WebAPIとは?初心者にもわかりやすい基礎解説

API開発

WebAPIとは何か

WebAPIとは、インターネットを介してデータや機能をやり取りする仕組みのことですね。 多くの場合、HTTPという通信プロトコルを使ってやり取りします。 たとえば、天気予報の情報を取得したり、SNSにデータを投稿したりするときにWebAPIが使われます。 Webブラウザが直接的にアクセスすることもあれば、サーバー同士が裏側で通信する場合もあります。 そういったデータのやり取りの枠組みを提供するのがWebAPIです。 初心者の皆さんでも、インターネット上で必要な情報を取得したり送信したりする仕組み、とイメージすると理解しやすいでしょう。 これを把握しておくと、Webアプリケーションを作るときにとても役立ちます。

WebAPIはアプリケーション同士を「つなぐ」役割を果たすことが多いです。 従来は同じシステム内で完結していた処理が、いまでは外部サービスを組み合わせる形で行われるケースが増えています。 天気情報や地図情報、決済処理などを外部のAPIに任せることで、開発者が一からすべてを作る必要がなくなるわけです。 その分、効率よく開発ができるのが大きな利点といえます。

WebAPIを使うメリット

WebAPIを上手に活用すると、いろいろな場面で便利に感じる場面があるのではないでしょうか。 とくに以下のようなメリットが考えられます。

  • 他サービスの機能をすぐに利用できる
  • データを組み合わせて独自のサービスを作成しやすい
  • システムの分業・拡張性が高まる
  • 無駄な重複作業を省ける

自前でデータや機能をすべて開発しなくても、公開されているWebAPIをうまく組み合わせることで、短期間でサービスを立ち上げやすくなります。 また、自分の作った機能を外部に公開すれば、他の開発者にも使ってもらえるという点が魅力的です。

WebAPIを支えるHTTPメソッド

WebAPIでは、HTTPメソッドと呼ばれる命令を利用してリクエストを送ります。 代表的なHTTPメソッドとしては、GETPOSTPUTDELETEなどがあります。 以下は代表的なものです。

GET

サーバーからデータを取得するときに使われます。

POST

データを新規に作成するときによく使われます。

PUT

既存のデータを更新する目的で使われます。

DELETE

データを削除するときに使われます。

GETメソッドでサーバーにアクセスすると、通常はレスポンスとしてJSONやXMLなどの形式でデータが返ってきます。 JSONはJavaScriptのオブジェクト構文をベースとした形式で、WebAPIでは特によく使われます。

JSON形式の例

JSON形式はシンプルで読みやすい構造を持っています。 たとえば、WebAPIから天気情報を取得する場合は、次のようなJSONが返ってくることがあります。

{
  "city": "Tokyo",
  "temperature": 25,
  "weather": "Cloudy"
}

JSONは波括弧 {} とコロン : を使ってデータを表します。 配列を使って複数のデータをまとめることも可能です。 初心者の皆さんがWebAPIを扱うなら、まずJSON形式を意識するといいでしょう。

WebAPIの実務での活用シーン

システム間連携が必要な場面では、たいていWebAPIが利用されます。 SNSの投稿機能や決済サービスとの連携、あるいはマップ上に表示する店舗情報の取得など、多岐にわたります。 このとき、通信はすべてHTTPを使って行われるため、インターネット環境さえあれば場所を選ばずに利用できます。 実際の業務では、既存の外部APIを活用して、自分のサービスに素早く機能追加するケースがよくあります。 逆に、社内システムを外部から利用できる形で公開するWebAPIを作ることも多いです。 このように、単独のシステムだけでなく、いろんなサービス同士を連携させる上でWebAPIが大きな役割を果たしています。

「APIを公開する」という言い方を聞いたことがあるかもしれませんが、その実態は、外部がHTTP経由で呼び出せるようにした仕組みを用意することと言えます。

WebAPIとRESTの関係

WebAPIとセットでよく出てくる言葉に、RESTという概念があります。 RESTとは「REpresentational State Transfer」の略称ですが、その詳細な理論をすべて覚える必要はありません。 大切なのは、リソースを一意に特定するURLを使い、HTTPメソッドで操作し、ステートレスにデータのやり取りを行うという点です。 多くのWebAPIは、このRESTの考え方をもとに設計されています。 たとえば /users/123 というエンドポイントに対して、GETならユーザー情報を取得し、DELETEならユーザー情報を削除するといった使い方をするわけですね。 初心者のうちは、URLをどのように設計し、どのようなメソッドを使うのかをイメージできるようになるだけでも十分です。

