Pythonのインストール確認方法を初心者向けにわかりやすく解説
はじめに
Pythonは多くの領域で利用されているプログラミング言語です。
データ分析や自動化スクリプト、Webアプリケーション開発などさまざまな現場で活躍しており、初めて学ぶ言語としても人気があります。
しかし、いざPythonを使おうと思っても、実際にインストールできているかどうかや、正しく動作するかどうかを確認できずに戸惑う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Python インストール 確認の手順をわかりやすく解説していきます。
Windows、Mac、LinuxといったOSごとの違いにも触れつつ、実務に直結する形で解説をしますので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読むとわかること
- Pythonのインストール状況を確かめる基本的なコマンドと手順
- Windows、Mac、LinuxなどOS別の具体的な確認方法
- 環境変数（PATH）の設定が必要な理由と、よくあるトラブル解決策
- pipや仮想環境など、追加で確認しておくと便利なコマンド類
- 実務でPythonを活用する具体的なシーン
Python インストール 確認 の重要性
Pythonがインストールされているかどうかを知るメリット
Pythonを学び始めるときや、実際の業務で新しいスクリプトを作成するときなど、そもそも手元の環境にPythonがインストールされているかが大きなポイントとなります。
インストールされていなければ、コードを実行できず、何も始まらないでしょう。
確認せずにコードを書き進めてしまうと、後から「Pythonがそもそも実行できない…」というトラブルに遭遇しがちです。
どのように自分の環境にPythonがインストールされているのか、そして複数のバージョンが混在していないかどうかを把握することは非常に大切です。
また、プロジェクトによっては特定のPythonバージョンを利用する必要があるケースもあります。
そのため、手元の環境が求められるバージョンと一致しているかは、開発開始前に必ず確認したほうがよいでしょう。
Pythonの実務利用シーンとの関係
Pythonは業務でも幅広く使われます。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。
- ログから特定の情報を抽出し、自動的に集計する
- 定型的な手作業をスクリプトで自動化し、作業時間を減らす
- データ分析や機械学習の実験をするときにPythonを使う
- 簡易的なウェブサイトを構築し、情報を配信する
これらを行う際、Pythonが正しくインストールされているかどうかは最初の一歩です。
「いざスクリプトを書いたのに動かない」という時間のロスをなくすためにも、インストール確認は必須の工程といえるでしょう。
Pythonをインストールする前に知っておきたいこと
複数バージョンの混在を避けるコツ
Pythonは大まかに3系（Python 3と呼ばれます）を中心として使われていますが、開発や学習の現場によっては複数のPythonバージョンを同時に管理するケースもあります。
しかし、初心者の方が最初から複数バージョンを同時に使い分けると混乱しがちです。
よって、最初のうちは以下の点を意識するとわかりやすいかもしれません。
- 基本となるPythonのバージョンを1つ決める
- 必要に応じて仮想環境を作成し、そこで追加のバージョンやライブラリを使う
こうすることで、システム全体に影響を与えずにプロジェクトごとのバージョン管理がしやすくなります。
公式ページなどでダウンロード
Pythonの入手元としては、公式サイトからダウンロードする方法や、OSに付属のパッケージ管理システムで導入する方法などがあります。
たとえばWindowsでは、公式サイトからインストーラを取得するのがシンプルな方法のひとつです。
Linuxであればパッケージ管理コマンド（例：aptやyumなど）を使うこともよくあります。
ただ、どのOSでもインストール後の確認作業はほぼ同じです。
記事の後半で、OS別に具体的な確認手順を見ていきましょう。
WindowsでのPython インストール 確認方法
WindowsではコマンドプロンプトやPowerShellを使って確認するのが一般的です。
Pythonのパスが設定されていないと、コマンドを実行しても「認識されていないコマンド」などというエラーが表示される場合があります。
そこで、まずはどのようにコマンドを使うかを見ていきましょう。
コマンドプロンプトでの確認
Windowsキーを押して「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを起動してください。
そこで、以下のコマンドを実行します。
python --version
成功すると、Pythonのバージョン番号が表示されます。
例としては Python 3.10.5 のような文字列が出力される場合があります。
もしも「pythonは内部コマンドまたは外部コマンドとして…」などと表示される場合は、パス設定ができていないか、そもそもPythonがインストールされていない可能性があります。
以下のコマンドでも同様にバージョンを確認できます。
py --version
py コマンドはWindows版Pythonインストーラを使用したときに付属しているランチャーです。
こちらが使える場合は、より簡単にバージョン管理ができることもあります。
PowerShellでの確認
Windows 10以降ではPowerShellも標準的に利用できます。
PowerShellを起動してから、以下のコマンドを実行するとよいでしょう。
python --version
同じようにPythonのバージョンが表示されればインストール成功です。
PowerShellで「コマンドが見つかりません」といったエラーが出る場合も、パス設定やインストール状況を見直す必要があります。
