【Git入門】git remote addを使ってリモートリポジトリを追加する方法を初心者向けに解説

Web開発•2025/2/19

Git

はじめに

Gitを使ったチーム開発や個人プロジェクトを進めるときに、多くの方が最初につまずきやすいのがリモートリポジトリの扱いです。

複数のメンバーとコードを共有するときには、GitHubやGitLabなどのリモートリポジトリを利用するのが一般的でしょう。

その際に必須となるのがgit remote addというコマンドです。

このコマンドを使うことで、ローカルで作業しているリポジトリとリモートリポジトリを結び付けられます。

初めてGitを学ぶ方には難しく思えるかもしれませんが、順を追って理解すればそこまで複雑な仕組みではありません。

本記事では、git remote addを使うメリットや基本的な使い方、そして実務での応用方法などを具体的な例とともにわかりやすく解説していきます。

この記事を読むとわかること

git remote addがどのような役割を果たすか
リモートリポジトリを追加するメリット
実際のコマンド例と活用の流れ
チーム開発や個人プロジェクトでの実務的な使い方
リモートURLの変更や削除など、よくある疑問点とその対処法

ここから一緒に学んでいきましょう。

git remote addとは

git remote addは、ローカルのGitリポジトリに対して「どのリモートリポジトリとつながるか」を設定するコマンドです。

リモートリポジトリとは、インターネット上や社内ネットワーク上にあるGitリポジトリのことで、多くの場合はGitHubやGitLab、Bitbucketなどが利用されています。

ローカルリポジトリにリモートリポジトリを登録することで、作業内容をプッシュ（push）したり、他の人が更新した内容をプル（pull）したりできるようになるわけです。

具体的には、以下のような流れで使います。

手元でGitリポジトリを作成、または既存のプロジェクトフォルダでgit initを実行する
リモートリポジトリ（例：GitHub上に用意したリポジトリ）のURLを確認する
git remote add <リモート名> <リモートリポジトリURL>を実行して登録する

こうすることで、自分のローカルリポジトリとリモートリポジトリがつながり、git pushやgit pullが使えるようになります。

リモートリポジトリを追加するメリット

リモートリポジトリを追加しておく最大の利点は、複数の環境や複数の人とコードを共有することがスムーズにできるという点です。

たとえば、次のようなケースで役立ちます。

社内の複数プロジェクトメンバーと同時進行で開発するとき
自宅と職場、あるいは自分の複数PC間で作業をシームレスに進めたいとき
バックアップ用にコードをクラウド上に保管しておきたいとき

また、リモートを登録していないと、いざリポジトリを共有したいタイミングで設定に手間取ってしまうかもしれません。

事前にgit remote addで設定しておけばスムーズに作業を始められますので、初心者の方も早めに手を動かして慣れてみると良いでしょう。

git remote addの基本コマンド

ここでは、git remote addコマンドの使い方を解説します。

一般的には、リモート名としてoriginを使うことが多いです。

git remote add <リモート名> <リモートリポジトリURL>

これが基本形になります。

以下の例では、GitHubに作成したリポジトリのURLがhttps://github.com/username/example.gitである場合、ローカルリポジトリからこのリモートを追加する方法を示しています。


git remote add origin https://github.com/username/example.git

実行した後、git remote -vを使ってみると、登録されたリモートが確認できるはずです。

複数のリモートリポジトリを使い分けたい場合は、リモート名を自由に変えて管理することも可能です。

具体例: originリポジトリを追加する

以下は具体的なコマンドの流れです。

1. ローカルにGitリポジトリを作成する

すでにGitの管理下にあるフォルダの場合は不要です。


git init

2. リポジトリにファイルを追加してコミットする


echo "Hello World" > hello.txt
git add hello.txt
git commit -m "Initial commit"

