【Python】基本構文を初心者向けにわかりやすく解説
はじめに
Pythonはシンプルな文法と豊富なライブラリを兼ね備えたプログラミング言語です。
機械学習やウェブアプリケーション開発、自動化スクリプトなど幅広い領域で利用されています。
しかし、いざコードを書こうとすると「変数の宣言ってどうするの?」「条件分岐はどのように書くの?」といった疑問が浮かぶかもしれません。
ここでは、そんな初学者の皆さんがつまずきやすいPythonの基本構文を中心に、実務でも活かせる形で解説していきます。
記事を読み終える頃には、Pythonで最初の一歩を踏み出しやすい知識をしっかり理解できるはずです。
ぜひ気軽に読み進めてみてください。
この記事を読むとわかること
- Pythonにおける変数や型の考え方
- 条件分岐や繰り返し処理の書き方
- 関数定義と呼び出しの基本的な方法
- コメントの活用によるコードの可読性向上
Pythonの基本構文とは
Pythonの基本構文は、他のプログラミング言語と比べてシンプルです。
特に、大カッコや波カッコを使わずにインデント(字下げ)によってブロックを表現する点が特徴的でしょう。
一般的なプログラミング言語では、{}
を使って処理の範囲を示すことが多いかもしれません。
しかし、Pythonの場合はコードの先頭に空白を入れることで「ここからここまでが同じブロック」と理解させることになっています。
このルールのおかげで、コードが視覚的に整理されやすくなるメリットがあります。
また、Pythonではセミコロン;
を行末に書く必要はありません。
改行がそのまま文の終わりとして認識されるため、コードの見た目がすっきりします。
一方で、インデントを間違えるとエラーになるため、常に同じスペース数を使い続ける習慣を身につけることが大切です。
実務でPythonのスクリプトを組むときには、チーム内でインデントの幅を統一することが多いです。
例えば、半角スペース4つを1インデントとして扱うケースが多いので、コードエディタの設定を合わせておくとミスを減らしやすくなります。
実務で複数人が同じファイルを編集するときには、こういったルールの統一が意外と重要です。
Pythonにおける変数と型
Pythonにはデータの型が存在します。
数値、文字列、真偽値など、異なる性質を持つ値を扱うときには、それぞれに合った型を使って変数を扱うことが基本になります。
変数の宣言と割り当て
他の言語のように型を明示する必要はなく、=
演算子を使って割り当てるだけで変数が生成されます。
例えば、次のように書けます。
# 数値型の変数 x = 10 # 文字列型の変数 message = "Hello, Python!" # 真偽値の変数 is_active = True
ここで、x
には整数10
が、message
には文字列Hello, Python!
が割り当てられています。
Pythonは割り当てられたデータから、自動的に型を判断してくれます。
type()関数で型を確認する
変数の型を確認したいときは、type()
を使います。
例えば、次のように書くとそれぞれの型が返されます。
print(type(x)) # <class 'int'> print(type(message)) # <class 'str'> print(type(is_active))# <class 'bool'>
初心者の方は、開発の最初のうちはtype()
を活用して、どの変数がどの型なのかを確認する癖をつけるとよいでしょう。
実務でも、処理の途中で予想と違う型のデータが混ざってバグの原因になることがあります。
そのため、型をこまめにチェックするのはトラブルを防ぐうえでも有用です。
型の違いによってできる処理や使えるメソッドが変わります。意図しない型変換が発生しないように注意しましょう。
条件分岐(if文)の書き方
Pythonで条件分岐を行うには、if
、elif
、else
といったキーワードを使います。
状況に応じた処理を振り分けることで、ビジネスロジックを実装することができます。
シンプルなif文
例えば、数値の判定を行うコードは以下のように書きます。
x = 10 if x > 0: print("xは0より大きい値です")
ここでは、if x > 0:
という条件が真の場合、続くインデント部分が実行されます。
:
の直後に改行し、インデントを入れた行が「条件が真の場合の処理ブロック」です。
実務では「在庫数が一定より多い場合にメール通知する」など、さまざまな判定ロジックを組む場面で活用します。
elifとelseの使い方
複数の条件を扱うときはelif
を使い、一括りで処理します。
どの条件にも当てはまらない場合はelse
のブロックが実行されます。
score = 75 if score >= 90: print("評価:高") elif score >= 60: print("評価:中") else: print("評価:低")
このように、値の範囲によって処理を分けられるのがif
文の大きなポイントです。
実務でアプリケーションを作るときには、ユーザーの入力内容によって別の処理を行ったり、設定ファイルの内容に応じて動作を切り替えたりするケースが頻繁にあります。
