【Python】音を鳴らす方法を初心者向けに解説|実務にも役立つ具体例つき

はじめに

Pythonで音を鳴らせると、ユーザーに何かを知らせる通知音や、ちょっとした効果音を簡単に実装できます。

例えば、ファイルの変換が終わったことを知らせるビープ音や、アプリケーションの操作をした際の効果音などです。

初心者の方も「少しコードを書くだけ」で実装できる方法がいくつかあるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

実務でも、ちょっとした工夫で作業効率を上げたり、アプリの利便性を向上させたりできるはずです。

この記事を読むとわかること

  • Pythonで音を鳴らすメリットと想定シーン
  • 音声再生に必要な基本的な手順
  • Windowsでビープ音を出せるライブラリの使い方
  • 音声ファイル再生で使われる代表的なライブラリの実装例
  • ゲームなどの複雑な音の再生に活用できる方法

ここで紹介する方法は、初心者の方でもコードを大幅に書き換える必要はないものが中心です。

わかりやすいサンプルを通じて、自分のアプリに組み込む感覚をつかんでもらえればと思います。

Pythonで音を鳴らすメリットと実務での活用場面

Pythonで音を鳴らすのは珍しいことではありません。
通知や合図を音で知らせるだけで、ユーザーが視覚的に画面をチェックしなくても作業状況を把握できます。

例えば、以下のような場面で活用されています。

例えばどんなシーンで使われる?

バッチ処理の合図

大量のファイルを処理して結果が出たら「ピッ」という音を鳴らすことで、待機時間を減らしたり、処理完了に気づきやすくなったりします。

GUIツールの効果音

ボタンを押したら音が鳴るなど、ユーザーの操作に対して聴覚的なフィードバックを与えるとわかりやすくなります。

学習教材やデモ用アプリ

音声ファイルを流すことで、単調な教材よりも使い勝手がよくなるシーンがあります。

このように、実務でも通知や演出のために音を使うことは少なくありません。

具体的な手順: 音を再生する基本の流れ

Pythonで音を出すためには、主に以下のステップを踏む必要があります。

1. ライブラリの選択やインストール

ビープ音のみならば標準ライブラリでもOKですが、mp3ファイルなど複数形式の音声を再生したい場合は追加インストールが必要です。

2. 音声ファイルの準備 (場合に応じて)

もしファイル再生を行うなら、再生したい音源を確保します。wav, mp3 など形式はいろいろですが、ライブラリが対応しているかを確認しましょう。

3. コードを記述して実行

どのライブラリを使うかで書き方が多少変わりますが、いずれもシンプルなサンプルコードが存在します。

それぞれのライブラリに特徴があるので、自分のアプリケーションの要件に合わせて選んでください。

ライブラリのインストール

標準ライブラリで対応できるものもあれば、追加インストールが必要な場合があります。
例えば、winsound はWindows専用の標準ライブラリなので追加インストールは不要です。

しかし、playsoundpydubpygame は別途インストールが必要になります。

playsound のインストール例

pip install playsound

pydub のインストール例

pip install pydub

pygame のインストール例

pip install pygame

再生対象ファイルの準備

ビープ音だけならファイルは不要ですが、wav などの音声ファイルを扱うなら、その音源を用意しておきます。
ファイル形式の対応はライブラリごとに異なりますので、利用時は事前に確認しておくと良いでしょう。

コードで再生処理を記述

インストールが済んだら、実際に Python ファイルやインタラクティブシェルでコードを書いてみます。

この流れを踏めば、単純な通知音くらいであればすぐに実装できます。

環境によってはライブラリのバージョンやOSの制約がある場合があります。動作に問題が出たら、まずは該当ライブラリの公式ドキュメントをチェックしてみてください。

winsoundでビープ音を鳴らす (Windows)

Windows環境で単純なビープ音を出したい場合に便利なのが、winsound です。
標準ライブラリなので、追加インストールしなくても使えます。

ビープ音の基本例

import winsound

# 周波数(Hz)
frequency = 1000
# 継続時間(ミリ秒)
duration = 500

winsound.Beep(frequency, duration)

