例です。 何か特別なアニメーションや独自のデザインを施したいときに活用できますね。

import 'package:flutter/material.dart';

class CustomTextWidget extends StatelessWidget {
  final String text;

  const CustomTextWidget({
    Key? key,
    required this.text,
  }) : super(key: key);

  
  Widget build(BuildContext context) {
    return Container(
      padding: EdgeInsets.all(16),
      decoration: BoxDecoration(
        color: Colors.blueGrey.shade50,
        borderRadius: BorderRadius.circular(8),
      ),
      child: Text(
        text,
        style: TextStyle(
          fontSize: 18,
          color: Colors.black87,
        ),
      ),
    );
  }
}

上記のコードをFlutterFlowのCustom Widgetとして追加すれば、新しいウィジェットとして利用できます。 あとはFlutterFlowのUIエディタ上で、このカスタムウィジェットを一般的なボタンやテキストと同じように配置できるようになります。

実務での活用ポイント

バックエンドやAPI連携の考え方

複雑な業務システムや外部サービスとの連携が必要になる場合、FlutterFlow単体では機能が足りないことがあります。 その場合は、外部にNode.jsなどのサーバーを用意してAPIを作り、FlutterFlowから呼び出す構成を取ることも考えられます。

ただしその分、サーバーやデータベースの管理が発生するので、実務ではエンジニアとの連携が必要になってきます。 「最初はFlutterFlowでプロトタイプを作る→本番のシステムはエンジニアに依頼し、一部のフロント部分だけFlutterFlowで管理する」という進め方も多いようです。

チーム全体での共有体制づくり

デザイナー、プログラマー、企画担当など、さまざまな役割の人が参加するプロジェクトでは、誰が何を作業するかを明確にしておきましょう。 FlutterFlowのUI編集画面で衝突が起きると、せっかくのローコードも混乱を生みやすくなってしまうからです。

Gitのようなバージョン管理と比べると仕組みが異なるので、タイミングを合わせて「この日はデザイナーが編集する」「この日はエンジニアがカスタムコードを追加する」というように役割分担するのもおすすめです。

公式ドキュメントのガイドにあるように、プロジェクトの複数名編集時には必ず保存やリロードを適宜行い、変更が上書きされないように注意してください。

デザインと機能のすり合わせ

実務ではUIデザインをFigmaやSketchなどで作り、FlutterFlowでそのデザインを再現することが多いです。 ただしFlutterFlowならではの制約やコンポーネントの使い方があり、完全に同じピクセル単位のデザインを再現できるわけではないことがあります。

大まかなレイアウトや色合いは再現しやすいですが、テキストの行間やアイコンの細かい位置など、ツール固有の調整方法に慣れることが必要です。 「必ずしもデザイン通りにならなくても大枠を共有できればいい」といった割り切りができるとスムーズです。

学習のステップ

FlutterFlow自体は、直感的に使える部分が多いです。 ただ、FlutterDartの基礎をかじっておくと、カスタマイズが必要になったときにスムーズに対応できます。 公式ドキュメントのチュートリアルを一度ざっと確認するだけでも、大まかな流れをつかみやすいでしょう。

FlutterFlowを使いながらDartのコードを部分的に読めるようになると、より高度なアプリを作る際に役立ちます。

初心者がつまずきがちな点

データ構造の設計

Firebaseを連携する際、データの構造をどうするかを考える必要があります。 ノーコードでUIを作るだけでも、データベースのリレーションやフィールドの命名が整理されていないと、後々複雑になりがちです。

たとえば「ユーザー情報」と「投稿」「コメント」といった形でデータを分けるなら、どのようにドキュメントを分けるのか、IDの関連付けをどうするのかといった基本設計が大切です。 ここをしっかり決めておくとアプリが大きくなっても対応しやすくなります。

アプリのビルドとデプロイ

FlutterFlowはWeb上でアプリをプレビューできますが、実際にモバイルアプリとして配信するときにはビルドが必要になります。 iOSならXcode、AndroidならAndroid Studioのセットアップをある程度理解しておかないと、アプリの公開作業に手間取るかもしれません。

FlutterFlowの画面からビルドをトリガーする機能はありますが、Apple Developer Programへの登録やGoogle Play Consoleの操作など、基本的なリリース手順を把握することも忘れないようにしましょう。

まとめ

ここまでFlutterFlowの特徴や使い方、実務での活用シーンなどを整理しました。 ノーコード/ローコードツールの中でもFlutterのメリットを活かした開発が可能であり、UIデザインからデータ連携まで一貫して行える点が注目を集めています。

初心者のみなさんでも、クラウドサービスとの連携や簡単な画面遷移であれば視覚的に設定できるでしょう。 より高度な機能を組み込みたい場合はCustom Widgetを使い、Dartのコードを少しずつ読み書きすることでアプリを拡張できます。

ローコードツールとはいえ、開発プロセスやデータ構造の基本設計を考えることは大切です。 最初はプロトタイプやMVP開発で使い始め、ニーズや規模に応じてエンジニアと連携していく流れがおすすめです。

FlutterFlowは公式ドキュメントも充実しているので、まずはチュートリアルを眺めて基本的な手順を試してみると良いですね。 みなさんもぜひ、FlutterFlowの環境を利用して、アイデアをすぐ形にしてみてはいかがでしょうか。

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