PHPとは?初心者にもわかりやすく解説

はじめに

皆さんはWebサイトがただの静的なページだけでなく、ユーザーに合わせて内容が変化したり、データベースとやりとりしたりする仕組みを見たことがあるかもしれません。

こういった動的なページを作る際によく使われるのが PHP です。

PHPはWebサーバー上で動作し、リクエストに応じて画面の内容を生成できるため、多くのWebサイトやWebアプリケーションで採用されています。

本記事では、初心者でも理解しやすいようにPHPの基本概念や実務での活用シーンを紹介していきます。

読み進める中で、「なるほど、だからPHPが使われるのか」という疑問が少しずつ解消されるのではないでしょうか。

PHPとは

PHPはサーバーサイドで動くスクリプト言語の一種です。

具体的には、ユーザーがブラウザでアクセスすると、サーバーはPHPで書かれたプログラムを処理して、その結果をHTMLやJSONといった形式で返す仕組みになっています。

HTMLを返すので、ブラウザから見ると通常のWebページと変わりませんが、裏側で条件分岐やデータベース操作などを行い、必要に応じてページの内容を変化させることが可能です。

PHPは PHP 8 系統が最新バージョンとして扱われており、速度や機能面でも以前より進化しています。

そして多くのレンタルサーバーで標準対応されているため、学び始めやすい環境が整っています。

PHPの主な特徴

PHPにはさまざまな特徴がありますが、ここでは実務で活用されるシーンと結びつけやすいポイントに絞って紹介します。

  • HTMLと組み合わせる形で記述しやすい
  • 連携できるデータベースが豊富にある
  • フレームワークやライブラリの数が充実している
  • コードを追加・修正しながら柔軟に開発が進められる

これらによって、Webアプリケーション開発や小規模なツール作成など幅広い用途で活躍することが多いです。

PHPがよく採用される具体的な理由として、汎用性が高い ことが挙げられます。

たとえばWordPressなどのCMSはPHPで開発されており、大量のプラグインやテーマが存在します。

そのため個人ブログから企業サイトまで、柔軟にカスタマイズできる仕組みが整えられています。

また、PHP自身はC言語などの影響を受けた文法を持っており、比較的習得しやすいと感じる学習者も少なくありません。

PHPが用いられるシーン

PHPは 会員制サイトやECサイト など、ユーザーごとに表示内容を変える必要がある場面でよく使われます。

たとえば、ユーザー認証機能によってログイン情報を管理したり、クレジットカード決済処理を行ったりするのに向いていると言われていますね。

また、掲示板やブログといった投稿型のサービスもPHPで作るケースが多いです。

さらに既存の オープンソースソフトウェア が豊富なので、開発の初期コストを大幅に下げられるのも魅力です。

実務では、LaravelやSymfonyといったフレームワークもよく利用されます。

そうしたフレームワークを使うことで、ログイン機能やデータベース操作など、一般的に必要とされる処理を短いコードで実現できます。

こうした環境が整っていることも、PHPが数多くの現場で採用される要因でしょう。

PHPの基本的な書き方

それではここから、PHPのコードのイメージを少し見てみましょう。

PHPはHTMLの中に埋め込んで書くこともできますが、ここでは単独のファイルに記述する形式で解説します。

<?php
// 文字列を変数に格納
$message = "こんにちは、PHP";

// 画面に表示
echo $message;

ファイルの拡張子を .php にしてサーバーへ配置すると、ブラウザからアクセスしたときにこのコードがサーバー上で実行され、文字列が表示される仕組みです。

もしコードの中に条件分岐や計算処理があれば、ブラウザへ返却されるHTMLが動的に切り替わることになります。

よく使う文法構造

PHPでよく使われる文法構造として、if文ループ処理 があります。

たとえば条件によって異なるメッセージを表示したいときは、次のようになります。

<?php
$hour = date("H");

if ($hour < 12) {
    echo "おはようございます";
} else {
    echo "こんにちは";
}

このように、サーバー時間によって返す文章を切り替えることができます。

また、配列をループで処理するといったこともPHPでは簡単に書けます。

<?php
$fruits = ["リンゴ", "バナナ", "オレンジ"];

foreach ($fruits as $fruit) {
    echo $fruit . "<br>";
}

これは「リンゴ」「バナナ」「オレンジ」という文字列を順番に表示するコードです。

データベースとの連携

PHPを使った開発でよく登場するのが データベースの利用 です。

たとえば会員情報を登録したり、ユーザーごとの投稿履歴を管理したりするには、データベースとのやりとりが欠かせません。

PHPはMySQLやPostgreSQLなど、さまざまなデータベースと連携しやすい仕組みが用意されています。

具体的には、PDO(PHP Data Objects)という拡張機能を使うことで、データベースの種類を意識せずにコードを記述できます。

簡単な例として、MySQLに接続してデータを取得するコードを見てみましょう。

<?php
// DSN(Data Source Name)にはDBの種類やホスト名、DB名などを指定
$dsn = "mysql:host=localhost;dbname=sample_db;charset=utf8";
$user = "db_user";
$pass = "db_pass";

try {
    // データベース接続
    $pdo = new PDO($dsn, $user, $pass);

    // SQLを実行
    $sql = "SELECT name FROM users";
    $stmt = $pdo->query($sql);

