【Git】バージョン確認方法を初心者向けにわかりやすく解説
はじめに
皆さんは、Gitのバージョン確認をどのように行うかご存じでしょうか。
Git は分散型バージョン管理システムとして、多くの現場やプロジェクトで利用されています。
ただし、プロジェクトによって Git の機能や挙動に微妙な違いが出ることもあり、「自分の Git がどのバージョンか」を把握しておくことは大切です。
たとえば、新しくチームに参加したときに、プロジェクトが特定の Git バージョン以降の機能を使っている場合があります。
このとき、同じバージョンを使って開発を進めないと、エラーやワーニングが発生することもあるかもしれません。
そこで今回は、Git を普段あまり使っていない人や、これから使い始める初心者の方に向けて、Git のバージョン確認方法を具体的に解説します。
この記事を読むとわかること
- Git のバージョンを確認するための基本的なコマンドの使い方
- 実務レベルでなぜバージョン管理が重要なのか
- Windows や Mac など環境別にバージョンを調べる際の注意点
- バージョン確認でつまずきやすいトラブルの対処法
これらを理解することで、チーム開発にスムーズに参加しやすくなったり、環境構築時の混乱を防ぐことができるようになります。
Git のバージョンを確認する必要がある理由
Git は日常的に使うツールなので、インストールしたらそのまま放置している方も多いかもしれません。
しかしながら、実務では複数のプロジェクトを並行して進めるケースがあります。
そのときに、チームメンバー全員が同じ Git バージョンで作業していないと、想定外のエラーや挙動の違いが発生する可能性があります。
また、開発時に特定のオプションやサブコマンドを利用することがありますが、古いバージョンではその機能が含まれていない場合があります。
そのため、プロジェクトの README やドキュメントで「Git のバージョン X 以上を推奨します」などと書かれていることも珍しくありません。
バージョン管理システム自身を把握しておくことで、不要なトラブルを避けられるだけでなく、開発効率を高めることにもつながります。
わざわざ「なぜこのコマンドが使えないんだろう?」と頭を抱える時間をなくし、スムーズに開発を進められるようにするためにも、Git のバージョン確認は定期的に行っておきましょう。
バージョン確認の基本コマンド
Git のバージョンを確認するときに、最初に使うのが git --version
あるいは git version
というコマンドです。
ここでは、初心者でも迷わず使える基本的な方法を紹介します。
git --version
コマンドの使い方
もっとも一般的なのは git --version
です。
ターミナル(Windows ならコマンドプロンプトや PowerShell、Mac/Linux ならターミナル)を開き、下記のコマンドを入力します。
git --version
エンターを押すと、例として次のような結果が表示されます。
git version 2.39.1
このように表示された数値部分が、インストールされている Git のバージョンです。
バージョン番号は環境によって異なりますが、「2.x.x」といった形式が多いでしょう。
git version
と書いてもOK
git version
というコマンドを入力しても、基本的には同じ出力が得られます。
違いはほぼありませんが、日常的には --version
のほうがよく使われるイメージがあります。
git version
これでも同じようにバージョン番号が表示されます。
Windows環境での具体的なバージョン確認
Windows で Git を使う方の中には、 コマンドプロンプト (cmd) や PowerShell など、複数のターミナルを使い分けている方もいるでしょう。 ここでは、代表的な2つの環境を例に解説します。
コマンドプロンプト (cmd) の場合
-
スタートメニュー から
cmd
と入力し、コマンドプロンプト を起動します。 -
以下のコマンドを入力して Enter キーを押します。
git --version
-
バージョン番号が画面に表示されます。
コマンドプロンプトはシンプルですが、慣れていないと、あまり補完機能が豊富でないため少し扱いにくいかもしれません。
しかし、バージョン確認だけであれば十分に使えます。
PowerShell の場合
PowerShell を使う場合も、ほぼ同じ手順です。
スタートメニュー やタスクバーにピン留めしている PowerShell を起動し、同じコマンドを入力してください。
出力される内容もコマンドプロンプトと同じなので、結果を比較する必要はありません。
Windows では、Git をインストールしていない状態だと、上記のコマンドを入力したときに 'git' は内部コマンドまたは外部コマンド...
