【Python】メソッドの一覧と使い方を初心者向けに解説

はじめに

Pythonはシンプルで読みやすい構文が特徴のプログラミング言語です。
豊富なライブラリやフレームワークがそろっていて、多くの場面で活用されています。

しかし、初心者の皆さんにとっては「どんなメソッドを使えばいいのか」が悩みどころではないでしょうか。
実際にPythonで書き始めると、リストの要素を追加したり、文字列を分割したり、辞書の値を取得したりとさまざまな処理が必要になります。

そこで本記事では、Python メソッド 一覧を意識して、代表的なメソッドをわかりやすくまとめてみました。
文字列・リスト・辞書・集合といった基本的なデータ型に加えて、ファイル操作や実務での活用シーンについても触れます。

初心者の方でも理解しやすいように丁寧に解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事を読むとわかること

  • Pythonのメソッドの基本的な仕組み
  • 代表的なデータ型(文字列、リスト、辞書、集合)でよく使われるメソッド
  • ファイル操作を行うメソッドの概要
  • メソッドを実務で活かすための考え方
  • Pythonを使った開発の最初の一歩を踏み出すための土台

Pythonのメソッドとは

Pythonにおいて、メソッドはある特定のデータ型やクラスに紐付いた機能のことを指します。
たとえば、文字列型の変数がもつメソッドは文字列に関する操作ができますし、リスト型の変数がもつメソッドはリスト要素の取得や追加などに使われます。

関数とメソッドは似ていますが、メソッドは「対象が決まっている関数」と捉えるとイメージしやすいでしょう。
文字列操作のメソッドなら文字列型、リスト操作のメソッドならリスト型のインスタンスから呼び出す形になります。

メソッドの呼び出し方

Pythonでは、 インスタンス名.メソッド名 (引数) という構文で呼び出します。
たとえば、文字列変数 text のメソッドである upper() を呼び出すなら、以下のように書きます。

text = "hello"
result = text.upper()
# resultは"HELLO"になります

このように、特定のデータ型やクラスがもつ機能を活用することで、プログラムの可読性を保ちながら効率よく実装できます。

代表的なメソッド一覧

ここからは、Python メソッド 一覧として覚えておくと便利なものを中心に紹介します。
実務でよく使われるデータ型をメインに取り上げますので、皆さんが日々の開発や学習で参考にしていただければ幸いです。

文字列操作に関するメソッド

Pythonでは、文字列操作のためにいろいろなメソッドが用意されています。
実務でも文字列の分割や検索はよく行われますので、以下のメソッドは最低限押さえておくと役立ちます。

split()

文字列を指定の区切り文字で分割します。
たとえば text.split(",") のように呼び出すと、カンマで分割したリストが得られます。

join()

リストの要素を指定した区切り文字で結合して、ひとつの文字列にします。
例: ",".join(["apple", "banana"])"apple,banana"

replace()

文字列中の特定の文字列を別の文字列に置き換えます。
例: text.replace("hello", "hi")

strip()

文字列の先頭や末尾にある余計な空白などを取り除きます。
前後に空白が入っているかもしれない入力を扱うときに便利です。

文字列操作のサンプルコード

以下の例では、ユーザーからの入力文字列に余計な空白が含まれている想定で、複数の操作をまとめて利用しています。

user_input = "   hello,python,world   "
# strip()で余計な空白を削除
cleaned = user_input.strip()
# split()でカンマ区切りのリストに変換
split_list = cleaned.split(",")
# join()でアンダースコア区切りの文字列に再度結合
result = "_".join(split_list)
print(result)  # 出力: hello_python_world

空白の処理や分割、結合などが連続して発生するケースは実務でもよくあるため、これらのメソッドは覚えておくと安心です。

リストに関するメソッド

リストは順序付きのコレクションとして非常に使われます。
要素の追加や削除、並び替えなど、多彩な操作メソッドが提供されています。

append()

リストの末尾に新しい要素を追加します。

insert()

指定した位置に要素を挿入します。
例: nums.insert(1, 10) で、リスト nums のインデックス1に 10 を挿入。

remove()

リストの中で最初に見つかった特定の値を削除します。

sort()

リストの要素を昇順で並び替えます(元のリストを変更します)。
降順にしたい場合は引数で reverse=True を指定します。

pop()

指定したインデックスの要素を取り出して削除します。
何も指定しない場合は末尾の要素が返されます。

リストは同じデータ型だけでなく、混合したデータ型を含めることもできます。
ただし、実務上は統一した型で扱うほうがバグを防ぎやすいといえます。

辞書に関するメソッド

辞書はキーと値のペアでデータを保持します。
実務ではJSON形式のデータを扱うときに類似の構造をよく見るため、辞書の取り扱いはとても重要です。

keys()

辞書に含まれるキーを取得します。

values()

辞書に含まれる値を取得します。

items()

(キー, 値) タプルの形で取得できます。
ループで取り出すときに便利です。

get()

