【Git】コミットメッセージの書き方を初心者向けにわかりやすく解説

Web開発

はじめに

ソフトウェア開発において、git は欠かせない存在です。
ファイルの変更履歴を管理できるだけでなく、複数人が同時に作業する現場でも活躍します。

その中でも、コミットメッセージ はプロジェクト全体の理解を深める上で重要です。
どんな修正を行ったのかを明確に伝えられれば、後で振り返るときにも非常に便利だと感じるでしょう。

この記事では gitコミットメッセージ の基本から具体例までをわかりやすく紹介します。
開発現場でどのように活かせるのかもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読むとわかること

  • コミットメッセージが重要とされる理由
  • コミットメッセージの基本構造と書き方
  • 実務でありがちなコミットメッセージの具体例
  • コミットログの活用シーン

gitコミットメッセージとは?

gitコミットメッセージは、ソースコードなどの変更点に対して簡潔なコメントを付けるための文章です。
たとえば「ファイルAを修正した」とだけ書くより、もう少し具体的に記述したほうが、後からログを見た人に伝わりやすくなります。

実務では、コミットメッセージが共有のドキュメントのような役割を持ちます。
短い言葉で要点を押さえ、何の変更を加えたのかを説明することで、チーム全体の認識を合わせることが可能です。

逆に、あいまいなコミットメッセージだと、コードの追跡やデバッグが面倒に感じられます。
今後の開発効率を下げないためにも、コミットメッセージを適切に書く習慣をつけることが大切です。

コミットメッセージの基本構造

コミットメッセージの書き方には、いくつか定番の形式があります。
有名なものの一つに、 タイトル行 (Subject) ・ 本文(Body)フッター(Footer) の3つで構成される書き方があります。

具体的には次のようなイメージです。

fix: ログイン時のバグを修正

ユーザーが特定の環境下でログインできなくなる問題を解消。
原因はトークンの生成プロセスに誤りがあったこと。
該当箇所を修正したことで正常にログイン可能。

Closes #123

タイトル行

タイトル行は、コミットメッセージの最初の行です。
概要を端的に伝えるための文で、どんな変更をしたかをひと目でわかるように書きます。

多くの現場ではタイトル行を50文字程度にまとめることが推奨されます。
短くまとめることで、ログを一覧で見たときにも読みやすくなるでしょう。

本文

本文は、タイトル行の次に続く詳細説明です。
変更理由や背景情報などを記載し、チームメンバーが読んだときにすぐ状況をつかめるようにします。

ただし長々と書くのは避け、要点のみを短い段落でまとめるのがおすすめです。
余分な情報はリポジトリの Wiki や、別のドキュメントに分けてもいいかもしれません。

フッター

フッターはコミットメッセージの最後の行に書く追加情報です。
たとえば関連するチケット番号や、マージリクエストへのリンクなどを入れるケースがあります。

以下のような形式でチケット番号を引用するのが一般的です。

Closes #123

このような表記をしておくと、タスク管理ツールなどと自動連携される場合もあります。
後で履歴をたどりやすくなるので、フッターが使えるシーンでは積極的に活用したいところです。

コミットメッセージの形式を統一するメリット

メッセージの形式をチーム全体で統一すると、コミット履歴の見通しが一段と良くなります。
どこを修正したのかを一覧でパッと確認できるので、新しくチームに加わった人も流れを把握しやすくなります。

形式がバラバラだと、何を直したコミットかを素早く見つけるのが難しくなるでしょう。
最悪の場合、原因を特定するだけで時間を取られてしまうことがあるかもしれません。

一方で、チーム全体でルールを決めれば、誰が書いたコミットメッセージでもスムーズに読み取れます。
その結果、バグ修正や機能追加などのタイミングで迷いにくくなります。

チームで扱うプロジェクトでは「コミットメッセージの書き方」をドキュメント化すると、合意形成がスムーズです。

実務で役立つコミットメッセージの具体例

ここでは実際の現場を想定したコミットメッセージ例を示します。
書き方のポイントや理由もあわせて解説します。

機能追加の例

git add .
git commit -m "feat: 新規ユーザー登録画面を追加"

特徴

  • feat: というプレフィックスを使うことで「機能追加」であることを明示しています。
  • 簡潔に内容を表すため、タイトル行は短めにしました。

このように記述すれば、コミットログを見たときに「これは新しい機能追加だな」と理解するのが簡単です。

不具合修正の例

git add .
git commit -m "fix: 入力フォームで空文字の場合にエラーが出る不具合を修正"

特徴

  • fix: を先頭に付けることで「不具合修正」であることを示しています。
  • どんな状況でエラーが出るかを具体的に書くことで、何を直したのかをより正確に伝えられます。

ドキュメント更新の例

git add .
git commit -m "docs: APIの仕様変更に伴うREADMEの更新"

特徴

  • docs: はドキュメントを更新した場合に使うことが多いプレフィックスです。
  • APIの仕様変更とREADMEの関連がひと目で分かるため、後で差分を追いやすくなります。

複数行メッセージの例

git add .
git commit -m "refactor: データ取得ロジックを関数に切り出し" \
-m "これまでメイン関数内にベタ書きしていたデータ取得処理を関数化。
可読性が上がり、他の場所でも使い回しが可能になった。"

