【JavaScript】練習方法とは?基本文法から実務活用までわかりやすく解説
はじめに
皆さんは「JavaScriptを練習するには何から始めればいいのだろう」と感じることはありませんか。
WebアプリケーションやWebサイトを扱う上で、JavaScriptは非常に重要な存在です。
しかし初めて勉強する方にとっては、変数や関数などの基本的な構文をどのように練習すれば良いのか、なかなかイメージしづらいかもしれません。
そこでこの記事では、JavaScriptの基本を丁寧に解説しながら、実際の開発現場でよく使われる場面を意識した練習方法をご紹介します。
これを読み進めていくことで、JavaScriptの概念と活用方法が頭の中で結びつき、自分でコードを書きながら理解を深められるようになるはずです。
これから順番に、JavaScriptの特徴を押さえたうえで練習方法を解説し、基本構文からDOM操作、そして非同期処理までを扱います。
最後には、実務でどのようなシーンで役立つかについても触れますので、日々の勉強を通して実践に生かせるヒントをつかんでみてください。
初心者の皆さんが楽しくコードを書けるよう、なるべく専門用語をかみ砕いてお伝えしていきます。
この記事を読むとわかること
- JavaScriptの基本的な特徴と利用場面
- よく使う文法 (変数・演算子・制御構文など) の基礎
- DOM操作の考え方やコード例
- 非同期処理やPromise、async/awaitの活用イメージ
- フォーム入力チェックやUI改善など実務での活用例
JavaScriptとは
JavaScriptは、Webブラウザ上で動的な動きを表現するためのプログラミング言語です。
HTMLやCSSだけでも静的なページを作ることは可能ですが、例えばボタンをクリックしたときに要素が表示・非表示になったり、入力内容をリアルタイムで検証したりする場合にJavaScriptが活躍します。
最近では、単にブラウザ内で動かすだけでなく、サーバーサイドやデスクトップアプリにも応用できるため、幅広い領域で使われています。
JavaScriptは大まかに「動きを与える」「処理を自動化する」ための言語と考えてみるとよいでしょう。
具体的には、Webページ上の要素を取得して内容を変更する、ボタン操作に応じたアニメーションをつける、フォーム入力が正しいかどうかをチェックするといった場面で用いられます。
こうした動作を可能にするための豊富なAPIを持っていることがJavaScriptの大きな特徴です。
Webブラウザでの利用
WebブラウザでJavaScriptを使うシーンは特に多いです。
たとえば、HTMLの要素をJavaScriptで取得して、クリックされたら色を変える、特定の条件でエラー文を表示するといったことが簡単にできます。
実際、Webサイトのユーザー体験を向上させるためのちょっとしたアニメーションや、UIのインタラクションがJavaScriptで実装されるケースは少なくありません。
ブラウザのコンソールを開いてみると、すぐにJavaScriptのコードを打ち込んで試すこともできます。
これから練習を始める方は、ブラウザのコンソールを活用するだけでも基本的な動きを確認しやすいでしょう。
特別なセットアップをしなくても、ブラウザ1つあれば手軽に実行できるのもJavaScriptの便利な点です。
他の開発シーンでの利用
JavaScriptは「Webブラウザのためだけの言語」ではありません。
Node.jsという環境を使うと、サーバーサイドでもJavaScriptで処理を実装できるようになります。
たとえば簡単なAPIサーバーを立ち上げたり、ファイル操作をしたり、チャットシステムを構築するといった場面でもJavaScriptが活躍します。
さらに、デスクトップアプリ開発やモバイルアプリ開発でもJavaScriptや関連フレームワークが活用されることがあります。
ElectronやReact Nativeといった技術を使えば、JavaScriptだけでWindowsやmacOS向けのアプリ、あるいはスマートフォン向けのアプリを作ることも可能です。
このように、多様な場面に対応できる言語だからこそ、しっかり練習する価値があると言えます。
JavaScript練習の全体像
JavaScriptを学ぶときは、やみくもにコードを書くだけでは効率が悪いかもしれません。
最初は変数やデータ型といった言語の基礎をしっかり覚え、次に条件分岐やループ処理で応用を利かせると理解が深まります。
また実際のブラウザ上で何かしらの動きを加える練習を通じて、画面の要素を操作するDOMの扱い方やイベント制御を意識すると、実務に近いイメージをつかみやすくなるでしょう。
この過程を一通りマスターしたあとで、非同期処理に取り組んでみるとさらに学習が捗ります。
非同期処理は、例えばサーバーからデータを取得して表示する際に必須となる知識です。
Promiseやasync/awaitといったキーワードを耳にするかもしれませんが、これもJavaScriptの練習に欠かせない範囲となります。
練習をするときは、短いコードを書いてブラウザのコンソールで動かしながら試すのがおすすめです。
一つずつ正しい理解を積み重ねていけば、複数の機能を組み合わせたときにも混乱しにくくなります。
最初から難しいライブラリやフレームワークに手を出さず、素のJavaScriptでどこまでできるかを確認することで、基礎体力が身につくはずです。
環境準備
JavaScriptの練習を始める際には特別なソフトウェアを用意しなくてもOKです。
