【Git】untracked filesを削除する方法を初心者向けにわかりやすく解説
はじめに
皆さんがGitでソースコードを管理していると、気づかないうちに多くのファイルが作成されていることはないでしょうか。
たとえば、エディタの設定ファイルや、ローカル環境だけで必要となる設定ファイルなどは、Gitリポジトリには含めたくないものです。
これらが増えすぎると、フォルダの中身が煩雑になり、プロジェクトの管理も一苦労になります。
そこで登場するのがuntracked filesという概念です。
Gitが「追跡対象にしていない」つまりステージにも上がっていないファイルをこう呼びます。
実務の現場では、不要になったuntracked filesを削除してプロジェクトを整理するシーンがよくあります。
しかし、不用意に操作すると大切なファイルを消してしまうかもしれません。
このため、untracked filesの扱い方をきちんと理解しておきたいところです。
ここでは、初心者向けにuntracked filesを削除する方法をわかりやすくご紹介します。
実際の業務で遭遇する可能性が高いシーンを踏まえながら、具体的なコマンド例も示して解説していきます。
この記事を読むとわかること
- Gitのuntracked filesとは何か
- 実務でuntracked filesが増えてしまう代表的なシーン
- untracked filesを削除するための具体的なコマンド例
- 削除時に注意すべきポイントと対策
- プロジェクトを効率よく整理するためのコツ
Gitにおけるuntracked filesとは
Gitが管理しているファイルは、変更があったタイミングでステージに上がり、コミットを通じて履歴として残ります。
一方で、Gitが追跡していないファイルはuntracked filesに分類されます。
このuntracked filesは、コミット対象に含まれないため、通常は履歴管理の対象から外れています。
untracked filesの基本
untracked filesは文字通り「追跡されていないファイル」です。
プログラミングを始めたばかりの方だと、Gitが自動的にすべてのファイルを管理してくれると考えがちかもしれません。
しかし実際には、Gitは「追跡する」と明示的に決められたファイルだけを履歴管理の対象にします。
具体的には以下のようなファイルがuntracked filesになりやすいです。
- ローカルの設定ファイル
- 一時的なログファイル
- ビルドやコンパイルの成果物
- デバッグ用に生成したテスト用ファイル
これらのファイルは開発の過程で増減を繰り返すため、意識して管理しないとリポジトリのディレクトリ構成が混在しやすくなります。
実務で困るシーン
実務では、チーム開発において余計なファイルが大量に残っていると、リポジトリをクローンしたメンバーが把握しづらくなることがあります。
さらに、どのファイルが本当に必要なのかを確認するだけでも手間がかかります。
とくに初心者の方は、何が必要で何が不要かを判断しづらいケースが多いでしょう。
こうした状況を整理するために、「もう使わない」untracked filesを削除するアプローチがよく取られます。
untracked filesを削除するメリットと注意点
untracked filesを削除することによって、プロジェクトの中にある不要なデータを一掃できます。
しかし、無闇に消してしまうと必要なファイルまでもが失われる可能性があります。
そのため、削除の前にメリットと注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
プロジェクトの整理
不要なファイルが混在していると、フォルダを開いたときにどれが管理対象か分からなくなります。
結果として作業効率が落ちるかもしれません。
untracked filesを必要に応じて削除することで、フォルダ構造がスッキリし、作業が進めやすくなるメリットがあります。
また、新しいメンバーがリポジトリをクローンした場合でも、管理対象のファイルが明確であればスムーズに開発環境を整えられます。
誤って削除するとどうなる？
一方で、うっかり本来必要だったファイルを消してしまうと、後で復元できなくなるかもしれません。
Gitがまだ追跡していない場合、そのファイルの履歴はGitに存在しません。
履歴管理されていれば、過去のコミットにさかのぼって復元することもできますが、untrackedの状態のまま削除すると、履歴には何も残らないことになります。
このため、大切なファイルを誤ってuntrackedのままにしないように、事前に管理設定を考えておくことが重要です。
untracked filesを削除する方法
ここからは、具体的にuntracked filesを削除する方法を説明します。
代表的なコマンドにgit cleanがあります。
git cleanを使うと、「Gitが追跡していないファイル」を一括で削除できます。
git clean -f -d コマンドを使う
実務でよく使われるのが、git clean -f -dです。
-f
削除を実行するときに必須のオプションです。実際にファイルを削除することを表します。
