DevOpsエンジニアのロードマップ

開発チーム(Dev)と運用チーム(Ops)の架け橋となり、システムの開発から運用まで一貫した効率化を図るDevOpsエンジニア向けのロードマップです。自動化、CI/CD、コンテナ技術、クラウドインフラまで幅広いスキルを身につけ、開発プロセス全体の最適化を実現できるエンジニアを目指します。

DevOpsエンジニアについて

開発チーム(Dev)と運用チーム(Ops)の架け橋となり、システムの開発から運用まで一貫した効率化を図るDevOpsエンジニア向けのロードマップです。自動化、CI/CD、コンテナ技術、クラウドインフラまで幅広いスキルを身につけ、開発プロセス全体の最適化を実現できるエンジニアを目指します。

DevOpsエンジニアの市場価値

DevOpsエンジニアは、開発の効率化と運用の自動化を担う重要な役割として多くの企業で求められています。クラウド技術の普及やアジャイル開発の定着により、DevOpsのスキルを持つエンジニアの需要は急速に高まっています。年収は500万円〜700万円からスタートし、AWS・Kubernetes・自動化スキルがあるとさらなる収入アップが期待できます。

DevOpsエンジニアに求められる資質・向いている人

効率化や自動化に興味があり、繰り返し作業を工夫して改善することが好きな人に向いています。開発チームと運用チームの両方とコミュニケーションを取りながら、システム全体を俯瞰的に見る力が重要です。新しいツールや技術を学び続ける好奇心と、問題解決への粘り強さも大切な資質です。

DevOpsエンジニアとSREの違い

DevOpsエンジニアは「開発(Dev)」と「運用(Ops)」の壁をなくして作業をスムーズにする役割が強調されています。一方、SREは安定稼働のための取り組みが中心で、サービスが止まらないようにどう設計し、どう運用するかを追求します。DevOpsは開発効率化、SREは信頼性向上により特化しているという違いがあります。

Phase 1: インフラの基礎を学ぶ

LinuxやGitの基本操作を習得し、DevOpsエンジニアとしての土台を作ります。コマンドラインでの作業に慣れ、バージョン管理の概念を理解することで、後の自動化学習がスムーズに進められるようになります。

Linux

サーバーの基本となるOSです。基本的なコマンドやファイル操作の知識が必要です。

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Git

プログラムの変更履歴を管理するツールです。チーム開発の基礎となります。

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Phase 2: CI/CDパイプラインを構築する

継続的インテグレーション・デプロイメントの基本を学び、Jenkins、GitHub Actions、GitLab CIなどのツールを使って自動化されたデプロイフローを構築します。開発者の作業効率を大幅に向上させる重要なスキルです。

Jenkins

オープンソースの継続的インテグレーションサーバーです。多数のプラグインが存在します。

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GitHub

最も人気のあるGitホスティングサービスです。Issue管理やPull Requestなど便利機能が豊富です。

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GitLab

リポジトリ管理や継続的インテグレーションをオールインワンで提供するプラットフォームです。

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Phase 3: コンテナ技術をマスターする

Dockerによるアプリケーションのコンテナ化と、Kubernetesによるコンテナオーケストレーションを学習します。現代のクラウドネイティブアプリケーション開発では必須の技術です。

Docker

開発環境を統一するツールです。フロントエンド・バックエンドの環境を一括管理できます。

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Kubernetes

コンテナ化されたアプリケーションを管理するためのオープンソースのコンテナオーケストレーションシステムです。

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Phase 4: クラウドインフラを理解する

AWS、Azure、GCPなどのクラウドプラットフォームを学び、スケーラブルで信頼性の高いインフラストラクチャを構築する方法を習得します。オンプレミスとは異なるクラウド特有の考え方を身につけます。

AWS

クラウドサービスの代表格です。本番環境のデプロイと運用に使用します。

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Azure

Microsoftのクラウドサービスです。Windowsサーバーとの相性が良い環境が整っています。

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Phase 5: Infrastructure as Codeを実践する

Terraformを使ってインフラをコードで管理する手法を学びます。バージョン管理されたインフラにより、環境の再現性と管理効率が大幅に向上します。

Terraform

インフラストラクチャをコード化するためのツールです。AWSやGCPなどのクラウド環境を管理できます。

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Phase 6: 監視とログ管理を構築する

PrometheusとGrafanaを使った監視システムや、ログ管理システムを構築して、システムの健全性を継続的に把握する仕組みを学びます。障害の早期発見と迅速な対応が可能になります。

