HTTPとは?初心者でもわかりやすい基本と仕組みを解説

Web開発

皆さんはWebサイトにアクセスしたり、SNSで投稿をしたりするときに、どのようにデータがやりとりされているか意識したことはあるでしょうか?

多くの場面で使われているのが HTTP という通信プロトコルです。

インターネット上でデータをやりとりするための約束事だと考えるとイメージしやすいかもしれません。

ここではHTTPの基本的な概念や、実際の開発現場でどのように活用されているかを、平易な言葉で紹介します。

複雑に思われがちな仕組みをできるだけ噛み砕いてお伝えするので、これからプログラミングを始める皆さんもぜひ参考にしてみてください。

HTTPとは何か

HTTPは Hypertext Transfer Protocol の略称です。

Webブラウザやモバイルアプリなどがサーバーとデータの送受信を行うためのルールにあたります。

実際のWebサイト閲覧やAPI通信など、幅広い分野で欠かせない存在ですね。

具体的には、皆さんがブラウザでアドレスバーにURLを入力すると、ブラウザはHTTPに沿った形式で「○○の情報をください」とサーバーに依頼します。

そしてサーバーは「はい、○○の情報をお送りしますよ」と応えるわけです。

HTTPはブラウザとサーバーの橋渡しをするコミュニケーション手段と言えるでしょう。

HTTP/3も意識されている

現在のWeb開発で話題に上がることが増えているのが HTTP/3 です。

HTTP/3は高速かつ効率的な通信を目指して設計されており、従来よりも通信の安定性が向上すると言われています。

主要なブラウザやサーバーでは徐々に採用が進み、将来的には定番の方式になっていくでしょう。

HTTPの概念自体が大きく変わるわけではありませんが、パフォーマンス面などで改善された仕組みと考えると理解しやすいかもしれません。

実務で多用されるHTTP通信

皆さんが開発に携わると、REST APIなどを使うこともあるかもしれません。

REST APIの多くが HTTP を基盤として動いています。

たとえばユーザー情報を取得したり、データを更新したりする際にはHTTPのメソッドを利用します。

このようにHTTPはただの仕組みではなく、実際の開発プロセスに深く関わっているのです。

HTTPのリクエストとレスポンス

HTTPは「リクエスト(請求)」と「レスポンス(応答)」のやりとりで成り立っています。

Webブラウザがサーバーへ「データを送ってください」と問い合わせるのがリクエストです。

サーバーがそれに応じて「ではこのデータを返します」と送り返すのがレスポンスになります。

リクエストとレスポンスがセットで動く点が大きな特徴ですね。

代表的なメソッド

リクエストにはさまざまなメソッドがあります。

GET

サーバーから情報を取得するときに使います。

POST

サーバーにデータを送って、新しい情報を作成したいときに使います。

PUT

既存の情報を更新するときに使われることが多いです。

DELETE

情報を削除するときに使います。

実務で多用されるのはGETとPOSTでしょう。

APIサーバーにデータを問い合わせたり、フォーム送信でユーザー情報を登録したりするときに重宝されています。

HTTPヘッダーの役割

リクエストとレスポンスには ヘッダー と呼ばれる情報が含まれます。

例えば「コンテンツの種類は何か」「文字コードは何か」「認証が必要か」といったメタデータをやりとりするイメージです。

ヘッダーを正しく使うことで、サーバーやクライアントがより明確にデータをやりとりできるようになります。

実務では、ユーザーエージェント(ブラウザ名など)の情報や、認証トークンなどが重要な役割を果たしますね。

ステータスコードとその意味

HTTPのレスポンスには ステータスコード という数値が含まれます。

これはサーバーがリクエストをどう処理したのかを表す数字です。

たとえば 200 は問題なく成功したことを示しますし、 404 はページが見つからなかったことを示します。

数字を見れば一目で状態を把握できるので、エラー対応の際などにも便利です。

よく目にするステータスコード

200 OK

リクエスト成功。想定通りのデータやページが返ってきます。

201 Created

新しいリソースが作成されたときに返されます。

400 Bad Request

リクエストの形式が正しくないときに返されます。

401 Unauthorized

認証がされていないか、認証に失敗したときに返されます。

404 Not Found

対象のデータやページが見つからない場合です。

500 Internal Server Error

サーバー内で何らかのエラーが発生したときに返ります。

ステータスコードは開発者にとって重要なヒントになりますね。

みなさんが不具合を調査するときにも、ステータスコードを確認する習慣をつけると原因を見つけやすくなるでしょう。

具体的なコード例

HTTPは実際の開発でも多用されますが、どのようにコードで扱うかをイメージしにくい人もいるでしょう。

そこで簡単な例を示します。

ここではJavaScript(Node.js)の環境を想定しています。

// Node.js v18以降でfetchが利用できる前提の例です。
// 皆さんが使っている環境によってはライブラリが必要な場合もあります。

async function fetchUserData() {
  try {
    const response = await fetch("https://jsonplaceholder.typicode.com/users/1", {
      method: "GET",
      headers: {
        "Content-Type": "application/json"
      }
    });

