初心者向けUnityチュートリアル

ゲーム開発

Unityとは何か

Unityは マルチプラットフォーム なゲームエンジンとして、多くの開発者に利用されています。 PCやモバイル向けはもちろん、コンソール機やVR向けの作品まで、幅広い環境に対応しているところが大きな特徴です。

また、C#言語 を使った開発が中心になりますが、視覚的な操作を通じてオブジェクトを配置し、設定を行うことができるので、プログラミング未経験の方にも取り組みやすいのではないでしょうか。 ゲームオブジェクトにコンポーネントを追加し、どのように動作させるかを直感的に設定できるため、デザイナーとプログラマーの役割分担がしやすい仕組みになっています。

個人開発から大規模プロジェクトまで対応できるスケーラビリティがある点もポイントです。 細かい操作が必要なときはスクリプトで制御し、複雑な機能はアセットと呼ばれる追加コンポーネントで補うことができます。

実務の現場では、プロトタイプを短期間で仕上げる際によく使われます。 簡単なサンプルを素早く作り、ゲーム全体の流れや基本コンセプトを検証するケースが多いです。

ここでは、初心者の方がUnityでどのように開発を始められるのかを、具体的なコードやプロジェクト設定とあわせて見ていきます。

Unityを使うための基本セットアップ

Unityを始めるには、まずUnity公式サイトでアカウントを作成し、インストーラをダウンロードする必要があります。 インストール時にUnity Hubという管理アプリを入手すると、複数バージョンのUnityを切り替えながら使えるようになります。

Unity 2023 LTSなど、比較的新しいバージョンを選択することが多いです。 初めてプロジェクトを作成するときは、テンプレートをどうするか選ぶ画面が表示されます。 テンプレートには2D、3D、URP (Universal Render Pipeline)、HDRP (High Definition Render Pipeline)などがあり、自分の作りたい作品に合ったものを選ぶとよいでしょう。

2Dなら横スクロールアクションやパズルなど、平面的なゲームが扱いやすいです。 3Dなら広い世界観や立体的なキャラクターモデルの表現に向いています。 また、URPやHDRPは、より美しいグラフィックを目指すプロジェクトに向いているのではないでしょうか。

Unity Hubではプロジェクトのバージョン管理やサンプルプロジェクトのダウンロード機能も利用できます。 実際に動くプロジェクトを確認しながら仕組みを学ぶと、理解が深まりやすいです。

ただし、大量の機能をいきなり把握しようとすると混乱しやすいかもしれません。 まずはご自身が何を作りたいのかを明確にして、必要な機能から学び始めるとスムーズだと思います。

Unityの基本的なプロジェクト構成

Unityのプロジェクトは、いくつかのフォルダが標準的に配置されています。 初心者の方はフォルダ構造に戸惑いやすいかもしれませんが、次のポイントを押さえておくと管理しやすいです。

Assets

画像、スクリプト、モデルなどのファイルをまとめる場所です。 新規に作成したシーンファイルやPrefabなどもここに格納されます。

Packages

Unityが提供する公式ライブラリや追加機能が含まれている場所です。 マニフェストファイルを通じて管理されることが多いです。

Project Settings

レンダリングや入力設定など、プロジェクト全体の設定がまとまっています。 ビルド時の設定などもここで調整できます。

ここで、シーン という概念が重要です。 シーンはゲームのステージや画面に相当し、オブジェクトの配置やライト設定をまとめる単位になっています。 例えばメインメニュー用のシーンと、実際のゲームプレイ用のシーンを分けるなど、複数のシーンを持つのが一般的です。

もう一つ、Prefab という仕組みも使いやすいので覚えておくと便利です。 これはオブジェクトのひな形のようなもので、同じオブジェクトを何度も使う場合に再利用できるようになります。 キャラクターやUIパーツをPrefab化しておくと、量産や一括修正がやりやすくなります。

最初のうちは「どこに何を置けばいいのか」という戸惑いがあるかもしれませんが、Assetsフォルダ内で用途ごとにフォルダを作成し、シーンやスクリプトを小分けしていくと管理が楽になります。

