バブルソートとは?初歩から具体的な手順まで徹底解説
はじめに
皆さんは「配列の並び替えをどうやって行うのだろう」と疑問に思ったことはないでしょうか。 プログラミングを始めると、数値や文字列の並び替えが必要になる場面は意外と多いですね。 その中でも、基本的なソート方法としてよく紹介されるのがバブルソートです。 初心者の方でもイメージしやすい反面、効率の面ではあまり優れた方法とは言えません。 それでもアルゴリズムの学習を進めるうえで、まずはバブルソートを理解しておくと他のソート手法とも比べやすいでしょう。
この記事を読むとわかること
- バブルソートの基本的な考え方
- バブルソートがよく使われる具体的なシーン
- バブルソート以外のソートとの違い
バブルソートの全体像を簡潔に押さえることで、ソートアルゴリズムへの理解が深まります。 また、実務での利用機会や注意点を知ることで、必要以上にバブルソートを多用してしまうことを避けられます。 実装例を通して具体的なコードの流れも確認してみてください。
バブルソートとは何か
バブルソートは、隣同士の要素を比較し、大小の順番が逆であれば入れ替えていくアルゴリズムです。 配列やリストを1回走査するたびに、最も大きな要素(あるいは最も小さな要素)が末端に移動していく構造になっています。 「泡が水面に浮かんでくるイメージ」で配列の端から要素が定まっていくことから、この名前で呼ばれています。 理屈としてはわかりやすい一方で、要素数が多くなるにつれて比較や交換の回数が大きく増えてしまう特徴があります。 とはいえ、最初にソートアルゴリズムに触れる際に学んでおくと、後続のアルゴリズムとの比較がしやすくなるはずです。
バブルソートの特徴
バブルソートの最大の特徴は、アルゴリズムの流れが単純で理解しやすい点にあります。 要素を外から内へ順次見ていき、並べ替える必要があればその場で交換するだけなので、初学者でもコードの動きが追いやすいでしょう。 一方で、計算量はおおむねO(n^2)とされ、要素数が多いと処理時間が一気に増大しがちです。 もう少し要素が減れば効率化につながるのでは、と考える人もいるかもしれませんが、基本的にバブルソートでは大幅な高速化は見込めません。 ただし小規模なデータや既にほぼ整列済みのデータであれば、処理がスムーズに進むケースもあります。
バブルソートの仕組み
バブルソートの仕組みは「繰り返し」と「要素の入れ替え」で成り立っています。 具体的には、配列の先頭から隣り合う要素を順に比較して、大きさ(または並び順)が逆であれば交換します。 これを末尾まで繰り返すと、比較した範囲の中ではもっとも大きな要素が末尾に移動します。 次のループでは最後の要素は整列済みとみなし、あらためて先頭から同様の比較を行います。 この操作を配列が完全に整列されるまで継続し、最終的には配列全体が昇順もしくは降順に並び替えられるわけです。
バブルソートでは何度も比較を繰り返すため、すでに整列が終わっているかどうかを判定するフラグを用意すると、無駄なループを減らせる場合があります。
具体的なイメージ
バブルソートでは、最初のループで最も大きな要素を1つ確定させることができます。 例えば[5, 3, 8, 2, 1]という配列があるとしましょう。 ループを1回終えるごとに、右端にある要素は整列済みとみなせるため、次回の比較対象から外すことも可能です。 このようにループのたびに整列対象の範囲を狭めていき、最終的に全体を並び替えます。
実務での活用シーン
バブルソートは学習用として有用ですが、実務で頻繁に使われるわけではありません。 しかし、アルゴリズムの動作を可視化して学ぶシーンでは、バブルソートの直感的な手順が役立つことがあります。 例えば、簡単なデモンストレーション用ツールや教育向けプロトタイプなどでは、理解しやすいロジックをあえて採用するケースがあります。 また、データ量が極端に少ない場面では、実装の単純さを優先してバブルソートを利用することも考えられます。 一方で、処理が重くなりがちな大規模データには基本的には向いていないため、バブルソート以外のアルゴリズムとセットで検討するのが一般的です。
バブルソートのコード例