パソコンとWebブラウザがあれば、その中のコンソールでJavaScriptを直接実行できるため、環境構築のハードルが低いのも魅力です。
ただしコードを本格的に書き始めると、コードエディタを使ったほうが編集しやすく、見た目も整うのでおすすめです。
ローカルでの実行
テキストエディタで .html
ファイルを作り、そこに <script>
タグを埋め込んでJavaScriptのコードを書く方法があります。
作業手順としては、たとえば以下のようなファイルを作成して、ブラウザで開くだけです。
<!DOCTYPE html> <html> <head> <meta charset="UTF-8" /> <title>JavaScript練習</title> </head> <body> <h1>JavaScript練習ページ</h1> <script> console.log("こんにちは JavaScript!"); </script> </body> </html>
このファイルをブラウザで開くと、画面には「JavaScript練習ページ」という文字しか表示されません。
しかしブラウザの開発者ツールを開いてコンソールを確認すると、こんにちは JavaScript!
という出力が見えるでしょう。
こうした簡易的な形でも、十分に練習を重ねることができます。
ブラウザコンソール
さらに手軽に試したい場合は、ブラウザのコンソールを直接使ってみましょう。
Chromeなら、画面上で右クリックして「検証」を選ぶか、Ctrl + Shift + J
(Windows)などのショートカットを使うとコンソールが表示されます。
そのコンソールに console.log("Hello from Console!")
と入力すると、すぐに文字が出力されます。
この方法は「今ちょっとだけコードを試してみたい」というときに便利です。
ただ、まとまったコードを書く場合はエディタとHTMLファイルを用意したほうが管理しやすいです。
慣れてくるまでは、コンソールとHTMLファイルの両方を使いながら、思いついたことをすぐ試してみるスタイルで練習を進めてみましょう。
コードエディタの選択
VS CodeやAtomなどのエディタを使うと、シンタックスハイライト(コードの色分け表示)や入力補完などの機能が使えます。
これによってコードの可読性が高まり、書き間違いにも気づきやすくなるでしょう。
ある程度のコード量を扱うようになったら、こうしたコードエディタを導入すると練習がさらに快適になります。
変数とデータ型の練習
JavaScriptで最初に押さえておきたいポイントが変数の扱い方です。
ここでは let
と const
を中心に覚えておくと良いでしょう。
var
も古くからあるキーワードですが、最新の書き方では let
や const
が推奨されることが多いです。
letとconstの使い分け
let
は、値を再代入できる変数を宣言したい場合に使います。
一方で const
は、基本的に再代入したくない定数扱いをしたい場合に使います。
次の例を見てみましょう。
let userName = "Taro"; console.log(userName); // Taro userName = "Hanako"; console.log(userName); // Hanako const pi = 3.14; console.log(pi); // 3.14 // pi = 3.14159; // ここで再代入するとエラーになる
let
で宣言した userName
は途中で再代入できますが、const
で宣言した pi
は変更できません。
数値や文字列など、今後値を更新する見込みがない場合は const
のほうが安全です。
データを取り扱うときに、この二つを使い分けることでコードの意図が明確になります。
基本的なデータ型
JavaScriptの主なデータ型には、数値、文字列、真偽値、オブジェクト、配列などがあります。
数値は let price = 100;
のように書き、文字列は let greeting = "Hello";
のように引用符を使います。
真偽値は true
か false
の2種類しかありません。条件分岐でよく登場するので覚えておきましょう。
それ以外に、オブジェクトや配列も頻繁に使われます。
オブジェクトはキーと値のペアをまとめたデータ構造で、配列は順番に格納されるリスト構造のようなものです。
これらを使うと、複雑な情報をまとめて処理できるため、大規模なシステムでも扱いやすくなります。
演算子の練習
演算子とは、数値を足したり引いたり、値を比較したりするときに用いる記号やキーワードです。
JavaScriptには算術演算子(+
, -
, *
, /
, %
など)や、比較演算子(===
, !==
, <
, >
など)が存在します。
これらの演算子をしっかり身につけると、条件分岐やループなどをスムーズに書けるようになるでしょう。
代数演算子
足し算や引き算といった基本的な演算子を扱う場合は、次のコードのようになります。
let a = 10; let b = 3; console.log(a + b); // 13 console.log(a - b); // 7 console.log(a * b); // 30 console.log(a / b); // 3.3333333333 console.log(a % b); // 1 (10 ÷ 3 の余り)
小数点を含んだ計算や、累乗演算子 (**