    // ステータスコードを確認
    if (!response.ok) {
      console.log("エラーが発生しました。ステータスコード:", response.status);
      return;
    }

    // レスポンスボディをJSONとして取得
    const data = await response.json();
    console.log("ユーザーデータ:", data);
  } catch (error) {
    console.error("通信に失敗しました。", error);
  }
}

fetchUserData();

上記のコードはGETリクエストを送って、ユーザー情報を取得し、そのままコンソールに表示します。

ポイントは fetch 関数を使ってHTTP通信を行い、レスポンスのステータスをチェックしている点です。

このようにHTTPを扱うと、ユーザー情報や製品情報などを自由に操作できるようになります。

もちろんPOSTなどの他のメソッドを使えば、データの登録や更新も行えますね。

実務での活用シーン

業務システムやSNSアプリなどでデータをやりとりするとき、多くの場合はHTTPリクエストを送ります。

フロントエンドとサーバーが完全に別々の場所にあっても、HTTP通信さえあればやりとりはスムーズに行えます。

クラウドのAPIや外部サービスと連携するときにも、基本はHTTPで通信をするので、開発者はこの仕組みをしっかり理解する必要があります。

HTTPSとの違い

HTTPに似た名称で HTTPS というものがあります。

Sは「Secure」の略で、データを暗号化するしくみが追加されています。

平文で通信するHTTPとは異なり、HTTPSでは通信途中でデータを盗聴されても解読されにくい特徴があります。

クレジットカード情報やログイン情報など、秘匿性が高いデータを取り扱うサイトはHTTPSを必須にしていることがほとんどでしょう。

初心者の皆さんが開発を始めるときにも、プライバシーを守る目的でHTTPSを導入する場面が多いはずです。

証明書の存在

HTTPSではデータの暗号化だけでなく、サーバーの正当性を証明する仕組みも利用されます。

偽サイトへの接続を防ぐために、証明書という仕組みを使って通信先が本物かどうかを確認できます。

これらの技術的な詳細は難しく見えますが、HTTPの理解があると自然と応用できるはずです。

最新動向とHTTP/3

先ほどHTTP/3に触れましたが、これはQUICという新しいプロトコルをベースにしています。

高いパフォーマンスを狙っており、ブラウザやサーバー間の通信を効率化するメリットが期待されています。

ただし、HTTPの根本的な考え方が大幅に変わるわけではありません。

リクエストとレスポンスを交換してリソースを取得するという流れは同じです。

Web開発者としては、将来の安定化を視野に入れながら、HTTP/3にも対応できる柔軟性を備えておくといいでしょう。

実務で意識しておきたいポイント

HTTPはWebにおける基盤となるプロトコルなので、何かを実装するときも欠かせない存在です。

そこで、実務でよく気をつけるべきポイントを少し紹介します。

リクエスト数の抑制

リソースを細切れにリクエストしすぎると、サーバーへの負荷が増えてしまいます。

レスポンスデータのサイズ

必要以上に大きなデータを返してしまうと、ネットワークの負荷がかさみます。

ステータスコードの適切な使用

サーバー側の処理結果を正確に示すことで、エラー対応がしやすくなります。

ヘッダー情報の活用

キャッシュコントロールや認証ヘッダーなど、用途に合わせて設定すると通信がスムーズです。

セキュリティ対策

HTTPSを前提にしたプロジェクトが当たり前になりつつあります。

HTTP自体は複雑ではありませんが、これらのポイントを踏まえないとパフォーマンスやセキュリティ面でトラブルが発生しやすくなります。

ヘッダーやステータスコードを正しく理解するだけで、アプリケーション開発の効率が大きく変わることがあります。

まとめ

HTTPはブラウザとサーバーをつなぐ基本的な通信ルールです。

Webサイトやアプリで何かを操作するとき、舞台裏ではHTTPが活躍しています。

GETやPOSTといったメソッドでリソースを操作し、ステータスコードで結果を確認する仕組みは、皆さんが学ぶプログラミング領域の要となるはずです。

また、HTTPSやHTTP/3といった進化形も登場しており、暗号化や通信効率の面でより洗練された手段も増えてきました。

今後Web開発に取り組むのであれば、HTTPは避けて通れない概念と言えるでしょう。

エラー対応や性能改善に役立つノウハウも多いため、ぜひ皆さんの学習や実装の際に役立ててみてください。

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