SSO とは?初めての方にもわかりやすい仕組みと導入のメリット
SSO とは?最初に知っておきたい基本の仕組み
皆さんはウェブサービスを利用するとき、複数のアカウントを管理するのが大変だと感じたことはないでしょうか?
SNS、メールサービス、業務アプリなど、いろいろなサービスでそれぞれログイン情報を覚えておくのは面倒ですね。
SSO (Single Sign-On) はそんな悩みを解決する手段として登場しました。
1度ログインするだけで、複数のサービスをまたいで認証情報を使いまわすことができる仕組みです。
ここでは初心者の皆さんにも理解しやすいように、SSOの概要から導入メリット、実際の利用シーンを丁寧に紹介していきます。
システム開発やサービス運用を検討する人にとっても、理解を深めるきっかけになるはずです。
SSO の大まかなイメージ
SSOを導入すると、利用者はあるサービスにログインした時点で、別のサービスへ移動するときに改めてログインする手間が省けます。
例えば企業の社内システムにSSOを導入した場合、メール、グループウェア、オンライン会議ツールなどに個別にログインしなくて済むので、働きやすさが増すでしょう。
また、外部サービスを利用するときにも、同じIDとパスワードを使いまわさずに済むケースがあります。
異なるサイト間での認証情報の連携が安全に行われるので、セキュリティ面でも安心感が高まります。
どんな仕組みで成立するのか
SSOでは、認証情報を集中的に管理する仕組みがポイントになります。
単純なイメージとしては、「認証を担当するサービス」 と 「利用者がアクセスする各サービス」 を分けて考えると理解しやすいです。
利用者が最初に認証専門のサービスにログインすると、その情報がセキュアな形で保持されます。
そして別のサービスにアクセスするとき、あらためてパスワードを入力しなくてもすでにログイン状態であることが確認されるわけです。
では、どうやって「すでにログイン中である」ことを通知するのでしょうか?
そのやり方にはいくつかの方式があり、代表的なものとして 「Cookieベースの方式」 と 「トークンベースの方式」 があります。
Cookieの場合はブラウザにセッションクッキーを持たせ、認証専用サーバーと連携してログイン済みかを判定します。
トークン方式では、OAuth や OpenID Connect などのプロトコルを使い、トークンを発行して各サービスで認証を行います。
後ほど、具体的な例を見ながら説明していきます。
SSO を導入する利点
SSOにはさまざまな利点があります。
たとえば、こんなメリットが考えられます。
- ログインの手間を削減できる
- パスワードの使い回しリスクが減る
- アカウント管理が一元化される
- ユーザー体験が向上する
ログインの手間が減ると、多くのサービスをスムーズに使えるようになります。
パスワードの使い回しリスクが減るのは、単一のアカウント管理基盤を利用できるからです。
また、アカウントを集中管理することで、ユーザーの追加・削除、パスワードリセットなどの運用もまとめて行いやすくなります。
これは企業のIT管理者にとっても大きなメリットです。
利用者の満足度も上がるので、サービス提供者にとっては離脱率の低減が期待できるかもしれません。
業務で使われる場面
多くの企業で、社内ポータルサイトをSSOの入り口にしている例があります。
利用者はまず社内ポータルにログインすることで、その先のファイル共有システムや勤怠管理システムなどを意識せずに利用できるのです。
また、外部のクラウドサービスを使うときにもSSOは役に立ちます。
Google WorkspaceやMicrosoft 365、その他の業務ツールと社内の認証基盤を連携させて、入社や退社に合わせてアカウントを制御する仕組みがよく見られます。
これは利便性とセキュリティの両方を確保する上で便利ですね。
個人向けサービスでも、SNSアカウントを利用してログインできるケースがあります。
「Googleアカウントでログイン」「Facebookアカウントでログイン」などのボタンを見かけることがあるでしょう。
あれも広い意味ではSSOの1つです。
ただし、その際にはSNS側の認証システムに依存するので、企業で導入するSSOとは少し状況が違います。
代表的な方式
SSOの実装方式には複数のアプローチがあります。
大まかな代表例を挙げると次のようなものです。
- CookieベースのSSO
- SAML (Security Assertion Markup Language)
- OAuth / OpenID Connect (OIDC)
- 統合認証サービス (企業内の独自サービスなど)
Cookieベースの方式は比較的シンプルですが、同一ドメイン配下で運用するときに有効です。
SAMLは企業システム間や大規模な組織間連携などで使われることがあります。
OAuthとOpenID Connectは、Web APIのアクセス権限やユーザー認証を委譲する仕組みとして広く利用されています。
皆さんがよく見かける**「SNSアカウントでログイン」** は、OAuthとOpenID Connectの考え方を採用しています。
企業がクラウドサービスや外部サービスと認証連携するときにも活躍しています。
SSO のセキュリティ面での注意点
とても便利なSSOですが、セキュリティ面での注意も必要です。
ログインが一元化されるということは、メインとなる認証基盤が万が一破られた場合、多くのサービスへ不正アクセスされる可能性があります。
そのため、パスワード管理の強化 や 多要素認証 (MFA) の導入 などを合わせて検討することが大切です。
それに加えて、ユーザーがログアウトするタイミングの取り扱いにも気を配る必要があります。
SSOでは一度のログインで複数のサービスに入れてしまうので、不要なブラウザタブを開きっぱなしにしていると、うっかりログイン状態が続いてしまうかもしれません。
この対策として、一定時間が経過すると自動的にログアウトさせる機能を導入したり、明示的に「すべてのサービスからログアウトする」ボタンを設けたりする工夫が行われています。
SSOが導入されると、1つの認証障害が全サービスに波及するリスクが高まります。
認証基盤の冗長化やバックアップ運用も検討すると安心できます。
Node.js で簡単な SSO のイメージをつかむ
次に、簡単なイメージとしてNode.jsを使ったSSOらしき動きをコード例で見てみましょう。