このサンプルでは、1,000Hz の音を 0.5 秒間鳴らします。
数字を変えて試してみると、音程や長さが変わるのでおもしろいかもしれませんね。

実務で使うときの注意点

Windows限定

Linux や macOS 環境ではこのモジュール自体が利用できません。

シンプルなビープ音のみ

wavファイルを再生する機能もありますが、複雑な制御には向きません。

もし Windows ユーザーだけにツールを提供するのであれば、有力な選択肢になり得ます。
しかし多くのユーザーに配布するなら、別のライブラリを検討したほうがいいでしょう。

playsoundで音声ファイルを鳴らす

OSを問わずに、なるべくシンプルなコードで音を鳴らしたいなら playsound がおすすめです。
wav や mp3 などのファイル再生に対応しています。

シンプルにファイル再生

playsound をインストールしたあと、下記のようにコードを書きます。

from playsound import playsound

# ファイルのパスを指定
audio_file = "example.wav"
playsound(audio_file)

わずか2行で音声ファイルを再生できます。
アプリケーションの途中で呼び出すことで、簡単に効果音を挿入できるでしょう。

ミュートや停止などの制御

playsound は非常にシンプルなため、再生開始と同時に最後まで音声が流れます。
途中で停止や一時停止を行う機能は備わっていません。

実務で「再生停止」「音量調整」を行いたい場合は、後述の pydubpygame など、もう少し機能が豊富なライブラリを検討しましょう。

pydubで複数の音声ファイルを扱う

より複雑な音の取り扱いを行う場合に便利なのが pydub です。
mp3, wav, ogg など複数のファイル形式に対応できるだけでなく、音量調整や結合などの簡単な編集機能も備えています。

from pydub import AudioSegment
from pydub.playback import play

# 音声ファイルを読み込む(例: mp3ファイル)
audio = AudioSegment.from_mp3("example.mp3")

# 音量を上げる(+5dB)
louder_audio = audio + 5

# 連結する例
extra_sound = AudioSegment.from_wav("effect.wav")
combined_audio = louder_audio + extra_sound

# 再生する
play(combined_audio)

このように、AudioSegment オブジェクトを操作することで、編集や連結を簡単に行えます。

音量調整や結合のやり方

上記のサンプルのように、単純に audio + 5 と書くと音量が 5dB 上がります。
複数ファイルの合成も演算子 + を使うだけで実行できるのは便利です。

注意点や利用シーン

やや処理が重め

シンプルに再生だけしたい場合はオーバースペックになるかもしれません。

音楽のフェードイン・フェードアウト

音楽編集のような高度なことも可能です。

通知音だけでなく、BGM 的に音を流したいときなどに活用されることが多い印象です。

pygameを使った柔軟なサウンド再生

ゲーム制作などで有名な pygame には、音声を扱うための mixer モジュールが含まれています。
BGM と効果音を同時に再生するなど、複雑な要件がある場合に役立ちます。

import pygame

# mixerモジュールの初期化
pygame.mixer.init()

# BGMを読み込んで再生
pygame.mixer.music.load("bgm.mp3")
pygame.mixer.music.play(-1)  # -1でループ再生

# 効果音を読み込んで再生
sound_effect = pygame.mixer.Sound("effect.wav")
sound_effect.play()

上記の例では pygame.mixer.music.load() で BGM を読み込み、 pygame.mixer.Sound() で効果音を扱っています。

背景音や効果音を同時再生する

pygame.mixer.music はBGM用にループ再生を実行し、pygame.mixer.Sound は短い効果音を再生するといった使い分けが定番です。
実務で複数の音源を管理するときに非常に便利です。

実務で使うときのヒント

GUIアプリと組み合わせたい場合

ボタンをクリックしたら効果音を鳴らすなど、ユーザー操作に合わせて音声を再生できます。

シーンごとに違うBGMを設定

Pythonベースの軽量アプリでも、ちょっとしたゲーム風の演出を取り入れやすくなります。

pygameは単なるゲーム専用ライブラリというより、音声再生や画像描画などの機能も持っています。効果音や背景音を幅広く管理したい場合は有力な選択肢になりそうです。

まとめ

Pythonでは、ビープ音からBGM再生まで、さまざまな方法で音を鳴らせます。

  • winsound はWindows環境向けに手軽
  • playsound はファイル再生に特化していてシンプル
  • pydub は音量調整などの編集機能がある
  • pygame はBGMと効果音を同時管理できる

初心者の皆さんは、まずは簡単なビープ音や音声ファイルの再生を試してみてはいかがでしょうか。

その後、必要に応じて機能が豊富なライブラリにステップアップすると、思い通りの演出がしやすくなります。

アプリケーションに音を加えるだけで、ユーザー体験が変わる場面もあります。
ぜひ今回の情報を活かして、Pythonで音を再生する方法を取り入れてみてください。

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