WordPressのフッターを編集する方法
はじめに
皆さんはWebサイトを作るとき、ページ下部にあるフッターをどのように扱っているでしょうか。 フッターにはコピーライト表記やお問い合わせ先、SNSのリンクなどをまとめて配置することが多いですね。 WordPressでもテーマによってはフッターがうまく編集できず、やりたいデザインや情報配置にならない場合があるかもしれません。 そのようなときには少し工夫をすることで、より自由度の高いカスタマイズが行えます。
本記事ではWordPressのフッターを編集する方法について、初心者にもわかりやすく説明します。 具体的な実務シーンと紐付けながら、テーマのファイルを直接編集する方法やウィジェットを活用する方法、プラグインを用いる方法などを順番に見ていきます。
この記事を読むとわかること
- フッターを編集するための一般的な方法
- ウィジェットを使ったレイアウト調整のポイント
- プラグインを利用した変更方法
- フッター内にコードを追加するときの注意点
- 実務でありがちな編集例と対処方法
フッターが重要視される理由
Webサイト全体のデザインを整えるには、ヘッダーやメインコンテンツだけでなく、フッターの配置や見せ方も欠かせません。 たとえば企業サイトであれば、フッターに事務所住所や免責事項などを載せるケースが多いです。 個人ブログでも、著作権表記やSNSリンクをまとめる場所としてフッターが使われることがあります。
また、フッターには利用規約やプライバシーポリシーへのリンクをまとめる場合があり、サイト全体の信頼感を担保する役割を持ちます。 ユーザーが最後に目にする要素でもあるため、見せ方によってはブランドイメージの向上にもつながるでしょう。
フッター編集の全体像
フッターを編集する方法は、大きく分けて以下の3つに分類できます。
- テーマのファイルを直接編集する方法
- ウィジェットを使う方法
- 専用プラグインを使う方法
実際にどの方法を選ぶかは、皆さんのテーマの構造や必要とする変更内容によって異なります。 企業サイトであれば、独自のクレジット表記や注意事項を大きく変更する機会が多いかもしれません。 個人ブログなら、プラグインで簡単にレイアウトを変えてみるのもよいでしょう。
テーマファイルを直接編集するメリットとデメリット
WordPressでは、footer.php
というファイルを編集することでフッターの構造や表示内容を自由に変更できます。
ただし、テーマによってはfooter.php
という名前ではなく、複数のファイルに分割されている場合もあるので、実際にファイル構成をよく確認してみてください。
テーマファイルを直接編集すると、細かい部分まで制御しやすい点がメリットです。 一方でデメリットとして、テーマをアップデートした際に上書きされてしまう可能性があるというリスクがあります。 この問題を回避するために子テーマを活用する方が多いです。
テーマファイルの直接編集は、必ず子テーマを用意してから行う方が安心です。 アップデートによる上書きリスクを避けるためにも、子テーマを使いましょう。
フッターを編集するための子テーマの作り方
子テーマを使うと、本来のテーマ(親テーマ)のアップデート内容を継承しつつ、独自のカスタマイズが保存されやすくなります。 子テーマを作る手順は、ファイルを2つほど用意してフォルダに配置するだけです。
たとえば、my-theme-child
というフォルダを作成して、以下のような構成にする方法が一般的です。
/* my-theme-child/style.css */ /* Theme Name: my-theme-child Template: my-theme */ body { /* カスタマイズしたいCSS */ }
<?php // my-theme-child/functions.php function my_theme_child_enqueue_scripts() { // 親テーマのCSSを読み込み wp_enqueue_style('parent-style', get_template_directory_uri() . '/style.css'); } add_action('wp_enqueue_scripts', 'my_theme_child_enqueue_scripts');
このように子テーマを用意してから、親テーマの footer.php
をコピーして my-theme-child
フォルダに設置します。
その後、子テーマ側の footer.php
を編集すれば、アップデート時の影響を最小限に抑えられます。
footer.phpを編集する実務例
たとえば企業サイトで、フッターに問い合わせ先やSNSボタンを追加したい場合を考えてみましょう。
以下のように footer.php
のHTMLコードを変更すると、レイアウトを柔軟に組めます。
<footer class="site-footer"> <div class="footer-info"> <p>© 2025 Example Corp. All rights reserved.</p> <p>住所:〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3</p> </div> <div class="footer-links"> <a href="https://twitter.com/ExampleCorp" target="_blank">Twitter</a> <a href="https://facebook.com/ExampleCorp" target="_blank">Facebook</a> <a href="https://instagram.com/ExampleCorp" target="_blank">Instagram</a> </div> </footer>
