【Git】git proxyを使ったプロキシ設定の方法を初心者向けに解説

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はじめに

Gitを使ってソースコードを管理したり、チーム開発を進めたりするときに、ネットワーク環境によってはプロキシを設定する必要がある場合があります。

特に企業や組織のネットワーク環境では、セキュリティポリシーやインターネット接続のルールが厳しいことがあり、直接外部のリポジトリにアクセスできないケースも多いでしょう。

こうした状況でもGitを使った開発をスムーズに進めるためには、git proxy の仕組みを理解し、正しく設定することが大切です。

本記事では、初心者の方にもわかりやすいよう、プロキシの基本から具体的な設定・解除方法、実務での活用シーンまでを詳しく解説します。

初めてGitを使う方はもちろん、企業などの制限されたネットワーク下で作業する方にも役立つ情報をまとめていますので、最後まで読んでみてください。

この記事を読むとわかること

  • git proxy の役割と必要性
  • Gitにおけるプロキシ設定の具体的な手順
  • 実務シーンを踏まえたプロキシ設定のポイントと注意点
  • プロキシ設定を解除する方法
  • 認証が必要なときの対処方法

git proxyとは?

git proxyとは、Gitがリモートリポジトリにアクセスする際に、HTTPやHTTPSのプロキシサーバーを経由するように設定する仕組みを指します。

企業のネットワークでは、外部のサービスに直接通信できないことが少なくありません。 そこでプロキシサーバーを仲介役にして外部へアクセスすることにより、通信を制限された環境下でもリモートリポジトリへの操作ができるようになります。

初心者の方は、まず「プロキシ」という言葉に馴染みが薄いかもしれませんね。 プロキシサーバーは、いわば代理の窓口のようなものです。 利用者の代わりに外部へデータを送受信するので、企業側でアクセス管理やセキュリティチェックを行いやすくなります。

そのため、Gitによるソースコードの取得(clone)や送信(push)などの通信も、プロキシを通して行う仕組みが必要になるのです。

git proxyを設定するメリット

プロキシサーバーの利用にはセキュリティ上の利点がありますが、それ以外にも以下のようなメリットがあります。

  • 企業の規定を守りながら外部リポジトリにアクセスできる
  • キャッシュ機能により、同じファイルを何度もダウンロードしなくて済む場合がある
  • アクセス制御を一本化するため、ネットワーク管理が容易になる

一方で、不適切に設定してしまうと通信がうまくいかず、エラーが出て開発が止まってしまうこともあるので注意が必要です。

git proxyの基本設定

ここではGitのプロキシ設定を行う方法を見ていきましょう。 大まかに以下のステップを踏んで設定を行います。

1. プロキシサーバー情報を確認する

企業ネットワーク部門やインフラ担当者から、プロキシサーバーのアドレスやポート番号を取得します。

2. git configコマンドで設定する

http.proxyhttps.proxy の2つを必要に応じて設定します。

3. 接続テスト

Gitコマンド(cloneやpullなど)を実行して、問題なく通信できるか確認します。

HTTPプロキシを設定する

もし利用しているプロキシがHTTP用であれば、以下のコマンドで設定が可能です。

git config --global http.proxy http://proxy.example.com:8080

proxy.example.com:8080 の部分は、実際のプロキシサーバー情報に置き換えてください。

--global オプションを付けると、システム全体(ユーザー単位)で設定が反映されます。 一時的に使いたいだけの場合は、--global を外してローカルレベルで設定しても構いません。

HTTPSプロキシを設定する

HTTPS通信でも同様に設定が可能です。

git config --global https.proxy https://proxy.example.com:8080

企業のプロキシ環境によっては、HTTP用とHTTPS用で別のポート番号やサーバーアドレスが割り当てられることもあるので、事前に必ず確認しておくとよいでしょう。

プロキシ設定を解除する方法

不要になったら、プロキシ設定を解除しておくことをおすすめします。 特に、自宅など企業以外のネットワーク環境でGit操作を行う際に、そのままプロキシ設定を残しておくと通信できないケースがあるためです。

解除するには以下のコマンドを実行します。

git config --global --unset http.proxy
git config --global --unset https.proxy

このコマンドで設定が削除され、もとの状態に戻ります。 もし複数のレベル(グローバルやローカル)で重複して設定している場合は、それぞれのレベルで解除が必要になることがある点にご注意ください。