Prometheus

システムの状態を監視するツールです。アプリケーションのパフォーマンスや健全性を監視します。

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Grafana

メトリクスの可視化とモニタリングのためのプラットフォームです。

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Elasticsearch

分散型の全文検索エンジンで、大規模なデータの検索と分析を可能にします。

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Phase 7: セキュリティを組み込む

DevSecOpsの考え方を学び、開発プロセスにセキュリティチェックを組み込む方法を習得します。脆弱性スキャンや設定チェックの自動化により、安全なシステム構築を実現します。

HashiCorp Vault

機密情報やトークン、証明書を安全に管理するためのソリューションです。

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Snyk

依存ライブラリの脆弱性をスキャンし、修正提案を行うサービスです。

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OWASP

Webアプリケーションのセキュリティを考えるコミュニティです。有名なTop 10の脆弱性リストがあります。

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Phase 8: 運用自動化を極める

より高度な自動化技術を学び、障害対応、バックアップ、スケーリングなどの運用作業を自動化します。24時間365日安定したサービス提供を実現するための運用ノウハウを身につけます。各種ツールを組み合わせて包括的な運用環境を構築します。

Helm

Kubernetes向けのパッケージマネージャーです。チャートと呼ばれるテンプレートでデプロイを管理します。

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Apache Kafka

分散型のストリーミングプラットフォームです。大規模データのリアルタイム処理に適しています。

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Envoy

高パフォーマンスなオープンソースのプロキシです。サービスメッシュのデータプレーンとして利用されます。

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DevOpsエンジニアのキャリアパス

DevOpsエンジニアは、開発と運用の境界を越えて、システム全体の効率化と自動化を推進する重要な役割を担います。最初は基本的な自動化ツールから始まり、徐々にクラウドインフラやコンテナ技術を習得し、最終的にはエンタープライズレベルのDevOps戦略を設計・実装できるエキスパートへと成長していきます。

1

新人DevOpsエンジニア

0-2年

CI/CDパイプラインの基本的な構築や、Dockerを使ったコンテナ化、基本的なクラウドサービスの操作から始める段階です。自動化の概念を理解しながら、開発フローの改善に取り組みます。

期待される責任と役割

  • CI/CDパイプラインの基本的な構築と保守を行い、デプロイプロセスを自動化する
  • Dockerコンテナを使ったアプリケーションの運用環境構築を担当する
  • 基本的なクラウドサービス(AWS EC2、S3など)の設定と管理を行う
  • 開発チームと連携して、デプロイやテストの自動化を支援する

必要なスキル

  • Git/GitHubを使ったバージョン管理とブランチ戦略の理解
  • Dockerの基本的な使い方とコンテナ化の概念把握
  • Linux基本コマンドとシェルスクリプトの作成能力
  • Jenkins、GitHub Actions等のCI/CDツールの基本操作
  • AWS、Azure、GCPいずれかのクラウドサービス基礎知識

市場の需要

DevOpsの基礎スキルを持つエンジニアは、スタートアップから中堅企業まで幅広く需要があります。特にクラウド移行を進める企業では、基本的な自動化スキルがあるだけでも重宝されることが多いです。

2

ミドルDevOpsエンジニア

2-5年

Kubernetesによるオーケストレーション、Terraformを使ったInfrastructure as Code、監視・ログ管理システムの構築など、より高度な技術を活用してシステム全体の最適化を図る段階です。

期待される責任と役割

  • Kubernetesクラスターの設計・構築・運用を担当し、スケーラブルなアプリケーション環境を実現する
  • TerraformやAnsibleを使ったInfrastructure as Codeによるインフラ管理の自動化
  • PrometheusやGrafanaを使った包括的な監視システムの構築と運用
  • チーム向けのDevOpsツールチェーンの設計と改善提案

必要なスキル

  • Kubernetesの深い理解とHelm、Istioなどの関連技術活用
  • Terraform、Ansible等のIaCツールを使ったインフラ自動化
  • Prometheus、Grafana、ELKスタックを使った監視・ログ分析
  • セキュリティベストプラクティスの理解とDevSecOpsの実践
  • 複数のクラウドプロバイダーでの運用経験

市場の需要

Kubernetesの運用経験があるDevOpsエンジニアは特に需要が高く、多くの企業でコンテナ化とマイクロサービス化が進んでいるため、即戦力として評価されやすい状況です。