WebAPIの基本構造とエンドポイント設計

WebAPIを提供する側は、URLの構造(エンドポイント設計)を決めておく必要があります。 たとえば、ユーザー情報を扱うなら /users というエンドポイントを作るかもしれません。 そこに以下のような形でアクセスするイメージです。

  • GET /users: ユーザー一覧を取得

  • GET /users/1: 特定のユーザー情報を取得

  • POST /users: 新しいユーザーを作成

  • PUT /users/1: ユーザー情報を更新

  • DELETE /users/1: ユーザー情報を削除

URLとメソッドの組み合わせを通じて、どのデータをどう操作するのかが直感的にわかるようにするのが理想的です。 こうしたルールをきちんと決めておくと、開発者同士のコミュニケーションがスムーズになります。

WebAPIのセキュリティ

WebAPIは外部からアクセスされるものなので、セキュリティ面を意識することは大切でしょう。 外部からデータを取得するだけのAPIでも、意図しない使われ方をされることがあります。 認証や認可の仕組みを導入して、正しいユーザーだけが正しいデータにアクセスできるようにしましょう。 特に重要なデータを扱う場合には、通信を暗号化するHTTPSを使うことが当たり前と考えてください。 さらに、入力値をそのままデータベースに流し込まないように、サニタイズの処理やバリデーションを行うことも必要です。 WebAPIにおけるセキュリティ対策は幅広いので、基本的なセキュリティの概念を押さえてから実装に取りかかると安心できるかもしれません。

パスワードなど機密性の高いデータを扱うときは、トークンベースの認証やアクセス制限を検討したほうがいいです。

WebAPIを試す簡単なコード例 (Node.js + Express)

ここでは、Node.jsとExpressを使ったシンプルなWebAPIの例を示します。 以下のコードでは、ユーザー情報を管理する小さなAPIを作っています。

const express = require("express");
const app = express();

app.use(express.json());

// メモリ上にユーザー情報を保存
let users = [
  { id: 1, name: "Alice", age: 25 },
  { id: 2, name: "Bob", age: 30 }
];

// ユーザー一覧を取得
app.get("/users", (req, res) => {
  res.json(users);
});

// ユーザーを取得
app.get("/users/:id", (req, res) => {
  const userId = parseInt(req.params.id, 10);
  const user = users.find(u => u.id === userId);
  if (user) {
    res.json(user);
  } else {
    res.status(404).json({ error: "User not found" });
  }
});

// ユーザーを追加
app.post("/users", (req, res) => {
  const newUser = {
    id: users.length + 1,
    name: req.body.name,
    age: req.body.age
  };
  users.push(newUser);
  res.json(newUser);
});

// ユーザーを更新
app.put("/users/:id", (req, res) => {
  const userId = parseInt(req.params.id, 10);
  const userIndex = users.findIndex(u => u.id === userId);
  if (userIndex !== -1) {
    users[userIndex].name = req.body.name;
    users[userIndex].age = req.body.age;
    res.json(users[userIndex]);
  } else {
    res.status(404).json({ error: "User not found" });
  }
});

// ユーザーを削除
app.delete("/users/:id", (req, res) => {
  const userId = parseInt(req.params.id, 10);
  const userIndex = users.findIndex(u => u.id === userId);
  if (userIndex !== -1) {
    const deletedUser = users.splice(userIndex, 1);
    res.json(deletedUser[0]);
  } else {
    res.status(404).json({ error: "User not found" });
  }
});

app.listen(3000, () => {
  console.log("Server running on port 3000");
});

このコードを動かせば、/users エンドポイントなどにアクセスして、ユーザー情報を操作できます。 初心者の方にとっては少しハードルがあるように見えるかもしれませんが、何をしているのか1行ずつ読んでいけば理解は難しくありません。 エラー処理やセキュリティなど、実際にはもっと多くの配慮が必要です。 しかし、基本的な流れを押さえるには、このようなサンプルを読んでみるのがおすすめです。