C#スクリプトの基本構造

Unityでのプログラミングは、主に C# という言語を使って行います。 オブジェクト指向言語の一つで、クラスとメソッドの仕組みを理解しておくとスムーズに取り組めるでしょう。

新しいスクリプトを作成するには、ProjectビューのAssets配下で右クリックし「C# Script」を選ぶか、上部メニューの「Create」からスクリプトを追加します。 すると、スクリプトファイルが作られ、エディタで編集できるようになります。

スクリプトは MonoBehaviour を継承したクラスが基本形です。 代表的なメソッドとして、Start()Update() が用意されています。 Start() はゲーム開始時やオブジェクト生成時に一度だけ呼ばれ、Update() はフレームごと(1秒間に複数回)に呼び出されます。

コード例を見てみましょう。

using UnityEngine;

public class PlayerController : MonoBehaviour
{
    public float speed = 5f;

    void Update()
    {
        float x = Input.GetAxis("Horizontal");
        float z = Input.GetAxis("Vertical");

        Vector3 movement = new Vector3(x, 0, z) * speed * Time.deltaTime;
        transform.Translate(movement);
    }
}

このクラスでは、水平方向と垂直方向の入力を取得し、オブジェクトを移動させています。 入力方法や速度を自由に変更できるので、キーボード操作やゲームパッド操作など幅広いインタラクションに対応できます。

なお、C#の基本文法をしっかり学ぶのも大切ですが、最初はUnityが用意するメソッドの流れを意識するだけでも充分ゲームを作り始められると思います。 実際にオブジェクトへスクリプトをアタッチし、プレイモードで動かしてみると理解しやすいでしょう。

2Dゲームと3Dゲームの違い

Unityは2Dにも3Dにも対応しているため、学習者はどちらから始めるべきか迷うことがあるかもしれません。 実際のところ、どちらも基本的なUnityの操作は共通しています。

2Dゲームを例にすると、スプライト と呼ばれる画像をシーンに配置してアニメーションさせたり衝突判定を行います。 一方、3Dゲームではオブジェクトのメッシュやマテリアル、ライトの種類など、3D特有の要素が多くなります。

実務の現場だと、2D表現でテンポよく進行するアプリを作ることもあれば、3D空間を使って製品のシミュレーションを行うケースもあります。 特にVRやARの分野では3Dの知識が必須ですので、将来的にそういった開発に興味がある方は3Dの基礎に慣れておくのがいいかもしれません。

ただ、視点の回転やカメラの管理に少し手間がかかる場合もあります。 最初に2Dで簡単なアクションゲームを作り、オブジェクト移動やスクリプトの書き方に慣れてから3Dに進むのも一つの手ではないでしょうか。

実務で活用されるケース

Unityが実務でどんなふうに使われているかを知ると、モチベーションが上がるかもしれません。 ここではいくつか代表的な利用シーンを見てみましょう。

ゲームスタジオでの開発

中小規模のチームでサクッと動くプロトタイプを作り、企画や仕様変更に合わせて拡張できることが重宝されています。

シミュレーションや可視化

建築現場の施工計画や自動車の衝突テストなど、リアルタイムで視覚的に確認したいときにUnityが活躍します。

教育や研修用の教材開発

体験学習向けの教材として、インタラクティブなシミュレーションをUnityで作ることが多いです。

イベントや展示会向けのVR/ARコンテンツ

装着型デバイスを使った体験型コンテンツも、Unityなら比較的簡単に構築できます。

こうした事例を見ていると、Unityはゲームエンジンとしての利用だけでなく、幅広い分野で活躍していることがわかるのではないでしょうか。 プログラミング初心者でも、アセットストアなどから必要な素材を揃えて作品を作りやすい環境が整っているのも大きな魅力です。

ゲームをビルドして公開するまで

Unityでは、ゲームを完成させた後のビルド手順も簡単です。 ビルドしたいプラットフォームを選び、設定を少し調整したうえでビルドボタンを押せば、指定のフォルダに実行ファイルが生成されます。