ここではJavaScriptを使って、バブルソートの簡単な実装例を示します。 コード内では配列内の要素をループしながら、隣り合う要素同士を比較して順序が逆なら入れ替えます。 それを配列の要素数-1回だけ繰り返すことで、昇順に並べ替えることが可能です。
function bubbleSort(array) { // 配列の要素数を取得 let n = array.length; for (let i = 0; i < n - 1; i++) { // 比較回数は回を重ねるごとに減っていく for (let j = 0; j < n - 1 - i; j++) { if (array[j] > array[j + 1]) { // 要素の交換 let temp = array[j]; array[j] = array[j + 1]; array[j + 1] = temp; } } } return array; } // 実行例 const sampleArray = [5, 3, 8, 2, 1]; console.log("ソート前:", sampleArray); const sortedArray = bubbleSort(sampleArray); console.log("ソート後:", sortedArray);
この例では、一つの配列を昇順に並べ替えています。 単純に比較と交換を繰り返すだけなので、動作の流れを追いやすいでしょう。 やり方はシンプルですが、要素数が大きくなると処理時間が増えやすい点は押さえておきたいですね。
バブルソートのメリットとデメリット
バブルソートには次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- アルゴリズムの仕組みが理解しやすい
- 実装が簡単でミスが少ない
- データ量がごく少ない場合なら、手軽にソートを実装できる
バブルソートは何よりシンプルな点が魅力です。 プログラミング初心者の方には、配列要素の比較と交換のイメージが掴みやすいでしょう。
デメリット
- 要素数が増えるほど計算量が大きくなる
- 実務レベルの大量データには不向き
- 他のソートアルゴリズムに比べると処理の無駄が多い
ソートの度に隣同士を比べ、順序が逆なら逐一交換するため、要素数が多いと非効率になりやすいです。 そのため、実務で大規模データを扱う際には、別の高速なソートを採用することが一般的です。
他のソートアルゴリズムとの比較
バブルソート以外にも、ソートを実現する方法はたくさん存在します。 以下の表は代表的なソートアルゴリズムを比較したものです。 どのソートを選ぶかは、データの大きさや性質、そしてコードの複雑さなどを総合的に考慮して決定する必要があります。
ソート方法 | 平均計算量 | 実装難易度 | 特徴 |
---|---|---|---|
バブルソート | O(n^2) | 易しい | 繰り返し配列を隣接交換しながら整列 |
挿入ソート | O(n^2) | 易しい | 部分的に整列済みの配列に強み |
選択ソート | O(n^2) | 易しい | 最小(または最大)要素を選び続ける |
クイックソート | O(n log n) | 難しい | ピボット選択により分割と整列を繰り返す |
マージソート | O(n log n) | 中程度 | 分割統治法を用い、部分的な配列を結合して整列する |
ご覧のとおり、バブルソートは他のアルゴリズムと比較すると計算量の観点で見劣りします。 しかしアルゴリズムの基本を学ぶにはバブルソートが最初のステップになりやすく、学んだあとにクイックソートやマージソートなどに進むと理解しやすいでしょう。
まとめ
ここまで、バブルソートの仕組みやコード例、実務での使われ方について解説しました。 小規模データやアルゴリズムの可視化教材などでは役立つシーンもあるため、決して無駄な手法というわけではありません。 一方、実務で多くのデータを扱うときは、計算量や処理時間を考慮して別のソートを選ぶケースが多いです。 とはいえ、まずはシンプルなソートを理解しておくことが、より高度なアルゴリズムへと進む良いきっかけになります。 皆さんもバブルソートの流れをつかんで、より複雑なソート手法に挑戦するときの参考にしてみてはいかがでしょうか。