) などもJavaScriptでは対応しています。
整数だけでなく浮動小数点数も扱えるので、金額計算やグラフ描画の処理などにも応用できます。
文字列結合演算子
文字列をつなげる場合は +
が使われます。
let firstName = "John"; let lastName = "Doe"; let fullName = firstName + " " + lastName; console.log(fullName); // John Doe
一方でバッククォート( `
)を使ったテンプレートリテラルでも文字列を結合できます。
たとえば `Hello, ${firstName}!`
のように変数を埋め込む書き方は可読性が高いので、ぜひ覚えておきましょう。
比較演算子
条件分岐やループを書く上で比較演算子は欠かせません。
===
は「値と型が同じ」かどうかを比較し、!==
は「値もしくは型が異なる」ことを判定します。
let x = 5; console.log(x === 5); // true console.log(x === "5"); // false (型が異なる) console.log(x !== 5); // false (値も型も同じ) console.log(x !== "5"); // true (型が異なる)
==
や !=
という演算子もありますが、型の変換が暗黙的に行われて比較されるため、意図しない結果を招くことがあります。
そのため「厳密な比較」ができる ===
と !==
のほうを使うのが一般的です。
条件分岐の練習
条件分岐はプログラムの流れをコントロールするための仕組みで、if
文や switch
文が代表的です。
複数の状態に応じて異なる処理を実行するには欠かせない要素なので、繰り返し練習しておきましょう。
if文とswitch文
if
文はシンプルに条件分岐を実装するために使います。
let score = 85; if (score >= 90) { console.log("とても良いスコアです"); } else if (score >= 70) { console.log("合格点に達しています"); } else { console.log("再度学習しましょう"); }
複雑な条件分岐が重なると if - else if
が増えていき、コードが読みにくくなる場合があります。
そういった場合は switch
文を使ってみるのも一つの手です。
let fruit = "apple"; switch (fruit) { case "apple": console.log("りんごが選ばれました"); break; case "banana": console.log("バナナが選ばれました"); break; default: console.log("該当するフルーツがありません"); }
switch
文は特定の値に応じた処理を分けたいときに向いています。
ただし複雑な条件式にはあまり向かないこともあるので、状況に応じて if
文と使い分けると良いでしょう。
ループ処理の練習
同じ処理を繰り返し行うときには、ループ文が役立ちます。
JavaScriptでは for
文や while
文が基本的ですが、配列操作では forEach
や map
といった高階関数もよく使われます。
for文
次の例では配列内の要素を順番に取り出して、コンソールに表示しています。
let colors = ["red", "green", "blue"]; for (let i = 0; i < colors.length; i++) { console.log(colors[i]); }
ループ変数 i
が 0
から colors.length - 1
までインクリメントされながら実行されます。
配列の全要素に対して処理を行いたいときに、この方法はとてもシンプルです。
while文
while
文は「条件がtrueである限り繰り返す」仕組みです。
明確に繰り返し回数が決まっていない場合に使われることが多いでしょう。
let count = 0; while (count < 3) { console.log("カウント: " + count); count++; }
このコードは count
が 3 になるまでループを続け、カウントをコンソールに表示します。
条件がfalseになるまで延々とループするため、誤って条件が変化しないように書くと無限ループになることがあります。
forEachやmapなどの高階関数
配列を扱う場合は、forEach
や map
を使うことで簡潔に書けることが多いです。
let numbers = [1, 2, 3, 4, 5]; // forEach: 各要素に対して繰り返し処理 numbers.forEach((num) => { console.log(num * 2); }); // map: 各要素を変換して別の配列を作る let doubled = numbers.map((num) => num * 2); console.log(doubled); // [2, 4, 6, 8, 10]
forEach
は単に要素を順次処理するのに便利です。
map
は戻り値として新しい配列を返すので、変換した結果をさらに別の処理に渡すようなパターンで重宝します。
関数の練習
プログラムの中で繰り返し使う処理を関数として切り出しておくことで、コードが整理しやすくなります。