Windows向けにexeファイルを生成したり、WebGL向けにブラウザで動作する形式を作ったりもできます。 プラットフォームによっては追加でSDKをインストールしなければならない場合がありますが、Unity Hubからインストール可能です。

ここで気を付けることとしては、ビルドサイズやパフォーマンスを左右する設定です。 特にモバイル向けゲームだとファイルサイズが大きくなるとダウンロードに時間がかかるので、不要なアセットを含めないように工夫することが大切です。

ビルド後は必ず実行ファイルを起動して動作を確認しましょう。 テストをせずにリリースすると、予期しない不具合が残ったまま公開されてしまうことがあります。

公開先としてはPC向けのダウンロード配信サイトやモバイルアプリストアなど、目的に応じてさまざまです。 最初のうちはローカル環境でビルドして動かし、問題がなければ小規模リリースを試してみるのもいいでしょう。

さらにスキルを伸ばすために

Unityは機能が豊富なので、プロジェクトの規模や目標に応じて学ぶ範囲が大きく広がります。 ここでは、もう少し踏み込んだ要素に興味を持ったときに役立ちそうな観点をまとめてみました。

スクリプトの拡張

自分で作ったスクリプト同士の連携をスムーズにするために、イベント駆動やシングルトンパターンを使うケースがあります。 大きめのプロジェクトになるとスクリプトが増えるため、整理や命名規則も意識するとよいでしょう。

グラフィックスの最適化

3Dのリアルな表現や大量のオブジェクトを扱う場合、描画負荷を減らすためにカリングやライトベイクを活用します。 GPU負荷を確認しながら最適化を試みる手法が実務でも一般的です。

物理エンジンの活用

Unityには物理エンジンが組み込まれており、コライダーやリジッドボディを使ってリアルな挙動を再現できます。 物体がぶつかったり重力に従ったりする表現を行いたい場合に便利です。

UIシステム

TextやButtonを配置してUIを作るための仕組みがあり、Canvasやアンカー設定を使いこなすことでさまざまなデバイス解像度に対応できます。

ネットワークマルチプレイ

マルチプレイゲームやリアルタイム通信が必要な場合、Unityのネットワーク機能や外部のサービスを組み合わせることがあります。

こうした要素を少しずつ学んでいくと、より複雑なゲームやアプリケーションを作ることができるでしょう。 どれも初見では難しく感じるかもしれませんが、プロトタイプで試しながら理解を深めていくと自然に身につくのではないでしょうか。

まとめ

Unityは、初心者の方がゲーム開発やインタラクティブアプリを始めるうえで、取り組みやすい選択肢だと思います。 公式サイトからダウンロードし、Unity Hub経由でプロジェクトを管理する流れをつかめば、スクリプトやオブジェクトの配置などを直感的に学べるでしょう。

2Dと3Dの両方に対応しているので、自分が作りたい内容に合わせてテンプレートを選ぶと開発がスムーズです。 コードを書くときはMonoBehaviourのライフサイクルを意識し、Update()Start()などのメソッドを使いながらゲームの動きを作ります。

ビルドと公開もプラットフォームの選択だけで簡単に進められます。 最初は小規模なプロジェクトから着手し、慣れてきたらグラフィックスの最適化やネットワーク対応など高度な機能にチャレンジしてみてもよいでしょう。

無理に一度にすべてを習得しようとせず、興味のある部分から少しずつ実装してみることがおすすめです。

ここまでの内容を参考に、Unityでのゲーム開発に挑戦してみてはいかがでしょうか。 わかりやすいインターフェースと自由度の高いスクリプト編集が合わさって、初心者でも作品を形にしやすい環境が整っていると感じます。

<blockquote author="Unity初心者さん" source="ゲーム開発コミュニティ">
「Unityって難しそうに思っていましたが、実際に触ってみると何となく操作が理解できました。」
</blockquote>

皆さんもまずは新規プロジェクトを作り、小さなキャラクターを動かすところから始めてみてください。 そこから少しずつ機能を拡張し、作品の完成度を高めていく楽しさを味わえるはずです。

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