というメッセージが出ることがあります。
それは Git がまだインストールされていないか、あるいは PATH が通っていない可能性が高いです。
Mac・Linux 環境でのバージョン確認
Mac や Linux でも、git --version
もしくは git version
は同じように使えます。
ただし、Mac の場合は Git がプリインストールされていることがあるため、最初にコマンドを入力するだけで確認できるケースがあります。
Mac の場合
-
ターミナル を開きます。
-
以下のコマンドを入力して Enter キーを押します。
git --version
-
バージョン番号が表示されれば完了です。
もし Git がインストールされておらず、Xcode に付属しているコマンドラインツールも入っていない場合は、コマンドを実行したときに 「Xcode のコマンドラインツールをインストールしますか?」 といったダイアログが出る場合があります。
表示が出た場合は、必要に応じてインストールすると Git が使えるようになります。
Linux の場合
Linux でも同様にターミナルでコマンドを入力するだけです。
多くのディストリビューション(Ubuntu, Debian, Fedora など)でリポジトリからインストールする際に、標準的に git --version
が使える状態になるでしょう。
git --version
もしエラーが表示される場合は、そもそも Git が導入されていないか、インストールしても PATH が通っていない可能性があります。
環境によってインストール方法が異なるので、使用しているディストリビューションのパッケージ管理システム(apt
や yum
など)を利用して、あらためてインストールを行いましょう。
実務での活用シーン
Git のバージョンを確認する行為自体はシンプルですが、ここをおろそかにしてしまうと、トラブル時の原因特定が遅れてしまうことがあります。
たとえばチームメンバー同士で「この機能が動かない」「エラーが出る」という報告があったとき、バージョンが違うことが根本原因ということも珍しくありません。
もうひとつの例として、 CI/CD (継続的インテグレーション / 継続的デリバリー) を導入している現場では、ビルドサーバー上にインストールされている Git のバージョンを指定することがあります。 ローカル環境とビルドサーバーのバージョンが合っていないと、ビルドやテストが失敗することもあるのです。
このように、バージョン確認をしておくだけで、環境差異によるエラーの切り分けが簡単になります。
「自分の Git バージョンは x.x.x だけど、あなたは何を使っているか?」と確認し合えるのは、問題解決の第一歩です。
バージョン確認をしても Git が使えないとき
インストールされていない・PATH が通っていない場合
Git コマンドを打ってもエラーが出る場合、インストールがされていない か、PATH が通っていない 可能性があります。
このようなエラーが出るときには、まず Git のインストール状況を再度確認しましょう。
特に Windows では Git のインストール時に「PATH を通す」オプションが用意されていることがありますが、そこをチェックせずに進めるとコマンドが認識されないことがあります。
Windows で git
コマンドが認識されないときは、インストール時に「PATH を通す」設定がどうなっていたかを再確認してみましょう。
また、Mac では Xcode のコマンドラインツールがインストールされていないと、Git を使えない場合があります。
その場合は、コマンドを実行したときに表示されるガイダンスに従い、インストールを進めてみてください。
バージョンが出力されても思った機能が使えない
コマンドを実行するとたしかにバージョン番号が表示されるけれど、思ったとおりの機能が動かないことがあります。
この場合は、今使っている Git バージョンが古い機能をサポートしていないか、あるいは git config
やブランチ運用の設定といった部分で別の制約が発生している可能性があります。
機能が利用できないと感じた場合は、実行しているコマンドのオプションを見直してみましょう。
それでも改善しなければ、実装したい機能が対応されているバージョン以上にアップグレードする必要があるかもしれません。
チーム開発で気をつけるポイント
大人数や複数チームで開発をする場合は、Git のバージョンを事前に決めておく ことがあります。
理由は、メンバー間のバージョン差異が大きいと、コミットやマージ動作に微妙な違いが出たり、設定ファイルやフックスクリプト(コミット前やプッシュ前に実行されるスクリプト)の動作に影響が出るからです。
同じバージョンを使うことは、余計な混乱を避けるための最もシンプルな方法といえます。
一方で、複数プロジェクトを同じ PC で管理する場合、すべてのプロジェクトで同じバージョンを使うとは限りません。
新しい機能を積極的に使いたいチームと、安定を重視したいチームでは、使うバージョンが異なることもあるでしょう。
もし複数のバージョンの Git を使い分ける必要があるなら、インストール先をプロジェクトごとに分けて管理するとトラブルが軽減しやすいです。
よくある疑問やトラブルシューティング
ここでは初心者の方が抱きやすい疑問や、バージョン確認にまつわるトラブルをピックアップします。
Git をインストールし直すべきか悩む
まずはバージョン確認をしてみて、特別に古いバージョンでないかを確かめてみましょう。
もし問題なく使えているのであれば、無理にアップグレードする必要はありません。
しかし、チームから「もっと新しいバージョンであることが前提」というような要望があれば、そのときにインストールし直すのがおすすめです。
バージョン番号が出なかったり、英字エラーが出る
多くの場合、環境の問題が原因です。
Windows なら PATH 設定、Mac なら Xcode のコマンドラインツール、Linux ならリポジトリからインストールできているかを確かめましょう。
環境設定を見直しても直らない場合には、再インストールが手っ取り早い解決策になることもあります。
バージョン確認を自動化したい
チームによっては、開発環境を構築するときに自動スクリプトを使うことがあります。
そのスクリプトの中で git --version
を実行し、条件分岐によってアップデートを促すといった運用方法が考えられます。
これはあくまで応用的な使い方ですが、バージョン確認を定期的に自動化してしまえば、メンバー全員の環境が常にそろいやすいというメリットがあります。
まとめ
Git のバージョン確認は、初心者でも迷わず実行できるシンプルな手順です。
しかし、チーム開発や複数プロジェクトを運用する際には、バージョンの違いで不具合が起こりかねないため、地味ながら重要なステップでもあります。
git --version
やgit version
コマンドで簡単に確認できる- Windows、Mac、Linux でも手順はほぼ共通している
- インストール状況や PATH 設定の問題で、コマンドが認識されないこともある
- チーム開発ではバージョンをそろえると、トラブルを減らせる
特に初心者の方は、まずはバージョン確認を通じて、自分の環境で使っている Git の状態を把握してみてください。
そうすることで、今後のバージョン管理やチーム協業がよりスムーズになるはずです。