3

シニアDevOpsエンジニア

5年以上

エンタープライズレベルのDevOps戦略の策定、組織全体のDevOps文化の醸成、新技術の評価・導入を主導し、技術的リーダーシップを発揮する段階です。

期待される責任と役割

  • 組織全体のDevOps戦略を策定し、技術選定とアーキテクチャ設計をリードする
  • マルチクラウド環境での複雑なシステム運用とコスト最適化を実現する
  • DevOpsチームの育成とスキルアップ、DevOps文化の組織への浸透を推進する
  • 新技術やツールの評価・PoC実施・本格導入の判断と実行を担当する

必要なスキル

  • エンタープライズレベルのアーキテクチャ設計と技術戦略立案能力
  • GitOps、Service Mesh、Observabilityなど最新DevOps技術の深い理解
  • チームマネジメントとDevOps文化醸成のためのリーダーシップスキル
  • ビジネス要件と技術要件のバランスを取った意思決定能力
  • マルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境での豊富な運用経験

市場の需要

大規模システムの運用経験と組織変革をリードできるシニアDevOpsエンジニアは非常に希少で、エンタープライズ企業やスケールアップ企業で高く評価され、技術責任者クラスのポジションも期待できます。

期待される責任と役割

  • CI/CDパイプラインの基本的な構築と保守を行い、デプロイプロセスを自動化する
  • Dockerコンテナを使ったアプリケーションの運用環境構築を担当する
  • 基本的なクラウドサービス(AWS EC2、S3など)の設定と管理を行う
  • 開発チームと連携して、デプロイやテストの自動化を支援する
  • Kubernetesクラスターの設計・構築・運用を担当し、スケーラブルなアプリケーション環境を実現する
  • TerraformやAnsibleを使ったInfrastructure as Codeによるインフラ管理の自動化
  • PrometheusやGrafanaを使った包括的な監視システムの構築と運用
  • チーム向けのDevOpsツールチェーンの設計と改善提案
  • 組織全体のDevOps戦略を策定し、技術選定とアーキテクチャ設計をリードする
  • マルチクラウド環境での複雑なシステム運用とコスト最適化を実現する
  • DevOpsチームの育成とスキルアップ、DevOps文化の組織への浸透を推進する
  • 新技術やツールの評価・PoC実施・本格導入の判断と実行を担当する

必要なスキル

  • Git/GitHubを使ったバージョン管理とブランチ戦略の理解
  • Dockerの基本的な使い方とコンテナ化の概念把握
  • Linux基本コマンドとシェルスクリプトの作成能力
  • Jenkins、GitHub Actions等のCI/CDツールの基本操作
  • AWS、Azure、GCPいずれかのクラウドサービス基礎知識
  • Kubernetesの深い理解とHelm、Istioなどの関連技術活用
  • Terraform、Ansible等のIaCツールを使ったインフラ自動化
  • Prometheus、Grafana、ELKスタックを使った監視・ログ分析
  • セキュリティベストプラクティスの理解とDevSecOpsの実践
  • 複数のクラウドプロバイダーでの運用経験
  • エンタープライズレベルのアーキテクチャ設計と技術戦略立案能力
  • GitOps、Service Mesh、Observabilityなど最新DevOps技術の深い理解
  • チームマネジメントとDevOps文化醸成のためのリーダーシップスキル
  • ビジネス要件と技術要件のバランスを取った意思決定能力
  • マルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境での豊富な運用経験

市場の需要

大規模システムの運用経験と組織変革をリードできるシニアDevOpsエンジニアは非常に希少で、エンタープライズ企業やスケールアップ企業で高く評価され、技術責任者クラスのポジションも期待できます。

よくある質問

DevOpsエンジニアになるのにプログラミングスキルは必要ですか?

DevOpsエンジニアには基本的なプログラミングスキルが必要です。特にPythonやBashスクリプトが書けると自動化タスクで重宝されます。ただし、アプリケーション開発ほど高度なプログラミング力は求められず、シェルスクリプトやインフラ自動化のためのコードが書ければ十分です。

インフラエンジニアからDevOpsエンジニアにキャリアチェンジは可能ですか?

可能です。インフラエンジニアの経験は非常に活かせます。追加でCI/CD、コンテナ技術、クラウド技術を学ぶことで、スムーズにDevOpsエンジニアとしてキャリアアップできるでしょう。既存のインフラ知識を活かしながら、自動化スキルを身につけることがポイントです。

DevOpsエンジニアとして就職するために最も重要なスキルは何ですか?

現在の市場では、Docker・Kubernetesのコンテナ技術と、AWS・Azure・GCPいずれかのクラウドプラットフォームの実務経験が最も重要です。加えてCI/CDパイプラインの構築経験があれば、多くの企業で即戦力として評価されるでしょう。これらのスキルを実際のプロジェクトで経験することをおすすめします。