    // 結果を取得して表示
    while ($row = $stmt->fetch(PDO::FETCH_ASSOC)) {
        echo $row["name"] . "<br>";
    }

} catch (PDOException $e) {
    // エラー時のメッセージ
    echo "DBエラー: " . $e->getMessage();
}

ここではユーザー情報を持つ users テーブルから name 列を取得し、画面に表示しています。

このようにPHPでは、データベースとのやりとりを手軽に実装することができます。

フレームワークを使った開発

実務では、たとえば単純にPHPファイルを1つ1つ書くだけではなく、フレームワーク を使うことも多いです。

フレームワークとは、開発の基本構造や共通機能をあらかじめ用意してくれるツールのことです。

PHPにおける代表的なフレームワークとして、Laravel、Symfony、CodeIgniterなどが挙げられます。

フレームワークを使うと、ディレクトリ構造やファイルの配置ルール、基本的な機能(認証やルーティング)などが整備された状態で開発を始められます。

これによって、大規模なプロジェクトでもコードが散らかりにくく、保守しやすい形を作れるのがメリットです。

しかし、フレームワークそれぞれで書き方や設計思想が少し異なるので、最初のうちは戸惑うこともあるかもしれません。

一方で慣れてしまえば、PHPの柔軟性を保ちながら効率よく開発が進められるため、実務で使われる機会が多いです。

PHPを使ったWebアプリ開発の流れ

ここでは、ざっくりとしたWebアプリケーションの処理の流れをイメージしてみましょう。

  1. ブラウザから特定のURLへアクセス
  2. PHPが受け取ったリクエストをもとに、入力値の検証やデータベース操作を行う
  3. 必要に応じてデータベースに対してSELECT、INSERT、UPDATE、DELETEなどのSQL文を発行
  4. PHP側で結果を整形して、ブラウザに返すHTMLを生成
  5. ブラウザには生成されたHTMLが表示される

ユーザーが入力したデータを受け取り、その内容によって返すページを変えることができるのは、このサイクルがあるからです。

たとえば会員登録フォームで登録ボタンを押すと、サーバー側のPHPコードが新規登録処理をして、最終的に「登録ありがとうございました」のページを返してくれます。

こうした動作を積み重ねることで、掲示板やECサイト、SNSのようなアプリが作れてしまうわけです。

サーバーで動くコードは常に外部からのリクエストを受け取るため、セキュリティ面での配慮が必要です。入力値の検証や認証の仕組みを適切に実装し、想定外の攻撃を防ぐことが重要になります。

最新バージョンの重要性

PHPでは新しいバージョンがリリースされると、性能の向上や文法の改善、セキュリティ修正などが行われることがあります。

最新のPHP 8系を利用すると、コードの書きやすさや処理の高速化など、いくつかの恩恵を受けられます。

実務では長期サポート(LTS)がどうなっているか、ライブラリが対応しているかを確認してから移行するケースが多いですが、基本的にはバージョンを古いまま放置しないことが大切です。

企業や個人サイトでも、サーバー環境をアップデートして安全性を確保しつつ、新機能を活用することでトラブルを減らせることが多いです。

コミュニティと開発環境

PHPは世界的に利用されている言語であり、コミュニティがかなり広範囲に存在します。

ドキュメントやフォーラム、各種情報サイトが充実しているので、トラブルシューティングや新機能の調査も比較的進めやすいです。

開発環境としては、ローカルにPHPとWebサーバーをインストールする方法が一般的です。

MacやLinuxでは簡単にPHP環境を導入できることが多く、WindowsでもXAMPPなどを用いることで手軽に一式を整えられます。

フレームワークを利用する際は Composer という依存関係管理ツールを使い、ライブラリのバージョン管理を行います。

こうした環境構築がスムーズに進む点も、PHPが選ばれやすい背景の一つと言えるでしょう。

実務で気をつけたいポイント

実務でPHPを使うとき、注意すべき点はいくつかあります。

  • 環境ごとのPHPバージョンの違い
  • セッション管理や認証機能の安全性
  • データベース接続情報の暗号化や管理方法
  • エラー処理や例外処理のログの扱い方

PHPの場合、環境設定によってエラー表示の有無が変わることもあるため、本番環境と開発環境で挙動が異なることは珍しくありません。

デバッグ用の設定が本番で有効になっていると、内部情報が外部に露出してしまう恐れもあります。

こうした点を踏まえ、段階的なテストや安全対策を行うのが実務では一般的です。

特にデータベースのパスワードはソースコードに直接書く場合もあるため、環境変数を利用した管理などを検討するのが望ましいです。

まとめ

ここまで、PHPとは どのような言語で、どんなシーンで使われるのかを見てきました。

サーバーサイドで動作し、動的なWebサイトの生成やデータベース連携がしやすいことが、PHPの大きな特徴です。

さらにフレームワークやオープンソースプロジェクトが豊富なので、個人の学習から企業の大規模サービスまで幅広く採用されています。

もし皆さんがWebアプリケーション開発に興味を持っているのであれば、PHPに触れてみるのはひとつの選択肢となるでしょう。

以上がPHPの概要と実務での活用イメージになります。

日々のアップデートをこまめに追いかけつつ、安全性や開発効率に配慮したプロジェクト運用を心がければ、PHPの可能性を十分に生かせるのではないでしょうか。

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