WebAPIを呼び出す例 (fetch関数の利用)

ここでは、先ほどのWebAPIを呼び出してみる簡単な例を示します。 ブラウザ環境やNode.jsでも書き方は似ていますが、基本的にはfetch関数を使うか、またはaxiosなどのライブラリを使う方法が一般的です。 以下の例ではfetchを使っています。

async function getUsers() {
  try {
    const response = await fetch("http://localhost:3000/users");
    const data = await response.json();
    console.log("ユーザー一覧:", data);
  } catch (error) {
    console.error("エラーが発生しました:", error);
  }
}

getUsers();

fetch("http://localhost:3000/users") のようにURLを指定するだけで、上で作ったWebAPIにアクセスできます。 応答がJSON形式ならば、response.json() でJavaScriptのオブジェクトに変換できます。 あとはコンソールに出力するなり、画面に表示するなり自由に扱うことができるでしょう。

他言語との比較と一般的な流れ

WebAPIは言語やフレームワークの違いを超えて利用できます。 PythonやRuby、PHPなどからでもHTTPリクエストを送る仕組みがあれば同じように呼び出せます。 それぞれの言語には専用のライブラリが用意されていることが多いので、それを使うと便利ですね。 基本となる流れは変わりません。 エンドポイントのURLを指定し、HTTPメソッドと必要なパラメータやヘッダーを付けてリクエストを送るという点はどの言語でも共通です。

WebAPIの設計時に気をつけたいこと

WebAPIを作るときは、利用者が理解しやすく、保守もしやすい設計にすることが大事です。 以下のポイントが参考になるでしょう。

  • エンドポイントのURLに意味を持たせる
  • 一貫したHTTPステータスコードを返す
  • JSONのフィールド名を統一する
  • バージョン管理を考慮し、後方互換性を意識する

特に、エラー時には適切なステータスコードやエラーメッセージを返すと、トラブルシューティングがしやすくなります。 今後拡張するときのために、/v1/users のようにバージョンをURLに含めておく方法も一般的です。

企業・組織での導入事例をイメージしてみる

企業で考えてみると、在庫管理システムと顧客管理システムを連携させたいときにWebAPIが利用されるケースがあります。 別々のシステムがHTTPリクエストをやり取りする形で在庫数や顧客情報を照会し合い、社内ポータルやECサイトで一元管理するわけです。 こうすることで、部署やサービスごとに分散していたデータを横断的に活用できます。 また、取引先とデータ交換したい場合も、お互いがWebAPIを公開することで手間を減らし、スムーズにやり取りできるでしょう。

具体的な活用イメージ

たとえば、フロントエンドはReactやVueなどのJavaScriptフレームワークで作り、バックエンドはNode.jsやPythonのFlaskなどでWebAPIを提供します。 フロントエンド側が必要とするデータをWebAPIで返し、そのデータをJavaScriptで受け取って画面に表示します。 もしデータを更新したいときは、フロントエンドからPOSTやPUTリクエストを送ってサーバー上のデータを更新する仕組みです。 これを知っておくと、「ページをリロードしなくても最新のデータを反映できる」 という点がよく理解できるようになるでしょう。 多くのモダンなWebサービスが、この仕組みをベースに動いています。

まとめ:初めてWebAPIを学ぶ方へ

WebAPIは、多くのサービスやシステムをつなぐ「接着剤」のような存在です。 HTTPメソッドやエンドポイント設計、セキュリティなど、ポイントを押さえておくと実務で重宝します。 実際には、認証・認可やエラー処理の仕組み、監視・ログなど学ぶことは多いです。 ですが、まずは小さなサンプルを動かし、リクエストとレスポンスの流れを把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。

「何のためにWebAPIを使うのか」という目的を意識しながら学ぶと、楽しさが増すかもしれません。

初心者の皆さんは、最初は難しく感じるかもしれませんね。 しかし、具体的な例やコードを見ながら試していくうちに、少しずつ流れを理解できるようになります。 自分なりの小さなプロジェクトで実際にAPIを呼び出したり、公開したりすると、より理解が深まるでしょう。

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