JavaScriptでは、関数宣言や関数式、アロー関数など複数の書き方がありますが、基本的な考え方は「特定の入力を与えると、決まった処理を行う」というものです。
関数宣言と関数式
関数宣言は次のように書きます。
function greet() { console.log("こんにちは!"); } greet(); // 関数を呼び出す
一方、関数式やアロー関数を使うと、変数に関数を代入する形で定義できます。
const greet2 = function() { console.log("おはようございます!"); }; const greet3 = () => { console.log("こんばんは!"); }; greet2(); greet3();
いずれも「処理をまとめて呼び出す」用途は同じですが、スコープの扱いなど細かい違いがあります。
初心者のうちは「書き方が違うんだな」と大まかに理解しておけば十分です。
アロー関数
アロー関数は、より簡潔に書けるように改良されたシンタックスです。
引数が1つの場合は、(x) => x * 2
のように丸括弧を省略できたり、処理が1行だけなら波括弧 {}
も省略できたりします。
例えば、以下のような書き方が可能です。
const double = x => x * 2; console.log(double(5)); // 10
簡潔かつ見通しの良いコードを書くためには、アロー関数を使いこなすと便利です。
引数と戻り値
関数の引数は関数の呼び出し時に受け取る値で、戻り値は関数内の処理結果を返す値のことです。
function add(a, b) { return a + b; } let sum = add(3, 4); console.log(sum); // 7
引数や戻り値を活用すると、汎用的に繰り返し使える関数が作れます。
不要な処理を減らし、必要な箇所だけを変更すれば再利用できるのはプログラミングの大きなメリットの一つです。
オブジェクトの練習
JavaScriptのオブジェクトは、キーと値のペアをまとめたデータ構造です。
たとえば下記のように、ユーザー情報をオブジェクトとして管理すると、扱いやすさが一気に向上します。
const user = { name: "Taro", age: 28, greet: function() { console.log("こんにちは!私は" + this.name + "です。"); }, }; console.log(user.name); // Taro user.greet(); // こんにちは!私はTaroです。
user
オブジェクトには name
や age
といったプロパティと、greet
のようなメソッドを持たせることができます。
メソッド内で this
を使うと、オブジェクト自身のプロパティにアクセスできます。
プロパティとメソッド
オブジェクトは、複数のプロパティをひとまとめにできる便利な構造です。
プロパティは「キー: 値」の形で定義し、値の部分には関数を含めることもできます。
こうした関数を「メソッド」と呼び、オブジェクトの動作を定義する要素として位置付けられます。
配列との違い
オブジェクトと配列は、どちらも複数の値をまとめて扱えます。
しかしオブジェクトは「キー名」を指定してデータへアクセスし、配列は「インデックス番号」を使ってアクセスします。
どのような形でデータを表現したいかによって、オブジェクトと配列を使い分けましょう。
配列の練習
配列は順番にデータを格納したいときに使う構造です。
["apple", "banana", "grape"]
のように角括弧を使って宣言し、0番目から順に要素を読み出せます。
JavaScriptの配列は要素の追加や削除が柔軟に行えるため、初心者でも取り扱いやすいでしょう。
要素の追加・削除
要素を追加する方法はいくつかありますが、最も基本的な手段としては push
と unshift
があります。
push
は配列の末尾に要素を追加し、unshift
は先頭に要素を挿入します。
let fruits = ["apple", "banana"]; fruits.push("orange"); console.log(fruits); // ["apple", "banana", "orange"] fruits.unshift("grape"); console.log(fruits); // ["grape", "apple", "banana", "orange"]
削除には pop
(末尾を削除)と shift
(先頭を削除)が使えます。
配列の中間地点から要素を削除したい場合には splice
が便利です。
forEachやmapなどの活用
すでにご紹介したように、配列には forEach
や map
、filter
など多彩なメソッドが用意されています。
これらを活用すると、要素をまとめて処理したり、条件に応じて新しい配列を作成したりできます。
let scores = [60, 80, 90, 70]; // filter: 条件を満たす要素のみ抽出 let passed = scores.filter(score => score >= 70); console.log(passed); // [80, 90, 70]
このように、配列はデータをまとめて管理したいときに強力な道具となります。
多次元配列
配列の要素として別の配列を持つ場合、二重・三重といった多次元配列を作れます。
