【エンジニア向け】レビューとは?初心者にもわかる基本と進め方

はじめに

皆さんは「レビュー」という言葉を聞いたときに、どんな場面を思い浮かべるでしょうか。 ソフトウェア開発の現場では、コードや仕様を確認し合う行為が頻繁に行われます。 それらを総称して「レビュー」と呼ぶことが多いです。 プログラミング未経験の方や、学習を始めたばかりの方にとっては、抽象的に感じられるかもしれませんね。 しかし、段階を追って理解していくと、チームで開発を進める際のヒントが見えてきます。

レビューの基本的な考え方

レビューとは、ソフトウェアやドキュメントなどを他のメンバーと一緒にチェックし、改善点を洗い出す行為を指します。 この行為には複数の目的があります。 品質向上やバグの早期発見が挙げられますが、チーム全体のスキル向上にもつながる点が見逃せません。 新人の方は、先輩のアドバイスをもらいながら実装のコツを学ぶ機会になります。 一方で、レビューを依頼する側も、自分の書いたコードや仕様を整理するきっかけを得られます。

コードレビューとは何か

ソフトウェア開発におけるレビューの代表例としては、コードレビュー がよく知られています。 コードレビューとは、自分が書いたソースコードを他の開発者が確認し、問題点や改善案を指摘するプロセスのことです。 チーム開発では、プルリクエスト(Pull Request)の形で変更内容を共有し、そこにコメントを残すやり方が多いですね。 この工程では、動作の正しさはもちろん、可読性や保守性もチェックの対象になります。

実務でのコードレビュー例

実際のコードレビューをイメージしやすいよう、簡単なJavaScriptコードを考えてみましょう。 以下は入力された数値を2倍にする関数ですが、コードとして気になる点がある場合に指摘が入るケースを想定します。

function doubleValue(num) {
  if (!num) {
    return 0
  }
  let doubled = num * 2
  console.log("結果は" + doubled + "です")
  return doubled
}

このコードでは、一見機能は成り立っています。 ただし、レビューで見られる観点として、メソッド名の妥当性や、引数の型チェックの仕方などが挙げられます。 また、ログの出力が必要かどうかも議論に上がるかもしれません。 こういったポイントを共有し合うことで、後々の拡張や保守が楽になることが多いです。

レビューを円滑に進めるポイント

レビューをスムーズに行うためには、いくつか心がけたいことがあります。 最初はコードの変更箇所をできるだけ小さくまとめると、全員が確認しやすくなります。 さらに、コメントに対して返答をする際には、丁寧に意図を説明すると理解を深めやすいです。 特に初心者の方は、自分の書いたコードに対して何を意図していたのかを言葉にする練習になりますね。 チーム全体としては、レビューを「人格否定」ではなく「改善のための意見交換」と捉える雰囲気づくりが欠かせません。

レビューはお互いを批判する場ではなく、プロジェクトを良い方向へ導くための情報共有の場と考えると前向きになりやすいです。

レビュー文化を根付かせるメリット

レビューが日常的に行われる環境は、開発者同士が学び合う土壌を育てます。 一人ひとりが書いたコードをチーム全体で共有すると、誰かに依存しない構造が出来上がります。 また、レビューの中で「こう書くと保守しやすい」「この方法は処理を簡潔にできる」といった知見が集まりやすくなります。 初心者の方はもちろん、経験が長い人にとっても、新しい視点を得るきっかけになるでしょう。 結果的に、プロジェクトのスケジュールが安定したり、バグが減るといった効果が期待できます。

コードレビュー以外のレビュー手法

コードレビュー以外にも、さまざまなレビューの形があります。 設計段階で図や仕様書を見ながら行う アーキテクチャレビュー や、UIデザインをチェックする デザインレビュー も代表的です。 これらはコードに取りかかる前に検討が必要になることが多いため、プロジェクトの初期段階で行われることが多いです。 また、セキュリティ対策が欠かせない場合は セキュリティレビュー も行われます。 このように、開発プロセスの各段階で異なる観点のレビューが行われることにより、全体的な品質が向上します。

レビューで見落としやすい点

レビューは役立つ取り組みですが、注意が必要なポイントもあります。 まず、レビューに集中しすぎて時間をかけすぎると、チーム全体の進捗に影響が出てしまいます。 次に、指摘が多いと、初心者の方は気持ちが落ち込むかもしれません。 そのため、肯定的な意見や良い点もあわせて伝えられると、意欲を維持しやすいです。 さらに、レビューの結果を反映するときに齟齬が生じると、結局同じ場所を何度も直すことになってしまいます。

レビュー後の修正を行うときは、誰が何を変更し、どんな狙いがあるのかをしっかり共有しておくとトラブルを減らせます。

よくある疑問と対処法

レビューを続ける中で、初学者の皆さんは「どう指摘したらいいかわからない」と悩むことがあるかもしれません。 そういう場合は、単に「ここがダメ」ではなく「なぜこう書いたのか?」と質問してみるのがおすすめです。 相手の意図を理解できると、実際のコードに対するアドバイスもしやすくなります。 また、「自分で書いたコードを見られるのが怖い」と感じることもあるでしょう。 そのときは、レビューはミスを探すだけの場ではなく、チームが互いに学べる場だと認識して、気軽に意見交換することが大切です。

まとめ

ここまで、エンジニア視点のレビューについて考えてきました。 コードレビューをはじめとする各種レビューは、開発の質を高めるだけでなく、チームの協力体制を強める効果もあります。 初心者の方が最初に戸惑う部分もあるかもしれませんが、意見交換を通じて得られる理解や知識は大きいです。 慣れてくると、自分のコードを客観的に見られるようになり、より読みやすく整理された実装を心がけられます。 ぜひ皆さんも、レビューの意義を前向きに捉えながら、学習や実務に役立ててみてください。

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