条件分岐を自在に使えるようになると、プログラムのロジックがより柔軟になります。
繰り返し処理(for文・while文)の書き方
繰り返し処理は、何度も同じ操作を行う場合に使われます。
Pythonにはfor
文とwhile
文があり、状況に応じて使い分けます。
for文の基本形
for
文ではリストや文字列などの要素を順番に取り出しながら、処理を繰り返すことができます。
fruits = ["apple", "banana", "orange"] for fruit in fruits: print(fruit)
このコードを実行すると、リストの中にあるapple
、banana
、orange
が順番に表示されます。
実務では「大量のデータを1件ずつ処理し、結果をまとめる」場面で活躍します。
たとえば、売上データをまとめるスクリプトや、ファイル一覧を取得して処理するプログラムなどでfor
文を頻繁に使うことがあります。
while文の基本形
while
文は、条件式が真である間、処理を繰り返します。
カウンター変数を自分で制御するときなどに便利です。
count = 0 while count < 5: print("Count:", count) count += 1
count
が5
になるまで「Count: 0」「Count: 1」のように表示され、条件が満たされなくなるとループを抜けます。
実務上では「外部APIが特定の状態になるまで待機し、その状態になったら処理を進める」といったシナリオで活用することがあります。
ただし、条件を満たさずに永久ループになることがあるため、注意して実装する必要があります。
関数定義と呼び出し(def文)
一定のまとまりを持つ処理を何度も呼び出す場合は、関数としてまとめると便利です。
Pythonではdef
キーワードを使って関数を定義し、定義した関数を呼び出すことで同じ処理を繰り返し実行できます。
関数定義の基本形
次の例では、2つの数値を受け取って合計を返す関数を定義しています。
def add_numbers(a, b): result = a + b return result sum_value = add_numbers(10, 20) print(sum_value) # 30が表示される
上記のように定義すれば、add_numbers(10, 20)
のように何度でも呼び出せます。
複数の箇所で同じ処理を行う場合に関数を活用すると、コードの重複を避けることが可能です。
実務であれば、データベースから取得した値の検証や、ユーザー入力を整理して出力するなど、一連の手順を関数にまとめることが多いです。
プログラムの可読性やメンテナンス性を高めるうえでも、関数化の考え方は重要です。
引数と戻り値の活用
Pythonの関数は柔軟に引数を扱うことができます。
特に、キーワード引数やデフォルト引数などが用意されており、複雑なパターンでもスッキリと書ける点が魅力です。
また、戻り値を複数返すこともできるので、色々な情報を一度に返却して処理を効率化することもできます。
実務では、いくつかの値を同時に返したい場合にタプルを使うことが多いです。
関数を呼び出す側でも、複数の変数に同時に代入できるため、コードが分かりやすくなるでしょう。
コメントの書き方
コードにコメントを入れることで、自分や他の開発者が後から見返したときに内容を理解しやすくなります。
Pythonでは、行頭に#
を置くと、その行はコメントとして扱われます。
# これはコメントです x = 10 # 変数xに数値10を代入
また、複数行の説明をしたいときには、ダブルクォート3つ ("""
) で囲んだ部分をコメントとして使うこともあります。
ただし、これは関数の説明文(ドキュメンテーション文字列)としても使われる形式なので、使い分けを意識するとよいでしょう。
実務では、他の人に伝わりやすいコメントを意識して書くのが大切です。
「何をしているのか」ではなく「なぜそうしているのか」という理由を書くと、後からコードを見返した人が安心してメンテナンスしやすくなります。
コードは自分だけでなく、他の人も読む可能性があります。コメントを書いておくと、プロジェクト全体の保守がやりやすくなります。
まとめ
ここまで、Pythonの基本構文について順番に紹介してきました。
変数の宣言や型の扱い方、条件分岐や繰り返し処理、関数の定義とコメントの活用など、どれもよく使う機能ばかりです。
特に初心者の方は、インデントや型の扱いに最初は戸惑うかもしれませんが、サンプルコードを動かしながら少しずつ理解を深めていくのがおすすめです。
ここで紹介した構文をしっかり押さえておけば、日常的な業務や個人プロジェクトでも役立つシンプルなスクリプトを作りやすくなります。
次のステップとしては、今回学んだ基本構文を使って簡単なアプリケーションやツールを作ってみると理解が深まるでしょう。
Pythonは実行までのハードルが低く、どんな規模でも試していきやすい言語です。
ぜひ、Pythonの魅力を存分に活かして開発を楽しんでみてください。