let matrix = [ [1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9], ]; console.log(matrix[1][2]); // 6 (2行目の3列目)
2次元以上になるとデータ構造が複雑になりがちですが、表形式の情報を扱う際には便利な手法です。
ループを組み合わせて、行列のようなデータを処理できる点も押さえておきたいところです。
DOM操作の練習
Webブラウザ上のHTML要素を操作するには、 DOM (Document Object Model) を扱う必要があります。
DOMはHTML文書をオブジェクトとして表したもので、JavaScriptを通じて自由に変更や取得ができるようになっています。
HTML要素の取得
HTMLの要素をJavaScriptで取得する方法として、document.getElementById
や document.querySelector
などがあります。
以下の例は document.querySelector
を用いて、CSSセレクタの書き方で要素を取得するパターンです。
<!DOCTYPE html> <html> <body> <p id="msg">ここにメッセージが入ります</p> <button id="btn">クリックしてメッセージを変える</button> <script> const msgElement = document.querySelector("#msg"); const button = document.querySelector("#btn"); button.addEventListener("click", () => { msgElement.textContent = "ボタンがクリックされました"; }); </script> </body> </html>
このように、要素の中身を更新したり、イベントに応じてテキストやスタイルを変えたりすることができます。
document.querySelectorAll
を使えば、同じクラス名を持つ要素をまとめて取得することもできます。
要素の作成と削除
要素を新たに作りたい場合は document.createElement
を利用します。
例えば、新しい <li>
要素を作ってリストに追加するコードは次のようになります。
const newItem = document.createElement("li"); newItem.textContent = "新しい項目"; const list = document.querySelector("ul"); list.appendChild(newItem);
削除するときは、親要素から removeChild
を呼び出す方法などが一般的です。
ユーザーの操作に応じて、要素を動的に増減させるのがDOM操作の醍醐味です。
イベントリスナーの登録
ボタンがクリックされたときに処理を実行したり、フォームが送信されたときに検証を行ったりするには、イベントリスナーを登録します。
addEventListener
を使うと、クリックやキーボード入力など、さまざまなイベントに反応させることが可能です。
const button = document.querySelector("#btn"); button.addEventListener("click", function() { alert("クリックされました!"); });
これによって、ユーザーの操作と連動して画面を更新したり、メッセージを出したりできます。
JavaScriptの醍醐味は、こういったインタラクションを自由に作れる点にあります。
非同期処理の練習
JavaScriptにはブラウザでの動きに最適化された非同期処理の仕組みがあります。
例えば、サーバーからデータを取得している間も他の処理を先に進められるため、画面が固まらずにスムーズな操作感を提供できるという利点があります。
コールバック
非同期処理の初歩的なパターンとしては、コールバック関数を使う方法があります。
何かの処理が終わったあとに呼び出される関数を定義しておくイメージです。
function fetchData(callback) { setTimeout(() => { const data = { name: "Taro", age: 25 }; callback(data); }, 1000); } fetchData((result) => { console.log(result); // { name: "Taro", age: 25 } });
ここでは setTimeout
を使って1秒後にデータが返ってくるように見せています。
実際にはサーバー通信などを行う時にも、このようにコールバック関数を利用することがあります。
Promise
コールバックが増えるとコードが入れ子になって読みにくくなる場合があります。
そこで登場したのが Promise です。
Promiseを使えば、「成功したとき」「失敗したとき」に行いたい処理を分けて書けるので、コールバック地獄をある程度回避できます。
function fetchDataPromise() { return new Promise((resolve, reject) => { setTimeout(() => { const data = { name: "Hanako", age: 22 }; resolve(data); }, 1000); }); } fetchDataPromise() .then((res) => { console.log(res); // { name: "Hanako", age: 22 } }) .catch((err) => { console.log("エラー:", err); });
