【PHP】配列に要素を追加する方法を初心者向けに解説

はじめに

PHPはサーバーサイドの開発で広く使われる言語で、ウェブアプリケーションや各種システム構築などで活用されています。

その中で、配列はデータをまとめて扱うための基本的かつ重要な仕組みです。

たとえばユーザー情報や商品リストなどを取り扱う場合には、配列にデータをどんどん追加していくシーンが頻繁に登場します。

この記事では、PHPの配列に要素を追加する方法を、初心者の皆さん向けにわかりやすく紹介していきます。

実際の現場で使われることをイメージしながら、複数のテクニックや注意点を押さえてみましょう。

この記事を読むとわかること

  • PHPにおける配列の特徴と基本的な使い方
  • 要素を追加する代表的な手段(array_push[]など)
  • 配列結合などを利用した複数の配列の取り扱い
  • 実務において配列追加が役立つ具体例
  • 配列を使いこなすためのポイント

ここから順番に見ていくことで、配列への要素追加がどのように役立つかを理解できるでしょう。

PHPの配列の特徴

PHPの配列は汎用性が高く、連想配列数値添字配列を同じ型で扱える点が大きな特徴です。

同じ配列の中に文字列や数値、連想配列の要素などを混在させることもできます。

加えて、配列のサイズを意識せずに要素を追加していけるので、大量のデータを柔軟に扱いやすいといえるでしょう。

一方で、初心者の皆さんには「連想配列のキーが重複すると上書きされる」「数値添字配列の要素が連続番号にならないことがある」といった点が最初はわかりにくいかもしれません。

これらの特性をきちんと把握してから使いこなすと、スクリプトを書くときの戸惑いが減るはずです。

PHPで配列に要素を追加する方法

配列に要素を加える方法はいくつか存在します。

ここでは、初心者にとってわかりやすいものを中心に順番に見ていきましょう。

特定のメソッドを使うケース、演算子を使うケースなど、いろいろな書き方がありますので、どれが適しているか判断できるようになると便利です。

array_pushを使う

array_pushはよく使われるメソッドの一つです。

指定した配列に対して、引数で与えた要素を末尾に追加します。

複数の要素を一度に追加する場合にも便利です。

<?php
$fruits = ["apple", "banana"];
array_push($fruits, "orange");

print_r($fruits);
// 出力結果: Array ( [0] => apple [1] => banana [2] => orange )
?>

さらに、複数要素をまとめて追加することも可能です。

<?php
$fruits = ["apple", "banana"];
array_push($fruits, "grape", "melon");

print_r($fruits);
// 出力結果: Array ( [0] => apple [1] => banana [2] => grape [3] => melon )
?>

メリットとしては、複数要素を一度に追加できる点が挙げられます。

ただし、実装量が少ないスクリプトの場合はこのメソッドを呼ぶより、後述する[]を使ったシンプルな記法のほうが読みやすいという考えもあるでしょう。

[]を使う

PHPでは、配列名に角括弧([])をつけて要素を追加する記法もよく使われます。

先頭から順に数値インデックスが振られる数値添字配列の場合は、次のように書けます。

<?php
$colors = ["red", "blue"];
$colors[] = "green";

print_r($colors);
// 出力結果: Array ( [0] => red [1] => blue [2] => green )
?>

シンプルでわかりやすく、コード量も少ないので、初心者が最初に覚える方法としてもおすすめです。

なお、$colors["yellow"] = "YELLOW"のように書いてしまうと、連想配列として扱われるため数値添字配列ではなくなります。

混在しても構文エラーにはなりませんが、データ構造が意図と異なると管理が難しくなるので、扱いには注意してください。

array_mergeを使う

すでに存在する別の配列を「結合」する場合に役立つのがarray_mergeです。

数値添字配列同士を結合すると、キーを再割り振りして連続番号を振り直してから一つの配列にしてくれます。

<?php
$animals1 = ["dog", "cat"];
$animals2 = ["lion", "tiger"];

// array_mergeで結合
$merged = array_merge($animals1, $animals2);

print_r($merged);
// 出力結果: Array ( [0] => dog [1] => cat [2] => lion [3] => tiger )
?>

この例では、新しい配列$mergedを作成してから、そこに$animals1$animals2を合体させています。

一方で、連想配列のキーが重複する場合には、後から渡した配列の要素で上書きされる点に注意してください。

それが意図した挙動なのかどうかを理解して使うとトラブルを防ぎやすいでしょう。

array_merge_recursive

array_merge_recursiveは多次元配列の要素を再帰的にマージする関数です。

同じキーを持つ連想配列を結合するとき、キーが重複すると配列としてまとめてくれます。

<?php
$userA = [
  "name" => "John",
  "hobbies" => ["music" => "guitar"]
];