認証が必要なプロキシの場合

会社によっては、プロキシサーバーにユーザー名やパスワードを設定しなければ使えないケースもあります。 この場合は、Gitのプロキシ設定時にユーザー名やパスワードを付与します。

git config --global http.proxy http://ユーザー名:パスワード@proxy.example.com:8080

HTTPSの場合もほぼ同じで、URLの先頭を https:// に変えるだけです。 ただしパスワードが漏れるリスクがあるため、端末の管理やコマンドの履歴(bash historyなど)には気を配る必要があります。 特にパスワードが含まれる設定を長期間残すことは避けたいところです。

認証情報を含むプロキシ設定は、履歴を参照されるとパスワードが外部に漏れる可能性があります。必要最小限の使用にとどめましょう。

環境変数でのプロキシ設定

Gitでプロキシを設定する方法は、git config による設定だけではありません。 環境変数を使って指定することもできます。 OSによって設定方法は異なりますが、Linux系のシェル(bashなど)では次のようにコマンドを実行します。

export http_proxy=http://proxy.example.com:8080
export https_proxy=https://proxy.example.com:8080

このやり方だと、GitだけではなくHTTP(S)通信を利用するほかのアプリケーションにもプロキシ設定が適用されます。 社内のツールやブラウザなどにも影響が及ぶ場合があるので注意してください。

実務で役立つシーン

社内ネットワークで作業しているとき、以下のような状況でgit proxyが必要になることがあります。

リモートリポジトリをホスティングサービスで運用している場合

GitHubやGitLabなど外部サービスを使うケースでは、会社のゲートウェイを通さないとアクセスできないことがよくあります。

プロジェクトで外部ライブラリを取り込む必要がある場合

サードパーティのライブラリを利用する際、Gitで直接クローンしてソースを管理することがあります。 その際にプロキシ設定がないと取得できないケースが多いです。

複数のチームが同じプロキシ下で開発している場合

全員が同じネットワークポリシーに従わなくてはいけないので、Gitのプロキシ設定を行っておくと作業が円滑に進むでしょう。

一方で、プロキシ下では通信速度が遅くなる可能性もあります。 大量のファイルをプッシュ・プルする際には時間がかかる点を理解しておくとストレスを減らせますね。

プロキシ設定の確認方法

どのように設定されているか確認したいときは、以下のコマンドでチェックするのが簡単です。

git config --list

ここに http.proxyhttps.proxy の項目が表示されていれば、プロキシ設定がアクティブになっています。 表示されなければ設定はされていない、あるいはローカルレベルの設定が優先されている可能性があります。 もし見当たらない場合は、グローバル設定だけでなく、リポジトリレベル(.git/config)を直接チェックしてみるのもよいでしょう。

よくあるトラブルと対処法

Gitのプロキシ設定をしたにもかかわらず、通信が失敗することがあります。 その場合は、以下のポイントを確認してみてください。

プロキシサーバーのアドレス・ポート番号が正しいか

単純なタイプミスやスペルミスがトラブルの原因になることがよくあります。

認証情報の設定が正しく入力されているか

ユーザー名、パスワードに誤りがあるとアクセスはできません。

プロキシ対象のプロトコルを間違えていないか

HTTPとHTTPSでアドレスが異なることも多いので、サーバー情報を再度確認してください。

ネットワーク管理者の指示が最新のものか

企業のネットワークポリシーは変更される場合があります。古い情報に従っていないか気をつけましょう。

それでも解決しないときは、ネットワーク管理者やインフラ担当者に相談し、正しいプロキシ情報を再チェックしましょう。

まとめ

git proxyは、セキュリティやネットワーク制限のある環境下でもGitを活用するために重要な仕組みです。

企業内の制限のあるネットワークでリポジトリを利用しようとすると、プロキシ設定がないとGitの操作がまったくできないケースもあります。 しかし設定手順自体はシンプルで、git config コマンドを使って必要な情報を入力するだけです。

もしプロキシのアドレスやポート番号がわからない場合は、担当部門に問い合わせてみてください。 また、一度設定したプロキシは必要がなくなれば解除するのをお忘れなく。

プロキシを使ったGit操作をマスターすれば、より幅広いネットワーク環境で自由にリポジトリを扱うことが可能になります。 ぜひ実務でも活用し、快適な開発環境を整えてみてはいかがでしょうか。

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