then
で成功時の処理を、catch
でエラー時の処理を受け取れるため、可読性が向上することが多いです。
async/await
さらに、非同期処理を直感的に書けるのが async/await です。
内部的にはPromiseをベースにしていますが、コードが同期処理のように読めるため、初心者の方でも比較的理解しやすい書き方と言われています。
async function main() { try { const result = await fetchDataPromise(); console.log(result); // { name: "Hanako", age: 22 } console.log("この行はデータが取得されてから実行される"); } catch (error) { console.log("エラー:", error); } } main();
await
はPromiseが解決されるのを待つキーワードです。
これによって「1つ目の処理が終わってから次の処理をしたい」といったフローを自然な形で書けます。
実務でのJavaScript活用例
JavaScriptを練習していくと、Webサイトを動的に操作できる強みを実感するでしょう。
実務では、ユーザーの入力チェックや画面遷移など、ちょっとした工夫で大きく利便性を高めるケースが多々あります。
ここでは具体例を通して、どんな場面に応用できるのかをイメージしてみましょう。
フォーム入力のバリデーション
例えば、会員登録フォームで入力されたメールアドレスが正しい形式かどうかを確認したいときに、JavaScriptで判定を行うことがあります。
送信ボタンを押された瞬間にJavaScriptが働き、エラーメッセージを表示して入力を促すと、ユーザーにとって使いやすい画面になります。
const form = document.querySelector("#signupForm"); form.addEventListener("submit", (e) => { const emailField = document.querySelector("#email"); const emailValue = emailField.value; if (!emailValue.includes("@")) { e.preventDefault(); alert("メールアドレスの形式が正しくありません"); } });
上記のように、送信前にバリデーションを行ってエラーがあれば送信をキャンセルすることで、サーバー側でエラーを検出するよりも早くユーザーにフィードバックを返せます。
動きのあるUI
ボタンを押したらアコーディオンメニューが開いたり、画像にホバーしたら説明がふわりと表示されたりといった動きは、JavaScriptが得意とする部分です。
こうしたUIの改善ポイントは数多く、ユーザーの操作に応じてどのように変化するかをJavaScriptで緻密に制御できます。
簡単な練習としては、マウスクリックによって画像を切り替えるスライドショーを作る方法があります。
画像を配列に格納し、インデックスを切り替えるだけでも、十分に見栄えのする機能を実装できます。
UIを微調整してユーザー体験を向上させる場面は、実務でも頻繁に出てきます。
練習の段階から、ユーザーがどのような流れでページを見るかを意識しながらコードを書くと、応用しやすくなるでしょう。
デバッグのコツ
プログラミングをしていると、思い通りにコードが動かないことは珍しくありません。
そんなときにはデバッグが必要です。
コンソールログ
最も手軽なのが、console.log
で変数の値やプログラムの進行状況を確認する方法です。
「どこまで処理が進んでいるのか」「変数がどの時点でどんな値を持っているのか」を順番に確認できます。
初心者のうちは慣れない構文や関数が多いため、こまめにログを仕込んで動きを確かめると良いでしょう。
ブラウザの開発者ツール
Chromeなどのブラウザには、ソースコードをブレークポイントで停止させながら実行できるデバッガ機能があります。
実行時の変数の中身を一時停止してチェックしたり、一行ずつステップ実行して挙動を追ったりできます。
より複雑なバグを直すときには非常に役に立つので、機会があれば使い方を調べてみてください。
まとめ
ここまで、JavaScriptの基本的な構文と練習の進め方、さらには実務での具体的な利用シーンまでを見てきました。
最初は変数や配列などの基礎をしっかり理解し、その上でDOM操作やイベント制御の仕組みに取り組むと、画面に動きをつけるスキルが身につきやすいです。
非同期処理も押さえておくと、サーバー通信や外部データの取得が絡む開発案件に対応できるでしょう。
また、実務の現場ではフォームのバリデーションからUIのアニメーションまで、あらゆる場面でJavaScriptが活躍しています。
そこに至るまでの道のりは多岐にわたりますが、一つひとつ丁寧に練習を重ねていけば、少しずつ確実に力がついていくはずです。
ぜひコンソールを活用したり、実際にHTMLやCSSと組み合わせたりしながら、コードを書く楽しさを味わってみてください。
しっかりと基礎を固めることで、どのようなフレームワークを使うときでも応用が利くようになります。
本記事で触れた内容が、皆さんのJavaScript練習の助けとなれば幸いです。