特徴

  • refactor: はリファクタリングに使われることの多いプレフィックスです。
  • タイトル行で概要を示し、その後に理由や効果などを続けています。

このように複数行のコミットメッセージを使えば、詳細を丁寧に書けるので、意味をより正確に伝えられます。

コミットログの活用シーン

コミットログは単に履歴を残すだけではありません。
実務では、以下のようなタイミングで役立ちます。

  • 過去の変更内容を振り返るとき
  • コードレビューで変更意図を確認するとき
  • 不具合の発生時期を特定するとき
  • リリースノートを作成するとき

コードレビューの際にはコミットメッセージを見て「なんのための変更か」を素早く理解できます。
バグを探すときにも、コミットメッセージが丁寧に書かれていれば特定が早いでしょう。

また、プロジェクトが進行して変更が積み重なると、全体像が把握しづらくなることがあります。
こうした場合にもコミットログが頼りになります。
タイトル行や本文にきちんと概要が書かれていれば、必要な変更をピンポイントに探し出すのが簡単になるはずです。

コミットメッセージをしっかり書いておくほど、リリースノートの作成やプロジェクト全体のレビュー時に大きなメリットが得られます。

コミットメッセージの命名ルール例を活用する方法

多くの開発現場では、先ほど紹介したような プレフィックス を活用した命名ルールが用いられます。
一例として、以下のようなパターンを見かけることが多いでしょう。

  • feat: 新機能
  • fix: バグ修正
  • docs: ドキュメント関連
  • refactor: コードのリファクタ
  • style: コードのフォーマットのみの修正
  • test: テスト関連

このルールを守ると、コミットを並べたときに何の変更なのか一目瞭然になります。
プロジェクト内で統一することで、コミットログの検索もしやすくなるのが大きな強みです。

ただし、規則が細かくなりすぎると運用が面倒になりやすいとも言えます。
現場のメンバー全員が理解でき、かつ守りやすいルールを作るのがポイントです。

実務でのコミットメッセージ運用のコツ

コミットメッセージを運用する上で、以下のようなコツを意識するとスムーズです。

こまめにコミットする

大きな変更を一度にコミットすると、メッセージが抽象的になりがちです。
小さな単位でコミットすることで、何を行ったかをより詳しく書けます。

チケットやイシュー番号を関連付ける

フッターなどにチケット番号を入れておくと、開発中のタスクとコミットを紐づけやすくなります。

コミット内容とメッセージの内容を一致させる

コミットメッセージに書かれている内容と、実際の変更点がずれてしまうと後で混乱を招きやすいでしょう。
必ずコミット前に差分を確認して、メッセージと差分内容が整合しているか確かめるのがおすすめです。

ブランチ運用との組み合わせ

コミットメッセージの管理だけでなく、ブランチ運用にも目を向けるとさらに利便性が高まります。
たとえば、以下のような運用が考えられます。

  • バグ修正用のブランチ (bugfix/issue-番号)
  • 新機能用のブランチ (feature/機能名)
  • リリース用のブランチ (release/x.x.x)

こうしたブランチ単位の作業とコミットメッセージの運用を合わせることで、変更内容が論理的にまとまりやすくなります。
コミットを切り出すときも、どのブランチの作業なのかを意識するだけでスムーズになるでしょう。

コミットメッセージの品質を高めるポイント

初心者の方ほど、コミットメッセージを書き慣れていないと感じるかもしれません。
ただ、いくつかのポイントに注意すれば、自然と質が高まりやすくなります。

結論から先に書く

タイトル行で「何をしたのか」を明確に述べるだけでも、ログが読みやすくなります。

背景や理由を簡潔に書く

本文に、なぜ変更が必要だったのかを数行だけでも書いておくと、とても役立ちます。

読み手を意識する

自分以外のメンバーが読んだときにも状況を把握できるか、振り返ってみましょう。
そのプロジェクトに初めて参加する人でも理解できるように書くとよいです。

コミットメッセージとCI/CDの連携

継続的インテグレーション(CI)や継続的デリバリー(CD)を導入している現場では、コミットメッセージがテストやデプロイに関係してくる場合があります。
たとえば、コミットメッセージに特定の文言を含めると、自動的にテストを実行したり、リリースノートを生成したりするといった運用です。

自動生成されるリリースノートへの反映

コミットメッセージを解析して、どんな変更があったか自動的にリストアップする仕組みを導入しているプロジェクトもあります。

Issue連携で自動クローズ

Closes #123 と書くだけで対応するチケットがクローズされるようなツールもあるでしょう。

このように、コミットメッセージを活用すれば、開発プロセスをよりスムーズに回していけます。
それが結果として、プロジェクトの開発スピードや品質の向上につながる可能性があります。

まとめ

gitコミットメッセージは、変更内容を伝えるための大切なメモ書きのようなものです。
しっかりと中身を意識するだけで、後々の開発がぐっと楽になる場面が多いです。

コミットメッセージの形式をチームで統一したり、プレフィックスを使った命名ルールを設けたりすると、履歴を振り返るときに非常に便利です。
実務でも、バグ修正や機能追加、ドキュメント更新など多くの場面で役立つはずです。

初心者の方でも、コミットメッセージはシンプルなところから始めれば問題ありません。
慣れてきたら、本文やフッターも活用しながら、より充実した内容にしてみてください。

最終的には、プロジェクトの管理やチームの生産性向上にまで良い影響を与える可能性があるので、少しずつ習得していきましょう。

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