このように直接HTMLを編集すれば、自由度の高い表示が実現できます。
さらにCSSで .footer-info
や .footer-links
のスタイルを調整すると、見た目もきれいに整うでしょう。
ウィジェットを使ったフッターの編集
テーマによっては、管理画面の外観 > ウィジェットに「Footer」用のエリアが用意されていることがあります。 このウィジェットエリアを活用すれば、テンプレートファイルをいじらなくても簡単にフッターに任意のコンテンツを配置できます。
例えば、フッターにテキストブロックやHTMLコードを置きたい場合、次のような手順をとります。
- 管理画面で 外観 > ウィジェット を開く
- 「Footer」または「フッターウィジェット」と書かれた部分を探す
- 「テキスト」ウィジェットや「カスタムHTML」ウィジェットを追加
- 表示したい文言やHTMLを記入
これだけで、特別なコードを書くことなく編集が可能です。 企業サイトでも、よく使うリンクをまとめたり、会社情報を簡単に表示したいときに便利ですね。
プラグインを用いた編集
より簡単にフッターを編集したい場合には、プラグインを利用する方法があります。 HTMLやPHPに触れずにウィジェット以上の細かいレイアウト変更をしたいときに役立つでしょう。
たとえば、フッター領域のデザインを柔軟に変更できるカスタムCSSプラグインが存在します。 こういったプラグインなら、フッターだけでなく全体のデザイン調整も一括して管理できるので、初心者でも操作がしやすいかもしれません。
ただし、プラグインを増やしすぎるとサイト全体の管理が煩雑になるので、必要な機能を厳選することがポイントです。 あまりに多くのプラグインを導入するとサイトのパフォーマンスに影響を与える可能性もあるため、注意してください。
フッター編集に限らず、サイトのデザインや機能を拡張する場合、用途に合ったプラグインを選ぶのが大切です。
フッターにスクリプトや追跡タグを設置する場合
フッターを編集する理由として、JavaScriptのトラッキングコードなどを挿入したいケースもあるかもしれません。 Google アナリティクスや広告配信用のタグなどをフッターにまとめたいというニーズはよくあります。
ただし、このようなコードを footer.php
に直接記述すると、他のプラグインや機能と競合することがあります。
もし競合が心配であれば、テーマの管理画面やプラグインで用意されている「ヘッダー/フッターにスクリプトを挿入する機能」を使うのも選択肢のひとつです。
実務でよくある修正例
企業サイトや個人サイトでも、フッターに関する修正依頼は意外と多いです。 例えば下記のようなリクエストが挙げられます。
- コピーライトの年度を自動更新にしたい
- フッター内に問い合わせフォームへのボタンを設置したい
- SNSアイコンを追加して、横並びで表示したい
- テキスト中心ではなく、表組みのレイアウトに変えたい
コピーライトの年度を自動更新する場合は、functions.php
やウィジェットにPHPを少し書くことで実装できます。
例えば以下のように echo date('Y');
を使って現在の西暦を表示させる方法があります。
<?php echo date('Y'); ?> Example Corp. All rights reserved.
なお、フッターが複数の列(カラム)に分割されるテーマもあるため、列を増やす場合にはCSSでの対応が必要です。
トラブルシューティング
フッターを編集している最中にトラブルが起こることもありますが、以下のような対処を試してみてください。
-
サイトが白画面になった場合
- PHPの記述ミスが原因の場合が多いです。
- 一度ファイルを元に戻してから改めて慎重に編集しなおしましょう。
-
レイアウトが崩れる場合
- テーマ独自のCSSと競合している可能性があります。
- 開発者ツールでクラス名やIDを確認し、上書きや不要なスタイルを精査してください。
-
ウィジェットが反映されない場合
- テーマによってウィジェットエリアの登録がない場合があります。
- テーマのカスタマイズ機能やプラグイン側で追加できるか確認してみましょう。
まとめ
WordPressのフッターを編集する方法は、テーマファイルの直接編集、ウィジェットの活用、プラグイン利用など、多岐にわたります。 実務でよく行われるのは、子テーマを用意してfooter.phpやfunctions.phpを調整するやり方や、ウィジェットを使ってコンテンツを配置する方法です。
皆さんのサイトに必要な要素がどれかを考えながら、最適な手段を選んでみてください。 フッターは単なるページ下部の情報だけでなく、サイト全体のブランディングや使い勝手にも関係します。 カスタマイズが完了したら、表示が崩れていないか、コンテンツが正しく反映されているかを必ずチェックしましょう。