PATH設定のポイント
WindowsインストーラでPythonを導入する際、途中の画面で「Add Python to PATH」のようなチェックボックスをオンにしていないと、PATHが通らない場合があります。
PATHを通すとは、Pythonを起動するための実行ファイルの場所を、OSに教えておくことを指します。
これができていないと、python コマンドを打っても認識されないという問題が起きるでしょう。
もしインストール済みでPATHが設定されていない場合は、システムの環境変数にPythonのインストール先を追加する方法があります。
ただし、初心者の方には少しわかりにくい内容かもしれません。
そのため、インストール時にPATHを通すオプションを選択するほうが簡単です。
MacでのPython インストール 確認方法
Macには、初期状態でPythonがプリインストールされているケースがあります。
ただし、そのバージョンが開発や学習に使いたいバージョンと異なる場合があるため、念のため確認手順をしっかり理解しておきましょう。
ターミナルの基本的な使い方
Macでは「ターミナル」というアプリケーションを使ってコマンドを入力できます。
Launchpadからターミナルを検索し、起動してみてください。
黒い画面が立ち上がったら、そこにコマンドを打ち込めるようになっています。
Pythonがすでにインストールされているかどうか確かめるには、以下のコマンドをターミナルに入力してみます。
python3 --version
表示されるバージョン情報が、利用予定のPythonのバージョンかどうかを確認してみましょう。
もしコマンドが見つからない場合は、Pythonがインストールされていないか、パスが通っていない可能性があります。
バージョン情報の見方
python3 --version で表示されるのは、通常は「Python 3.x.x」といった文字列です。
Macの環境によっては、古いバージョンのPythonが入っているかもしれません。
ただし、利用したいPythonが別にあるなら、インストールし直してパスを更新する必要があります。
また、which python3 コマンドを試すと、今使われているPython 3の実行ファイルがどこにあるかを調べられます。
この情報は実務でも役立ちます。
特定のディレクトリを指定してツールを動かすときに、正しいPythonを使っているかを判断できるからです。
Mac特有のPython環境に関する注意点
Macにはシステムの動作に関連してPythonがインストールされている場合があります。
そのため、これを削除したり上書きしたりすると、システム全体に影響を与えるケースがあります。
できれば、自分が開発で利用するPythonは、別途公式サイトなどでインストールし、仮想環境を活用して管理することが多いです。
いずれにしても、python3 --version で正しいバージョンが表示されるようになっていれば、基本的には問題ないでしょう。
LinuxでのPython インストール 確認方法
Linux環境ではPythonが標準でインストールされていることが多いですが、ディストリビューションによって搭載されているバージョンが異なる場合があります。
ディストリビューション別の差異
UbuntuやDebian系であれば apt コマンド、FedoraやCentOS系であれば dnf や yum コマンドを使ってPythonをインストールできることが多いです。
バージョンを指定してインストールする場合もあるため、実際に作業するときは自分のLinuxディストリビューションのパッケージ管理ツールに合わせて調べる必要があります。
コマンド例
インストール状況を確認するなら、まずは以下のコマンドをターミナルで実行してみましょう。
python3 --version
多くの場合、Python 3.x.x と表示されればインストール済みです。
もし表示されない場合は、パッケージ管理コマンドでPythonをインストールしてみるのが最初のステップでしょう。
例えばUbuntu系の環境であれば、以下のようにインストールコマンドを打つケースがあります。
sudo apt update sudo apt install python3
ただ、インストールコマンド自体は本記事では詳細に触れません。
確認という観点では、python3 --version を実行してバージョン番号が表示されればOKです。
Python インストール 確認に役立つ追加コマンド
pipのバージョン確認
Pythonでライブラリを導入するときに欠かせないのが pip です。
Pythonインストール後、pipが正しく使えるかどうかをチェックするのも重要です。
pipが使えなければ、外部ライブラリをインストールする手段がなく、実務での活用が難しくなる場面がよくあります。
下記のようにバージョンを確認できます。
pip --version
もしくは、複数バージョンのPythonがある環境では pip3 --version と入力してみるとよいでしょう。
バージョン情報とともに、どのPythonに紐付いているpipなのかのディレクトリが表示されることもあります。
pipでライブラリをインストールする場合は、たとえば以下のようにコマンドを実行します。
pip install requests
このようなコマンドがエラーなく動作するかどうかも、Python環境が問題ないかの目安になるでしょう。
which, whereコマンドなど
Pythonの実行ファイルやpipの場所を確認するには、OSに応じて以下のコマンドが利用できます。
- Windows:
where pythonやwhere pip - Mac/Linux:
which python3やwhich pip3
これによって、Pythonやpipがどこのディレクトリに格納されているかを知ることができます。
同時に、複数バージョンのPythonがインストールされている場合に、どれが現在の実行コマンドとして使われているかを調べることもできます。