$userB = [
  "name" => "John",
  "hobbies" => ["music" => "piano"]
];

$mergedUser = array_merge_recursive($userA, $userB);
print_r($mergedUser);
// 出力結果:
// Array (
//   [name] => Array ( [0] => John [1] => John )
//   [hobbies] => Array ( [music] => Array ( [0] => guitar [1] => piano ) )
// )
?>

上書きではなく、配列として両方の情報を保持する動きをするため、一方のデータを消したくない場合には非常に便利です。

ただし、出力結果のように意図せず深い階層の配列ができあがると、取り回しが面倒になることがあるので注意しましょう。

配列の和演算子(+)

PHPでは、配列同士に対して「+」演算子を使う方法も存在します。

この演算子による結合は、連想配列のキーが重複した場合に「最初に定義された要素を優先し、後から渡した要素は無視する」仕様です。

<?php
$arrayA = ["color" => "red", "size" => "M"];
$arrayB = ["size" => "L", "price" => 2000];

$result = $arrayA + $arrayB;
print_r($result);
// 出力結果: Array ( [color] => red [size] => M [price] => 2000 )
?>

sizeキーはarrayAにある「M」がそのまま残り、arrayBsizeは無視されます。

これはarray_mergeとは異なる動作なので、合体する際のロジックが合っているかどうかを慎重に確認してから使うようにしましょう。

実務で役立つシーン

配列への要素追加や配列結合は、単にサンプルコードで見るだけではピンとこないかもしれません。

そこで、具体的な場面を想定しながら、どう活用できるかを考えてみましょう。

データの一括処理

在庫管理システムや商品の一括登録などを行うとき、カテゴリごとにデータを細かくまとめた配列をひとつに集約するケースがあります。

たとえば食品と雑貨で管理していた配列を、最終的に一つにまとめてレポートを作成するなら、array_mergeなどで合体させる方法が考えられます。

このとき、連想配列のキーが重複する可能性がある場合は、あらかじめ上書きされるかどうかを考慮する必要があります。

業務で使うデータは思わぬ重複が生じることもあるので、慎重に検討しましょう。

フォーム入力値の収集

複数のフォーム入力欄を扱うとき、入力内容を1つの配列にまとめるシーンがあります。

たとえばチェックボックスや複数のテキスト入力をまとめて処理したいとき、$_POST$_GETに格納された情報を自分の配列に順番に追加していくと便利です。

<?php
$userInputs = [];
// 例: フォーム送信後、POSTパラメータから値を取得する
$userInputs[] = $_POST["username"];
$userInputs[] = $_POST["email"];

// 後は連想配列にすることも可能
$userInputs["comment"] = $_POST["comment"];
?>

このように集めた配列をもとに、バリデーションやエラーチェックを行ったり、データベースに登録したりできます。

複数の要素を簡単に扱えるため、配列追加の知識があると実装がスムーズになるでしょう。

ユーザー情報の追加管理

会員制サイトやSNSのような場面では、登録されたユーザーの情報を1件ずつ配列に追加して管理することがあります。

たとえば新規ユーザー登録時に、ユーザーデータをまとめた連想配列を既存のユーザーリストにどんどん加えていくケースです。

<?php
$users = [
  ["id" => 1, "name" => "Alice"],
  ["id" => 2, "name" => "Bob"]
];

$newUser = ["id" => 3, "name" => "Charlie"];
$users[] = $newUser;

print_r($users);
// 出力結果:
// Array (
//   [0] => Array ( [id] => 1 [name] => Alice )
//   [1] => Array ( [id] => 2 [name] => Bob )
//   [2] => Array ( [id] => 3 [name] => Charlie )
// )
?>

こうして配列を扱うなら、新しいユーザーの登録や削除がしやすくなります。

一方でユーザーデータが増えすぎるとメモリの使用量が多くなるため、データベースなどと連携させながら運用することが一般的です。

配列に要素を追加する操作は簡単ですが、大量データを扱う場合は、データベースとの連携やファイルへの分割保存なども検討したほうが安全です。

まとめ

PHPの配列に要素を追加する方法は、array_push[]を使うシンプルな手法から、多数の配列を統合するarray_mergearray_merge_recursiveまで幅広く用意されています。

どの手段が最適かは、配列の構造やデータ数、重複キーの扱い方などによって変わってきます。

実務では、ユーザーデータやフォーム入力値の収集、商品リストの結合など、配列追加の知識が役立つシーンがたくさんあるでしょう。

皆さんも今回紹介した方法を試してみて、用途に応じて最適な書き方を選べるようになると便利です。

配列はPHPの開発を進めるうえで欠かせない仕組みなので、ぜひこの機会に理解を深めてみてください。

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