3. リモートリポジトリを登録する


git remote add origin https://github.com/username/example.git

4. プッシュしてリモートリポジトリと同期する


git push -u origin main

-uは上流ブランチを設定するオプションです。

初回のみ指定しておくと、その後のgit pushやgit pullでブランチ名を省略しても自動的にorigin mainが指定されます。

リモート名は「origin」である必要はありません。
チーム開発などで複数のリモートを扱うときは、別の名前をつけて管理するのも一つの方法です。

実務での活用事例

リモートリポジトリを使いこなすことで、より効率的で安全な開発体制を組めるようになります。

特にチーム開発では、多くの人が同時に作業するため、衝突が起きる可能性がありますが、Gitの仕組みを理解していればきちんと管理できるでしょう。

プロジェクトの共同開発での使い方

共同開発では、各メンバーがリポジトリをクローンしたり、fork（フォーク）したりすることで、独立したローカル環境を持ちます。

リモートリポジトリは中央集権的な役割を担い、最終的なコードを集約する「源泉」となるわけです。

たとえば、メンバーAがある機能を開発してプッシュし、それをメンバーBがプルして受け取り、Bが別機能を追加して再度プッシュする、といった具合にコードを共有するフローが一般的です。

最初にgit remote add origin <URL>でリモートを設定しておけば、各メンバーがプッシュやプルを行う先が同じリポジトリとなり、コードの集約がスムーズに進みます。

リポジトリ管理のベストプラクティス

実務でGitリポジトリを運用する際には、ブランチ戦略やプルリクエストの運用ルールなども検討する必要があります。

しかし、最も基本的なところは「いつでもローカルとリモートの状態を同期できるようにしておく」という点です。

コミットは小まめに行う
ブランチを切って機能ごとに作業を進める
コミットメッセージをわかりやすく書く
プッシュ前に、必要に応じてgit pullでリモートの最新情報を取り込む

このような運用をしておけば、チームメンバー同士での衝突も最小限に抑えられます。

特にgit remote addを忘れずに設定しておくと、後々になってリモートの追加や変更に戸惑うことも減るでしょう。

git remote addのよくある疑問と注意点

初心者の方がGitを使い始めるとき、特にリモートリポジトリ周りではいくつかの疑問が生まれやすいです。

ここでは、代表的なものをいくつか取り上げます。

リモートURLの変更や削除

すでに設定済みのリモートURLを変更したい場合は、git remote set-urlを使います。

git remote set-url <リモート名> <新しいURL>

また、リモート自体を削除したい場合は、git remote removeまたはgit remote rmを使うことができます。

git remote rm <リモート名>

こうした操作を行うことで、不要になったリモートを整理したり、URLが移動した場合でも柔軟に対応可能です。

たとえば、開発環境がGitHubから社内のGitLabに移行した場合など、このコマンドで素早く切り替えができるでしょう。

リモートへのプッシュ時のエラー対処

初めてリモートへプッシュするとき、あるいはリモートとの同期が取れていないときにエラーが発生することがあります。

以下のようなメッセージを目にしたことがあるかもしれません。

Updates were rejected because the remote contains work that you do not have locally.
fatal: refusing to merge unrelated histories

これらは、リモートとローカルの履歴が食い違っているために起こります。

もしリモートの履歴を上書きしても問題ない場合はgit push origin main --forceで強制プッシュできますが、チーム開発では慎重に検討してから行いましょう。

誰かの作業内容を上書きしてしまうリスクがあるからです。

リモートリポジトリを強制プッシュする際は、本当に書き換えても大丈夫かを必ず確認しましょう。
誤って他の人のコミットを消してしまう恐れがあります。

このように、エラーが出たときは原因を調べて適切に対応することが重要です。

焦って--forceを多用すると、あとで取り返しのつかない事態につながりかねません。

まとめ

ここまで、git remote addを中心にリモートリポジトリとの連携方法を解説してきました。

リモートリポジトリはチーム開発でも個人開発でも活躍する便利な仕組みです。

しかし、最初にリモートを正しく設定しておかないと、いざ共有したいときに手間取ったり、エラーが出て混乱してしまったりする可能性があります。

まずは少しの練習でもいいので、git remote add origin <URL>などを実際に試してみて、手元の環境とリモート環境を結ぶ感覚をつかんでおくと良いでしょう。

Gitはたくさんの機能があり、最初はとっつきにくいかもしれませんが、リモートとローカルを連携させる基本の流れだけでも押さえておけば十分に活用できます。

必要に応じてブランチやプルリクエストなどの機能にも挑戦してみると、さらに便利にプロジェクトを管理できるはずです。

これからGitを使っていく皆さんが、スムーズに開発を進められるよう願っています。