仮想環境の利用シーン
プロジェクトごとに異なるライブラリやバージョンを使いたい場合は、仮想環境を作るのが便利です。
Pythonでは、venv や virtualenv などがよく使われます。
一例としては、以下のような操作があります。
python3 -m venv myenv source myenv/bin/activate
これで「myenv」というディレクトリ下に仮想環境が作成され、source myenv/bin/activate を実行すると仮想環境に切り替わります。
この環境内では、独立してライブラリをインストールできるので、システム全体に影響を与えません。
仮想環境でも python --version や pip --version を実行することで、正しく設定されているか確認可能です。
よくあるトラブルシューティング
コマンドが認識されない場合
最も多いケースは「python や pip などのコマンドが見つからない」というものです。
これはPATHにPythonが含まれていないときに起こります。
Windowsの場合は、インストール時に「PATHを通す」オプションを選んでいなかったり、後から環境変数を手動で設定する必要があったりする点に注意してください。
MacやLinuxでも、特に複数バージョンが入っていると、どのPythonを呼び出しているのかが不明瞭になることがあります。
which python3 や echo $PATH などを使って、パスの状況を調査してみてください。
PATHの再設定が必要なケース
Pythonを一度は使えていたものの、後から何かしらのソフトウェアをインストールしたり、設定ファイルを編集したりした結果、Pythonコマンドが反応しなくなることがあります。
そうした場合は、OSの環境変数設定を改めて確認しましょう。
Windowsなら「システムのプロパティ」→「環境変数」あたりからパスの設定を再確認してみると解決の糸口となるかもしれません。
複数のプロジェクトで異なるPython環境が必要なときに、PATHの設定を手動で切り替えるとトラブルの原因になりがちです。
仮想環境を活用するなどの方法で、余計な衝突を避ける工夫をしてみるとよいでしょう。
バージョンが想定と異なる場合
「python --version で見てみたら、思っていたバージョンと違った」というケースもよくあります。
例えばMacにはもともとPythonが入っていることがあるため、新しくインストールしたPythonが呼び出されていないケースが考えられます。
そんなときは、フルパス指定（例：/usr/local/bin/python3 --version）などでどのファイルを呼び出しているのか確認してみましょう。
Windowsの場合は where python を使うと、Python実行ファイルの候補が一覧表示されるので便利です。
Python インストール 確認後の実務での活用例
簡単なスクリプトの作成
Pythonがインストールされ、確認も終わったら、まずは簡単なスクリプトから試してみるとよいでしょう。
たとえば、hello.py というファイルを作成して、以下のコードを記述します。
print("Hello, Python!")
コマンドラインでこのファイルを実行します。
python hello.py
すると、ターミナルやコマンドプロンプトに Hello, Python! と表示されるはずです。
このように簡単なスクリプトを動かすだけでも、Pythonが使える環境が整っているかどうかを改めて確かめることができます。
データ分析ツールを使う場合
Pythonをデータ分析や機械学習に利用するのであれば、numpy や pandas、matplotlib といったライブラリを使うことが多いです。
これらのライブラリはpipを使ってインストールします。
pip install numpy pandas matplotlib
インストール後、Pythonを立ち上げて import numpy といった形でエラーが出なければ、問題なくライブラリが呼び出せるということです。
実務で大量のデータを処理するときには、依存関係が複雑になることもあるため、仮想環境で管理するほうが安全です。
自動化タスクでの利用
ファイル操作やAPI連携など、手動で行うと手間のかかる作業を自動化するのもPythonの得意分野です。
例えば、複数のExcelファイルをまとめて処理するとき、Pythonスクリプトを定期的に実行することで作業効率を大きく向上させられます。
実務での自動化では、Pythonがインストールされていること、そして適切なライブラリが導入されていることがとても重要です。
環境が整っていないと、エラーや依存関係の不備などで作業が止まってしまう可能性があります。
Python環境が正常に動いているかどうかを定期的にチェックすると、思わぬトラブルを避けやすくなります。
特に、プロジェクトの途中で別のライブラリを入れた場合や、OSのアップデートをした際には注意が必要です。
まとめ
Pythonのインストール状況を確認する手順は、どのOSでも大きく変わりません。
Windowsならコマンドプロンプト、MacやLinuxならターミナルから python --version や python3 --version を実行し、正しくバージョンが表示されることをまず確認しましょう。
そして、pipの動作や仮想環境の準備も合わせて確認すると、実務で快適にPythonを使うことができます。
特に初心者の皆さんは、最初にPythonコマンドが実行できるかどうかという基本をしっかり押さえるだけでも、のちのち大きな混乱を防げるはずです。
プロジェクト単位でバージョンを切り替えたい場合は仮想環境の利用を検討してみるとよいでしょう。
以上のポイントを押さえることで、Pythonの学習や開発をよりスムーズに進めることができるはずです。
この記事が、皆さんがPythonを使い始める際のお役に立てば幸いです。