あくまでサンプルですので、実運用には追加のセキュリティ設定や詳細実装が必要です。
ここでは Passport ライブラリを使って、Googleアカウントでログインするケースをざっくり示します。
// server.js const express = require("express"); const session = require("express-session"); const passport = require("passport"); const GoogleStrategy = require("passport-google-oauth20").Strategy; const app = express(); // セッション設定 app.use( session({ secret: "your-session-secret", resave: false, saveUninitialized: false, }) ); // Passport 初期化 app.use(passport.initialize()); app.use(passport.session()); // Googleアカウント戦略 passport.use( new GoogleStrategy( { clientID: "YOUR_GOOGLE_CLIENT_ID", clientSecret: "YOUR_GOOGLE_CLIENT_SECRET", callbackURL: "/auth/google/callback", }, async (accessToken, refreshToken, profile, done) => { // ユーザー情報をデータベースと照合してユーザーIDなどを取得 // ここでユーザーを作成または検索する処理を実装 return done(null, profile); } ) ); // シリアライズ・デシリアライズ passport.serializeUser((user, done) => { done(null, user); }); passport.deserializeUser((user, done) => { done(null, user); }); // Google認証を開始 app.get("/auth/google", passport.authenticate("google", { scope: ["profile"] })); // Googleがコールバックを行うURL app.get( "/auth/google/callback", passport.authenticate("google", { failureRedirect: "/" }), (req, res) => { // 認証成功後のリダイレクト先 res.redirect("/profile"); } ); // プロフィールページ例 app.get("/profile", (req, res) => { if (!req.user) { return res.redirect("/"); } res.send(`Welcome! User ID: ${req.user.id}`); }); app.listen(3000, () => { console.log("Server started on http://localhost:3000"); });
この例では、Googleアカウントでログインした時点でセッションが作られ、以降のリクエストではセッションを通じてユーザー情報が分かるようになっています。
さらに別のサービスがこの認証情報を共有できれば、改めてログインする必要はありません。
実際には共有の仕組みやセキュアなトークン管理など、もう少し込み入った実装が必要ですが、SSOの動きをイメージしやすくなるでしょう。
Webアプリ開発でどう活用するか
SSOはWebアプリや業務システムなど、幅広い領域で活用できます。
チーム開発の現場では、最初に認証基盤をどうするかが大事なテーマになることが多いです。
複数のアプリケーションを作る場合、それぞれ個別にユーザー管理をするとメンテナンスコストが上がります。
SSOを採用して一括管理することで、運用負担を軽減できるかもしれません。
また、ユーザーが複数のWebアプリを横断的に使うケースでは、SSOを導入することでログイン回数が減るため、UX向上にもつながります。
もし皆さんが新たにWebサービスを作るなら、早い段階で認証設計を検討するとよいでしょう。
SSOを視野に入れると、後から大掛かりな改修をする手間が減ることが多いです。
導入時に意識したいポイント
SSO導入には準備や検討が必要です。
主に以下のような点を意識してみてください。
- 利用するプロトコルの選択 (OAuth、OpenID Connect、SAMLなど)
- 認証基盤の可用性と冗長化
- 多要素認証やパスワードポリシーなどのセキュリティ強化
- ユーザー情報の共有範囲とプライバシー保護
- 既存システムとの連携コストや改修範囲
SSOを導入すると、管理運用が楽になる面はありますが、すべてを一括管理する負担も出てきます。
たとえば、マイクロサービス構成で多数のAPIが連携している場合、どこまでがSSOの範囲なのかを設計する必要があります。
ただ利便性が上がるだけでなく、リスクが集中する側面もあるため、チーム全体でよく相談しながら進めると良いですね。
必須ではありませんが、多要素認証を組み合わせることで、パスワード流出時の被害を抑止できる場合があります。
これはユーザーの保護にも直結する重要な施策です。
まとめ
今回は SSO とは何か について、初めての方にもわかりやすいように概要や導入メリットを説明してきました。
Cookieベース、OAuth、SAMLなど、実現方法はいろいろありますが、基本的な考え方は「認証を1つの仕組みに集約し、複数のサービスでログイン状態を共有する」点にあります。
また、利便性だけでなく、セキュリティをしっかり意識した運用が大切です。
皆さんがこれからWebアプリケーション開発を学ぶ過程で、「どうやってユーザーを認証するか」という課題は避けて通れません。
SSOの考え方を知ることで、将来的に大規模なサービスや企業システムなどにも対応しやすくなるでしょう。
社内システム、外部サービス連携、個人向けWebサービスなど、多様な分野で使われている仕組みですので、ぜひ理解を深めてみてください。