指定したキーの値を取得します。
キーが存在しないときでもエラーにならずに None が返ってきます。

update()

辞書同士を結合します。
重複するキーがあると上書きされる点に注意してください。

辞書のサンプルコード

person = {
    "name": "Alice",
    "age": 25,
    "city": "Tokyo"
}

print(person.keys())   # dict_keys(['name', 'age', 'city'])
print(person.values()) # dict_values(['Alice', 25, 'Tokyo'])

# 安全に値を取り出す
name_value = person.get("name")
not_exist = person.get("hobby")  # キーが存在しないためNoneが返る

# 別の辞書を合体
extra_info = {"hobby": "reading"}
person.update(extra_info)
print(person) # {'name': 'Alice', 'age': 25, 'city': 'Tokyo', 'hobby': 'reading'}

このように、辞書は見通しがよく、キー名で値を取り出せるので、データ構造を明確に保ちやすいです。

集合に関するメソッド

集合(set)は重複しない値を集めて管理するためのデータ型です。
重複を排除したり、他の集合との演算をするときに使います。

add()

集合に新たな要素を追加します。

remove()

指定した要素を削除します。
要素が存在しない場合はエラーになる点に注意しましょう。

union() / intersection() / difference()

それぞれ、和集合・積集合・差集合を返します。

discard()

removeと似ていますが、指定した要素がない場合でもエラーを出さずに処理がスキップされます。

set_a = {1, 2, 3}
set_b = {3, 4, 5}

set_a.add(4)  
print(set_a)  # {1, 2, 3, 4}

union_set = set_a.union(set_b) 
print(union_set)  # {1, 2, 3, 4, 5}

intersection_set = set_a.intersection(set_b)
print(intersection_set)  # {3, 4}

このように、集合を使うと重複の排除や効率的な集合演算が可能です。

ファイル操作に関するメソッド

ファイル操作は実務では避けて通れません。
たとえばログを書き出したり、設定ファイルを読み込んだりする場面がよくあります。
Pythonでは、組み込み関数 open() とファイルオブジェクトのメソッドを活用することでファイル操作を行います。

read()

ファイル全体を文字列として読み込みます。

readline()

1行だけ読み込みます。

write()

ファイルに文字列を書き込みます。

close()

ファイルを閉じます。
ただし、with 構文を使えば明示的に close() を書かなくても自動でファイルがクローズされるので便利です。

# 書き込み例
with open("sample.txt", "w") as f:
    f.write("Hello Python")

# 読み込み例
with open("sample.txt", "r") as f:
    content = f.read()
    print(content)  # "Hello Python"

ファイル操作は保存場所やファイル形式にも気を配りながら進めることが大切です。

メソッドの実務での活用シーン

実務でメソッドを使うときは、「どのデータ構造を選ぶか」とセットで考えるのが鍵になります。
たとえば、リストが適している場面ではリストメソッドをどこまで使うのか、辞書を使うならキーの一貫性をどう担保するのか、といった具合に検討する必要があります。

システム開発やデータ分析であれば、大量のデータを扱うことも多いです。
その際にリストや辞書を駆使してデータを前処理し、必要な形に整えてから次の処理へ渡すケースは一般的です。

大量データを扱う場合、メソッドを使う順番や処理の回数によってパフォーマンスに差が出ることがあります。
実装時にはなるべく無駄なループを避けるなど、処理内容を整理することが大切です。

ファイル操作に関してはログ管理や定期的なバックアップを取る際に活用できます。
読み書きを繰り返すときは同じファイルを何度も開閉しないようにまとめて処理したり、ファイルの開閉漏れを防ぐために with 構文を使ったりする工夫が実務ではよく見られます。

辞書はAPIから受け取ったJSONデータをPythonオブジェクトに変換したときなどに役に立ちます。
APIレスポンスが辞書形式になったら、items() でループを回しながら必要な部分だけ抽出して再構築するといった使い方が典型的です。

まとめ

ここまで、Pythonでよく使われるメソッドの一覧を主に文字列・リスト・辞書・集合・ファイル操作に絞って紹介してきました。
それぞれのメソッドを使うときには、必ず「どのデータ型に適用するのか」を把握しておく必要があります。

  • 文字列操作のメソッドは分割や置換など、入力値の整形に重宝する
  • リストのメソッドは要素追加・削除・並び替えなど、順序を扱う場面で必須
  • 辞書はキーと値の組み合わせで、APIレスポンスや設定データの管理に適している
  • 集合は重複を排除し、集合演算が簡単にできる
  • ファイル操作のメソッドはログ保存やテキスト処理などで活躍する

いずれのメソッドも、実際に手を動かして小さなサンプルコードを書いてみると理解が深まります。
実務で必要になったときにも思い出しやすくなるため、気になるメソッドがあればぜひ試しに使ってみてください。

Pythonは柔軟な文法と豊富な標準メソッドが魅力です。
今回紹介したPython メソッド 一覧を参考にしながら、皆さんがスムーズにコードを書けるようになることを願っています。

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