-d
ディレクトリも含めて削除する場合に指定します。
以下の例を見てみましょう。
git clean -f -d
このコマンドを実行すると、追跡されていないファイルやディレクトリが一括で削除されます。
ただし、取り戻せないため注意が必要です。
もしも削除されるファイルを事前に確認したい場合は、-nオプションを使うと削除予定のファイルだけを表示できます。
git clean -n -d
こうすることで、実行前にどのファイルが削除されるかを把握できます。
git clean -x オプションで指定外ファイルも一括削除
.gitignore に書かれているファイルを含め、untracked filesをすべて削除したい場合には、-xオプションを使う方法があります。
git clean -f -d -x
これにより.gitignoreで除外設定されているファイルも含めて削除できます。
特定のシーンでは便利かもしれませんが、必要なファイルを誤って消してしまうリスクも高まります。
運用時は慎重に使うようにしましょう。
git stash と組み合わせる考え方
コードを編集中に、改行コードや一時ファイルがどんどん増えてしまうことがあります。
こうしたファイルを一時的に保存したいケースもあるのではないでしょうか。
git stashは、通常は追跡中の変更を退避するために使われますが、場合によっては-uオプションをつけることでuntracked filesも退避できます。
git stash -u
こうするとuntracked filesを一時的に避難させて、後で取り出すことができます。
ただし、untrackedのファイルが大量にある場合は、目的に沿った整理方法を考えたほうが混乱を招きにくいかもしれません。
untracked files削除時の注意事項
untracked filesを削除するコマンドは便利ですが、リスクと隣り合わせです。
ここでは削除する前に気をつけたいポイントをまとめます。
.gitignoreと組み合わせる
.gitignoreファイルは、特定のファイルやディレクトリをGitの管理対象から外すための設定ファイルです。
余計なファイルをコミットしないように設定しておくと、untracked filesが自然と増えづらくなります。
たとえば、ビルド成果物や環境依存のファイルを.gitignoreに指定することで、チーム全体で不要なファイルが紛れ込むリスクを減らせます。
git cleanを実行するときに、.gitignoreに設定されているファイルは削除対象から外れるのが通常です。
しかし、-xを使うと完全に無視して削除してしまうため、その点に注意が必要です。
重要ファイルのバックアップ
大事なファイルをuntrackedのままにしておくと、削除したあとに「実は必要だった」と気づいても復元が難しくなります。
特に、動作確認やテストで生成したファイルに重要な情報が含まれている場合などは、削除前にバックアップをとるか、コミット対象にするかなどの判断が求められます。
untracked filesの削除コマンドを実行する前に、一度削除されるファイルが本当に不要かを確認しましょう。
プロジェクトを効率よく整理するコツ
untracked filesを削除するだけではなく、プロジェクト全体を効率よく整理するためのコツについても触れておきます。
とくに多人数での開発では、ローカル設定ファイルなどをきちんと.gitignoreに管理しておくのが重要です。
そうすることで、互いの開発環境を汚さずに済み、余計なコンフリクトが発生するリスクも下げられます。
こまめなコミットとブランチ運用
untracked filesが増える原因のひとつに、「コミットせずに変更だけが積み重なる」ことが挙げられます。
変更を細かくコミットしておけば、ファイルがuntracked状態で残りにくくなります。
また、作業ブランチを小まめに切り替えることで、不要になったファイルは早期に認識できます。
チームでのルールづくり
チームで開発している場合は「どのファイルを.gitignoreに書くべきか」「どのタイミングでgit cleanを使うべきか」といったルールを話し合うのも大事です。
雑多なファイルを野放しにするよりは、ルールに沿って管理したほうが混乱は起きにくいでしょう。
大勢が関わるプロジェクトほど、こうしたルールや手順を言語化しておくとスムーズに運用できます。
まとめ
今回は、Gitのuntracked filesを削除する方法について、基本的な概念から代表的なコマンドの使い方までを解説しました。
untracked filesを削除するメリットとしては、不要ファイルが減るのでプロジェクトが整理しやすくなる点が挙げられます。
しかし、誤って必要なファイルを消してしまうリスクもあるため、慎重に操作する姿勢が重要です。
また、事前に.gitignoreを整備しておくことで、そもそも不要なファイルを追跡対象にしないように管理しておくことも有効です。
チーム開発では、環境ごとに違うファイルが混在しないようにルールを決めることで、プロジェクトが円滑に進みます。
ぜひ、皆さんの開発現場でuntracked filesを削除する際の参考にしてみてください。